「べっぴんさん」第19週【希望】(2月6日〜2月11日)まとめ、五月の出産を通して遂にさくらに変化が
アキコ・ポジチーボ
芳根京子が主演を務めるNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」。2月6日(月)〜2月11日(土)朝8時から放送された第19週では、長らく膠着状態にあった、母・すみれと娘・さくらだが、すみれの父・五十八が倒れてしまい、祖父の言葉を聞いたさくらは少しずつ変わり始める…。
第19週「希望」
主人公の坂東すみれ(芳根京子)は、山本五月(久保田紗友)が妊娠していることを知り、自分の家に住まわせることにする。
「赤ちゃんにとってたった一人のお母さん、それを見失わないことです」と、女中頭の佐藤喜代(宮田圭子)は五月に声をかける。
ある日のこと、ドラム奏者としてプロを目指していた河合二郎(林遣都)は、恋人の五月が妊娠していると知って、すみれの家を訪ねる。
しかし五月は二郎がプロのドラマーになる夢を追って東京へ言って欲しいと告げ、会おうとしない。
「大丈夫…絶対に立派に育ててみせる…私のことは忘れて。私も二郎ちゃんのことを忘れる」と五月は二郎へドア越しに言葉をかける。
いつもそばにいたあの人が…
すみれたちは、父・坂東五十八(生瀬勝久)が倒れたと聞き、近江の実家へと急ぐ。
意識を失って眠ったままの五十八を皆で囲んで昼食をとる。
五十八の兄・坂東長太郎(本田博太郎)は兄弟仲違いしていた頃を反省し、涙を流す。
五十八は、夢の中で亡き妻・坂東はな(菅野美穂)と会っていた。
「お前との約束を果たせたか?」とはなに語りかける五十八。
するとはなは、「ゆりとすみれを見てください。しっかり果たせています」と五十八に語りかける。
夢から覚めた五十八は自分の死期を知り、最後の言葉を皆に伝える。
野上潔( 高良健吾)には「仕事を引き継いでくれてありがとう、焦らないように」と。
一人一人に最後の言葉を送る五十八。
野上ゆり(蓮佛美沙子)には「ほんまにええお母さんや。今のお前ははなそっくり」と。
そして、すみれには「お前の人生は輝いとる。大勢の人を笑顔にできる生き方なんかそうそうないで」と。
さくらには「そんな生き方してるお前のお母さんが誇らしい。親として嬉しい。さくらにも光り輝く人生を送って欲しい」と告げるのだった。
二郎の苦悩
五月の思いを聞いた二郎は、東京へ行くことを決める。
ジャズ喫茶「ヨーソロー」女主人・大村すず(江波杏子)に演奏のアルバイトを今月で辞めることを告げた二郎。
五月のためにも東京で成功しなければいけないと二郎が言うと、すずは「ほんまにそれでいいんか? あんたは優しい子や。東京へ行って売れるということが、どういうことか分かっているか? 腕がいいだけじゃ成功できない。いろんな人を踏みつけて這い上がっていかなれければ…あんたにはでけへんやろな」と二郎に言うのだった。
さくら、母の思いを知る
五十八の言葉を聞いて、さくらは幼なじみの村田健太郎(古川雄輝)や小澤龍一(森永悠希)と一緒に「キアリス」でアルバイトをすることにする。
さくらは、小澤良子(百田夏菜子)、村田君枝(土村芳)、小野明美(谷村美月)に連れられて製作所へ向かう。
赤ちゃんの肌着を作るとき、赤ちゃんの敏感な肌に触れないように、縫い目を外側にして縫製するのは、すみれのアイデアなんですよ、と教えてもらったさくらは母の仕事への思いを知るようになる。
デザインを任されている君枝は、さくらに「どんなデザインにする?」と言ってデザイン画を渡す。
さくらが絵を描くと、皆が「ええねぇ」と言って喜ぶ。
事務所に帰ると、大急百貨店の社員・小山(夙川アトム)とすみれが熱のこもった会議をしており、さくらはそんな母の姿を見て、気持ちが変化していくのだった。
皆が五月のことを考える
ジャズ喫茶「ヨーソロー」で明美は、洋服メーカー「エイス」の社長・岩佐栄輔(松下優也)に、五月が妊娠5ヶ月ということを教える。
そのことを知った栄輔は、「エイス」で働く五月に無理するなと言うが、五月は懸命に働こうとする。
その姿を見て栄輔は「キアリス」を訪ね、すみれたちに五月のことを相談する。
すると、さくらは五月を「キアリス」で雇ってあげてくれないか? とすみれに提案する。
すみれはさくらの提案を受け入れ、五月に「赤ちゃんを産むお母さんの気持ちで働いてくれたらいいのよ」と言葉をかける。
「絶対に忘れへん。こんなに優しくしてもろたこと…」と言って五月は涙を流すのだった。
自分が大切にするもの
潔は「エイス」と「オライオン」との業務提携の話で悩んでいたが、断ることを決意する。
大急百貨店の社長・大島保(伊武雅刀)に君たちの目指しているものは何か? と潔と栄輔が問われると、栄輔は「日本中の男をおしゃれにしたい」と答える。
そして潔は「先代の会社を守ること。社員と家族を大切にすること。一生楽しく過ごすこと」と答える。
すると栄輔は「我々が進む道はどこまでも違うようですね」と言って部屋を出て行く。
みんなで力を合わせて五月の出産を支える
出産が近づくにつれ、不安が募る五月。
そんな五月を、「キアリス」の先輩ママたちが励ます。
良子が、「戦争中は、みんな一人で産んでたのよ」と言えば、君枝が「食べ物もなくて…お米をすりつぶして飲ませたりして」と苦労を語る。
そしてすみれが「私たちもいるし、紀夫さんたちもいる! 五月ちゃん大船に乗ったつもりでね!」と励ますと、五月は元気を取り戻すのだった。
自宅に帰ると、喜代が赤ちゃんのために縫い物をしていた。
みんなが五月の出産を応援し、赤ちゃんの誕生を楽しみにしていた。
二郎の決断
ある日のこと。
「キアリス」に東京へ行く決意を固めていたはずの二郎が、姿を現す。
二郎は「自分を必要としてくれる場所で、愛する人といたい。音楽はどこでもできる。でも五月は神戸にしかいない。これからはわしがいる。お前の隣にずっと」と言って、東京へは行かず、五月と一緒に暮らすことを伝える。
「キアリス」の面々と五月、そして二郎はジャズ喫茶「ヨーソロー」に集まり、楽しいひと時を過ごす。
すると、すずが二郎と五月に「この店やらへんか?」と言って、引退を宣言する。
そしてすずは「ベイビーが幸せ運んでくれるで」と言って、二人のこれからを祝福するのだった。
産まれし者、そして去りゆく者…。
五月は、すみれたち全員の力を借りて、すみれの家で出産をする。
男たちはそわそわして落ち着かない…。
そして無事赤ちゃんが誕生し、皆が幸せに包まれる。
しかし、その頃近江では、五十八が静かに息を引き取っていた。
父の訃報を聞いたすみれは、悲しみをこらえて近江へ向かう準備を整える。
するとさくらはすみれに「私、どれだけ愛されていたかわかってなかった。変わりたいと思っています」と言って、デザインの仕事を頑張りたいと自分の夢に向かって前進することを母に誓う。
そして、娘の気持ちを聞いたすみれは、さくらをしっかりと抱きしめるのだった。
第20週「旅立ちのとき」
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」。
高校三年生になったさくら、健一郎、龍一は、自分たちの進路について真剣に考え決断する。
旅立つ子どもたちに手作りの服を贈ろうと、すみれ、君枝、良子は久々に奮闘。
そして迎えた大送別会!
第20週は、2月13日(月)〜2月18日(火)朝8時から放送。
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」は、NHK総合で毎週月曜〜土曜の午前8時から放送。
公式サイト(http://www.nhk.or.jp/beppinsan/)