はじめに

劇場版名探偵コナンの犯人を判定する。以下の6作について新しい方から取り上げていく。
「時計じかけの摩天楼」
「14番目の標敵」
「世紀末の魔術師」
「瞳の中の暗殺者」
「天国へのカウントダウン」
「迷宮の十字路」
この記事では「名探偵コナン 瞳の中の暗殺者」の犯人について MBTI に基づいて判定を行った。
作品についてネタバレを含むので、それを好まない方は読まないように。 また、私は最近視聴したわけではあるが、詳細についての記憶は怪しい。単純に事の経緯を間違うことは有り得ることなので、その点は留意してほしい。
風戸京介 : ISTP

Dominant: Introverted Thinking (Ti)
Auxiliary: Extraverted Sensing (Se)
Tertiary: Introverted Intuition (Ni)
Inferior: Extraverted Feeling (Fe)
自信の技術・能力に対する非常に高いプライドが特徴。危ない橋をあえて渡るような形で自分の能力を示すような所があり、 ISTP の強い自尊心を感じられる。
E と I
本性を表す前にせよ後にせよ、社交性自体は低くない。特に普段の態度からは節度を弁えた常識人と言った風で、非常に信頼感のある人物。この様子からは E か Fe を含む I(IFJ, ITP) に見える。
さらに考えてみると、会話の様子など非常に穏やかで愛想よく話す。この辺りはやはり Fe を使うことになれている人物かつ NT は遠いと考えられる。とすると、 4種の FJ か、 ESTP, ISTP 。
しかし、真相を救命する段階になると彼の隠された人となりが見えてくる。まず、外科医としての技術に対する高い自信が有る。この「技」、特に「個人技」というのが Ti, Se に強く接近する。自分のやり方および物理的・身体的技術に手厚いのが ESTP, ISTP の特長である。
さらにその後の怪我で以前の腕が失われると、プライドの高さから外科医を辞め、左利きだったことを隠して右利きとして振る舞う。この、極めて高いプライドが風戸の特徴であり、 Ti > Se である ISTP と考える根拠となる。 Ti によって鍛え上げた自身の技術が、凡庸なものになってしまったことを認めるのが苦痛なのだ。
また、トロピカルランドにて蘭を抹殺する際の、充実した装備も ISTP の徹底的なこだわりを感じられるか。基本的に ISTP は他人と同じというのを好まないところがある。ハッキリ言ってやり過ぎだろうというあの装備も、「自分が上位の捕食者」であるという異常な自尊心・ Ti の発露なのかもしれない。
他、この豹変ぶり自体も ISTP の性質には合致する。社交的な場において ISTP はかなり上手く、 Se と Fe を使う。これによって高い社交性を発揮し、柔軟で気さくな人柄と思われやすい。一方でプライベートな場ではわざわざ Fe を使うこともなく、我の強い Ti を前に出すので、優しいとかいうタイプではない。 ISTP はこういった二面性を作る結果となる方ではある。
最も、風戸の精神が常軌を逸している事は事実であり、 全てのISTP が本当は傲慢な人物とかいうわけではない。
N と S
前項でだいぶ語ってしまったが、 Se が顕著ということで当然 S となる。単独で考えると Se は現在を志向する傾向であり、計画性という部分が低いというのがポイントか。風戸の行動について考えていきたい。
総合して、計画性の低いリスキーな犯行が目立つ。劇中最初の殺人は(脚本の都合が当然あるとは言え)真っ昼間の通りで行い、コナンに当然のように目撃され、しかも被害者は即死していない。2件目はある程度人目につかないポイントだ。
3件目、佐藤刑事を狙った犯行も凄い。こちらはトリックだけ考えているが、そもそも警察が大量にいる中、佐藤が一人になったタイミングをアバウトに狙うというのがハイリスクにも程がある。結局蘭に見られて、しかも佐藤は殺し損なう。すごく行き当たりばったり。
トロピカルランドで蘭を襲撃する際は、もう何の計画もない。追いかけ回して銃撃し、殺害するという、場当たり的というか、何だそれレベル。ここまでくると、単純に蘭の殺害をゲームのように楽しんでいるだけに見える。そういう意味では「どうなるかわからない」不確定性を楽しむ Se らしいが。
F と T
風戸の極めて高いプライドをもって、 Ti と考えている。その他、 F と T について考えておくことは有っただろうか。強いて言うなら、 Fe を使うことにかなり慣れている様には感じられた。
トロピカルランド以前のあらゆる場で柔和で親しみやすい印象を崩さなかった風戸だが、こういった行動は Fe の影響が濃いと見える。対人的な、オープンな感情の表明というのがまさにそれで、硬さを感じさせない。そう言った部分を上手くこなせるからこそ、診療科に馴染めたともとれる。
ただ、結局は風戸にとっての Fe というのは道具でしかなく、外科医を辞めた後築き上げた実績も信頼も、たやすく捨て切った。風戸本人にしてみれば、犯行を完全にこなし元の生活に戻るつもりではあったのかもしれな。だが、7年間続けてきた生活に一種の満足を覚えていたなら、これほど破滅的な行動には至らなかったと考えるのが自然に思う。
J と P
Ti と Se である以上、 P であることは自明となるが、むしろ彼の場合 J か P か判断を迫られたとしても P としか言いようがない。それほどに事前の計画に頼りたがらない。
とはいったものの、書く内容としては N と S の項目の Se についてで書ききった。風戸の場合は「計画を立てるより、その都度対応する」というより「綿密な計画を作るまでもなく、事態がどう転んでも私の思いどおりにできる」というスタンスに見える。
というのも、全くの無計画で連続殺人に及んだのではなく、警察官の殺害は友成真に罪を着せる「計画」のもとでの犯行、さらに最初から友成も抹殺する「予定」で居たという、彼なりの「決定稿」が有ったというのが面白い。友成を抹殺する細かいプランがないだけで、自己決定的に状況をコントロールしようとした向きがある。
このあたりが、「 Se 最優先で、状況に応じる優先」の ESTP か、「 Ti 最優先で、自分の作戦を貫きたい」 ISTP かの違いに見えないこともない。最も、拡大的・恣意的な解釈であり、風戸について確実なのは「細密な計画は立てない P」という程度だろう。
おわりに
風戸は犯人の中でもかなり凶悪な方だが、それでも狂人ではない。別に考え方についても理解の及ばない人間というわけではなく、わかりやすい話をする人である。 MBTI で判断するにも特に無理なく ISTP という結論に至った。
態度の豹変についても、常識の範囲内だろう。別に風戸がかなり無理してあの人の良さを演じていたというようにも考えにくく、あれもまた風戸の一端だろう。
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