はじめに
ダージリン(ENFJ) と西絹代(ENFJ) 今回は Idealists と捉えられる、ガルパンの登場人物について考察していく。 Idealists はNFを共有するタイプ、INFJ, INFP, ENFP, ENFJ が該当する。
他のタイプについては以下のページを参照
Guardians: ISTJ, ISFJ, ESTJ and ESFJArtisans: ISTP, ISFP, ESFP and ESTPRationals: INTJ, INTP, ENTP and ENTJ
共通して実働的と言うより想像的(N)、明白な合理性、効率というより感情、ムードに鋭敏な人柄(F)である。Fなので「感情的で、理性的でない」と扱われることがあるがこの言い方は誤りを含む。彼らはつまり、理性的に感情面を見積もる事に力を費やしている、というのが真実である。関わる人物の感情を意識した判断が、常に非合理的かつ非生産的であるというわけではない。そういった面をどれだけ重視するかが、真実TかFかということであり、また、そういった面を精緻に評価できるのはFでありやすいといえる。
また、同じFとはいえFe(Extraverted Feeling) とFi(Introverted Feeling) とでは、その性質が大きく違うということを覚えておくと、各タイプを捉えやすい。端的に言えば、Feは個人と個人の間を意識し、Fiは個人の内面を意識する。各タイプの説明にてより詳細に記述していく。
INFJDominant: Introverted Intuition(Ni)
Auxiliary: Extraverted Feeling (Fe)
Tertiary: Introverted Thinking (Ti)
Inferior: Extraverted Sensing (Se)
Dominant Function としてのNiは際立って珍しいものであり、それ故 INFJ と INTJ は現実の世界ではかなり珍しいタイプである。フィクションの世界では特に関係ない事実だが、Niを理解する際に、実例を意識できないということは有り得る。 Niはひとことで言うと、深い洞察、閃きともいえる機能である。他人からすれば、全くの第六感とか、勘が鋭いと見えるかもしれない。しかし、実際にはそうではなくその閃きの手前には過去、現在の情報収集とそれらの総合的な解析が関わっている。ただ、その人自身もそのステップを意識しておらず、潜在的に機能が働いていることは多い。
極端な言い方をしてしまえば、Ni に長けている INFJ は他人とは見ているものが違いすぎる。INFJにとって、五感で感じる情報というのは、自身の直感に比べれば無価値である。本人にしてもどこか現実感を感じておらず、傍から見ても、やや現実感に欠けるとか奇妙な人物と捉えられるかもしれない。
しかし、INFJの場合はNiによる洞察力がFeの他人との関係性に注目する部分と合わさり、他人の内的感情を理解するのが16タイプの中でも最も得意である。またFeは、本来形を持たないNiによる閃きを実体化する手段でもあり、INFJの場合、他人との会話によって初めてその意味を意識できるようなところがある。会話が非常に得意なタイプだが、聞き上手というより話上手な方で自分の思案をじっくりと集中して話し示すことができる。
INFJ tanker ミカ
宇宙人のようだが、意外に親しみやすい ガルパンの変人代表。言動こそ不可思議そのものだが、終始笑顔でどこか楽しげである。Niはしばしば目に見えないが、彼女の場合もはっきりとそれを意識させるシーンは特に無い。強いて言えば、アキが散々推したであろうエキシビジョンマッチに参加せず、最も大事な大学選抜戦で登場を果たしたところか。別にエキシビジョンに出て、大学選抜戦にも参加でも良いような気がするが、いうなれば「緊張」が違う、気はする。ミカにしてみれば「今ではない」エキシビジョンと「今かもしれない」大学選抜戦だったのかもしれない。他、あらゆるセリフが無意味なのか意味深なのか、図りかねる内容でアキを困惑させているあたり、Niが強い。
なぜINFJか、それはTeが無いから、である。特別、他の高校の連中と仲良くしていた風はなく、Feが機能した感じもない。かといって、自分の考えを明白に端的に示すTeは全くと言っていいほど無い。前述したようにアキに対して、最早あらゆる決断を何の説明もしていない。このあたりはTiらしさがあり、色々と言及したがるアキ(Teを含むESFP)と比べてミッコ(Tiを含むISTP)は特に何も訊かなそうである。また、会話は少ないが、とりあえずアキの感情については何もかも読み取っていそうであり、そのあたりはFe的である。あと「皆さんの健闘を祈ります」のそつのなさとか。
INFPDominant: Introverted Feeling(Fi)
Auxiliary: Extraverted Intuition(Ne)
Tertiary: Introverted Sensing (Si)
Inferior: Extraverted Thinking (Te)
Dominant のFiに特定の限られた人物、生物、モノに対して極めて篤い愛情を向ける。また、 Auxiliary のNeと合わせて最も可能性、可変性に富んだ心を持っている。彼らにとっては人生は、現実そのものではなく、その精神の成長、鮮やかさ、生き様を探求するものであり、あらゆる肉体的経験もまた、そこへ集約されていく。
Fi は自分個人の精神の内部に働く機能であり、外部の調和に働くFeとは随分違う。他人に対して気さくで開放的なFeと比べると、閉鎖的で愛嬌を振りまくタイプではないため、冷静で超然としたように見られることもある。その実、内面の精神的脈動は極めて豊かな方で、ごく限られた心を許した存在には非常に暖かな共感を示す。
実働面で優れるタイプではないため、特にフィクションなどでポンコツ扱いされやすいが、実はNeによって創造性、革新性に富む。また、Neにより個人個人に対して、別け隔てなく理解を示せるところがあり、会話の聞き手、補助としては秀逸な人物でもある。自分の価値観は絶対的に自分のものだが、他人の価値観もまた可能性の一つであり、純粋に興味を示す。
INFP tanker 五十鈴華
物腰は柔らかいが、実は強気で、曲げない 独立した記事が有るので
そちらを確認して欲しい。
ENFPDominant: Extraverted Intuition(Ne)
Auxiliary: Introverted Feeling(Fi)
Tertiary:Extraverted Thinking (Te)
Inferior: Introverted Sensing (Si)
Dominant のNeはNiと同じく直感や創造性に関わる機能である。いずれもアイディアを出す際に働くが、Niが一つのゴールへ自ずと帰結するのに対し、Neは多面的に多数の可能性を発想する。その性質から、ENFPは思案や想像性に関して言えば非常にエネルギッシュで次々と新しい考えを思いついたり、探ったり、試したりする。活動的な反面、結論を一つに集約するのが苦手で、幅広いというより混沌といえる場合も有り得る。
Auxiliary のFiにより、Neによる多彩な想像力は個人的美感、道徳などに向けられる。ただ、Fiによる判断は例によって Introverted なため、外部にはっきりとは示されず、むしろ Te を介して示されることがありうる。そういう部分が目立つようだと、むしろFではなくTの様に見えることもある。
また、非常にアクティブで新奇性を好む所はESFPとも似ており、行動自体からは見分けがつけにくいこともある。その違いはESFPがあくまで五感の刺激に興味を持つのに対して、ENFPはその着想、発想、観念的な物にインスピレーションを受けているところである。
ENFP tanker アンチョビ
かなり頭の回転が良く、 Thinker のような Feeler の好例
結論としてアンチョビはENFPと判断したが、彼女は少々判断が難しい。主に悩ましいのはESFPまたはESTP、ENTPといったところか。しかしながら、彼女の味方に対する明朗な指揮や会話の様子を聞くと、Teを持っていることが確実視できるため、ESTP、ENTPではなさそうだ(共にTeではなく、Ti)。Teといえば、ESTJ、ENTJも候補なのだが、これらは終始にこやかで楽しげな彼女にはそぐわない。ESFP、ENFPは共に Fi > Te だが、先にも記述したように外部への発露はTeが顕著になりうるため、違和感はない。
SかNか、なのだが確かにSeの様に外部のイベントを楽しんでいる様子は多い。しかしながら、むしろ彼女の場合は自分の考えた作戦を試す機会として、それらの出来事を楽しんでいる様子がある。西住みほを除くと、自分の作戦に名前をつけている人は居ないこともあり、そういったアイディアを子供のように楽しんでいる。加えてそれらアイディアを発想することが得意でもあるため、彼女はNと考えられた。中でも活力があり、無邪気さのあるENFPと判断した。
Fiについては特に目立つところはない。ただ、アンツィオの部員たちに対する感情は同士というよりもむしろ、可愛い子供たちに対する愛着のようなものがあり、その点はFeではなく遥かにFiらしい。
ENFJDominant: Extraverted Feeling (Fe)
Auxiliary: Introverted Intuition(Ni)
Tertiary: Extraverted Sensing (Se)
Inferior: Introverted Thinking (Ti)
談話の女王である。Dominant のFeによって何よりも集団の調和を重視する。それを得ることにおいて最も大切な話術に優れ、それを操ることが彼女らの楽しみである。同じくFeが強いESFJも多少は得意な部分であるが、ENFJの場合はそこに分厚い創造性をもたらすNiが加わり、会話における表現の豊潤さ、鮮烈さ、深甚さ、情感ではESFJの及ぶところではない。世間話も得意とするところだが、実のところNiによって遥かにディープな、自身の抽象的発想を前に出す本質的な会話を好む。
ENFPとは明らかに似ておらず、INFJと近いものがある。INFJと比べると Dominant が Judging Function なので、物事に対して素早い判断を下す方である。また Dominant が違うことにより、究極的には最優先するものが違う。解りやすく言うと、自身の直感からなる判断(Ni) と周囲のムードを壊さない判断(Fe) が食い違う場合に違いが出る。INFJがやむを得ず正しい判断を下す一方で、ENFJは間違っていることを認識しながらムードを壊さない判断を選択する。ENFJは「目的は手段を正当化する」考え方を使うことがある。
ENFJ tankers ダージリン
優雅でありながら気さく 典型的なENFJ。人当たりがよく、極めて友好的な人物だが、それでいて軽さが無く品がある。卓越した社交性で常に集団の中心にいるところは絶大なFeによる。他人を動かす原動力となれる人物であり、大洗戦車道チームのために各校と連絡を取って団結し、勝利にこぎつけた。また、Niが備わっていることにより、抽象的な表現をよく使う。確かなリーダーシップがあるが、Seが弱いため現実的状況に興味がなく、とにかく動揺しない。Niらしく現実的に戦車を動かしている感じより、頭の中でチェスなどしているイメージか。
現実感のなさ、抽象的すぎて何がいいたいのか判然としない格言、冗談は、現実をよく見るタイプのオレンジペコ(ISFJ)、アッサム(ISTJ)には呆れられる。ある種、この人も他の人とは隔絶した雰囲気があり、そうそう驚くようなことがないが、珍しく人間らしいシーンが一つある。エキシビジョンで追い詰められた西住みほ(INTJ)が、これまた何の驚異も感じていないかのように、迷わず段差を乗り上げてきた時である。流石のダージリンも、西住殿の「全く動じない」様子に驚いたようで、声も出ず表情を失っている。というか、若干「引き気味」ですらある。
西絹代
笑顔を絶やさず、他者が歩み寄りやすい雰囲気 表情、声のトーンなど非常にFe らしい暖かみがある。常に笑顔で元気だが、EPにある忙しい感じがない。社交的な人物であり、恐らく初対面であったであろう西住みほにも積極的に関心を寄せ、話しかけている。組織の調和をどうしても優先しがちな感があり、エキシビジョンなどは部下の暴走をろくにコントロールできていないし、多分厳しい言い方もそうそうしない人であると思われる。そういう甘さがある一方、福田の進言に対して素直に耳を傾けることができたとも言える。ポンコツな雰囲気もあるが、カリスマ性は高い。
アバウトで現実的な分析が怪しい、地に足着いていない感じは明確にNFである。ハキハキと話すためあまり意識に上らないが、いかにも芝居ぶった比喩表現が好きそうな人でもあり、他校の面々が大洗のために駆けつけた際のセリフはやたらと勇ましい。ちょっと暑苦しいが、意気を上げる意味では彼女が一番であった。代わりに戦車の数を間違えるというポカもかましており、細かい所は苦手である(N)。また、風船を被るなど思いついたように、元来、奇想を立案するのも得意そうである(Ni)。
蝶野亜美
この人も笑顔を絶やさない この人も忘れてはいけない。初登場の豪快さから、脳みそ空っぽな人に見えるが、実はそうではない。大洗女子学園戦車道の共感を快く引き受け、部員たちには優しく、暖かく、応用に指導する面倒見の良さを発揮した。総じて細かい規範より、アバウトながらも部員たちを戦車に馴染ませるという方針は、大洗の面々の気風に合った最適なものだったといえる。人柄も固さを感じさせない、全てにおいてアバウトな人でそのあたりESFJではなくENFJらしい。
劇場版では、再び廃校の局面に立たされた大洗学園のために存分に力を貸した。理事長の車を押しつぶしはしたものの、生徒たちからの信頼厚い人物、頼りになる人物であることは疑いない。
おわりに 今回は Idealist について記述した。 俯瞰してみると、変わり者というか何を考えているのかわかりにくい人物が集まっている。実際のところNFの彼女らにとってその思案は現実的法則に留まるようなものではなく、そういう意味でSからすれば現実の見えていない、理解できない人々と映るかもしれない。ある意味真実でもあり、特にINFJにとっては現実とはあまり意味が無いものである。
Nは多かれ少なかれ、Sと比べて現実感が薄れ思索的な方向に長じている。しかしながら、フィクションにおいて必ずしもすべての人物の思考が描かれるわけではなく、結果としての行動から人格を読み取る必要がある。そのキャラクタがSかNか、判断するにはセリフの一端一端を詳細に突き詰めるのではなく、そのバックグラウンドに何があるかを考察することが肝心だ。時にはむしろ、セリフの内容以上に表情や雰囲気のほうが重要なヒントとなりうる。
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