YASUHIRO の 独り言
山と医療の本音トーク
3月22日(月)
今シーズンスキーで大笠山、笈ヶ岳をピクッたがどちらも2000mにも届かない山だがこの時期五箇山からピクるのは相当大変でましてツボ足で日帰りする人なんてまずいない。山スキーの記録でもこれはすごいなと思う記録は滅多にお目にかからない、ましてツボ足の記録で驚くような記録はまず見ない、しかし先日 hillwandererさんがやった五箇山からの笈ヶ岳、大笠山周回の記録には度肝を抜かれた。厳冬期は無理だろうがそれでもこの時期ここをツボでワンディ周回するなんて普通は考えもつかない山行である。しかも単独である。
このコース一度山スキーで周回したいとは考えていたが自分も躊躇していたコースである。長いだけではななく岩やアップダウン細尾根など様々な困難が有りしかもその都度適切な状況判断を求められる剱岳の北方稜線に匹敵するような難コースである。以前から只者ではないなとお見受けしていたが素晴らしい快挙としか言いようのない山行だと思った。
3月21日(日)
雨の休日、山にはいけない今日は講演会で良かった。青空だったらどうしようかと思っていたが救われた。
白山公園線の除雪が発電所まで進みもう白山はご近所になり昨日は白峰からピクっても9時間台で下山できた。うーんお得だ、白峰なら夜自宅から走っても1時間かからずに着いてしまう。こんな近くに日本有数の大ゲレンデがある、金沢最高である。
この時期はただピクるのは勿体なくできれば仲間と車を回して北部縦走をすれば楽しい、昨日はただピクってもつまらないので新しいルートを開拓してみた。白山から別当出合への滑降は砂防新道より観光新道側が雪も良く展望も優れている。ただ下部に大きなガレ場がありここの横断はやや面倒で落石も多い、ここを上部からスルーできないかと考えたコースが昨日のコースで中々マンダムなコースであった。ここを使えば帰りの一本橋はパス、随分先のS字カーブ付近まですんなり行けるのでとてもお得なコースである。
まあ白山には北面台地もそうだがまだまだ楽しめる未知のコースはありそうでもうちょいルート開拓をしてみるか。人生は新たな人との出会いや新たな発見があってこそなんぼであろう。
観光新道を左手に見ての滑走、まだ見たことのない景色であった。
3月20日(土)
今日も白山に新しいコース開拓をしてきた。御前峰から弥陀ヶ原さらに湯ノ谷右俣源頭に入り観光新道大斜面を滑り別当出合に至る。全く無駄のないコースで山頂から白峰まで2時間で戻ることができた。
今日のコースも前から行きたいと考えていてガンを誘って深夜1時前に白峰ゲートをチャリでスタート、除雪は発電所まで8km弱進んでいた。先行者3名を抜いて3時間一番乗りで別当出合に着いた。ここからもガシガシ登り山頂には8時頃到着した。 もう白山はご近所さんになった。
山頂からスベスベ斜面を繋いで弥陀ヶ原へ、ここからまだ滑ったことのない湯ノ谷右俣源頭へ滝マーク2つは埋まっていた。右手に釈迦岳を見ながら落ちて行く。見たことのない景色である。殿ヶ池避難小屋下で観光新道に合流してうまくガレ場向こうに出れた。ここからは最高のザラメスベスベ斜面を別当出合はるか先のS字カーブ手前まで滑って林道に合流。
林道は市ノ瀬まで自動運転、ここから発電所まで手漕ぎで、チャリに跨がればもう楽勝、山頂から白峰まで2時間で無駄のない完璧コースであった。
後ろに見えるのが湯ノ谷右俣源頭
3月19日(金)
日曜午後から北國新聞社で大腸がんの講演を行わなければならないのでさすがに日曜は山は諦めて土曜に山に行くことにした。土曜は晴れて日曜は雨、神はお見捨てにならなかった。この時期まだまだ残雪は多くてしかもザラメ、ラッセルもないし今スキーしないでいつするのと言う感じである。
巷はそろそろシーズンオフなので海外通販は値引きセールが始まっている。いつも利用している Telemark Pyrenees でスキー板をチラチラ見ていたら太くて軽い手頃な板があった。値引きもあるしどうしようかと迷っていたが迷うくらいなら買うしかないとポチってしまった。もう板は買わないといつも思っているがどうにも止まらない。最近はスキーの置き場所もないくらいで山部屋の他にスキー部屋がいるんじゃないかと思うくらいである。
自分は体重が56kgと軽いので板もより軽量仕様の女性用で構わない
164cmはセンター102 トップも133 太いが片方1.2kgとめちゃ軽い 太さと軽さは正義である
3月18日(木)
1~3月までの積雪期の笈ヶ岳はどのようなコース取りをするにせよ長くて厳しい試練が待ち受けている。昨日の五箇山コースは特に厳しい道のりである。どちらも切れ落ちていて一瞬たりとも気の抜けない厳しい尾根のアップダウンが続く。シールのまま行くか、剥いで滑るか、その都度的確な状況判断が求められる。
昨日は降雪後の雨で山はカチカチ状態、過去の山行に囚われず新たなルート取りで安全なコースを常に取らざるを得ず時間はかかった。心身ともに修行をしたいと思えば積雪期の笈ヶ岳ほど適した山はないだろう。体力さえあればあまり考えずにピクれる白山や槍ヶ岳と違い本当の山スキーヤーの実力が試されるのがこの時期の笈ヶ岳である。
遥かな道のりだった
3月17日(水)
今日は水曜友の会、コーエーと二人で境川ダムから笈ヶ岳をピクッてきた。このコース三度目だが今日は気温が低く前日雨のため山頂までずっとカチカチ、一瞬たりとも気の抜けない寿命が縮まるような厳しい山行であった。往復36km、16時間の完全燃焼であった。
笈ヶ岳は通常5月頃の残雪期に中宮からジライ尾根経由でピクる場合がほとんどである。境川ダムからのコースは長い林道歩き、難儀なアップダウン、雪庇、雪切れなどどのようなコースを取るか雪の状況で適宜判断して進まなければならない、山スキーの総合力が試される難コースである。
これを最初にトライしたのは今は亡き篠崎Dr、山スキーのパイオニアの一人である。今から11年前に単独で大変な思いをして成し遂げていた。彼は積雪期水晶岳ワンディ、オートルートワンディ、剱岳周回ワンディなど独創的な企画を最初にトライしている。最初に単独で挑戦するという誰も真似できないパイオニア精神の塊であった。
今日は山行中ずっと彼との思い出に浸りながら笈ヶ岳を目指した。同世代で頑張っているガチスキーヤーが少ない中、彼が今生きていれば良きライバルとして切磋琢磨していただろうに残念でならない。
遠く厳しかった
3月16日(火)
乗鞍岳で雪崩が発生して巻き込まれた登山者が一名亡くなった、表層雪崩だった。先日の大日岳でも表層雪崩跡をいくつも確認していてあんなのに巻き込まれたらひとたまりもないなとハラハラしながら登高を続けた。
自分がこれまで経験した一番怖かった雪崩は2月の焼山であった。広大な北面台地を焼山を眺めながら歩いていたところいきなり焼山の中腹から雪崩が発生して猛烈な雪煙を巻き上げてこちらに落ちてきた。ヤバいとっさに判断して逃げようとしたが間に合うはずもなく絶体絶命だと思った瞬間、雪崩は自分たちを避けて流れてくれた。ちょうど運良く自分たちの前にあった深い賽の河原で雪崩の方向が変わったのであった。助かった。あんなのを見せられてもう登山は中止、すぐに逃げ帰った。日本では滅多に見ることはできないここはヒマラヤかと思うような雪崩であった。
逃げながらも慌ててシャッターを切った、最期の一枚になる可能性もあった。賽の河原で方向が変わりこちらに来なかった
3月15日(月)
別山は標高こそ白山より低いが山スキーの難易度は高い、この時期の御舎利山の下斜面は強風の影響でいつもカチカチで登りも下りもかなり技術を要する。ここで転滑落すれば谷底までボブスレーとなる。昨日の別山も強風とカチカチに泣いた。しかしこの山から眺める白山の展望は素晴らしい、よく剱岳は赤谷山からの眺めが素晴らしいと言われるが、白山を見るならここしかないだろう。
おまけに別山は白山と違いブナの癒しの森がある。この森の滑走は最高に楽しい、おまけに登りも下りもチブリ尾根の北面を利用するので太陽の影響を受けにくくて昨日は帰路もずっと新雪は生きていて楽しい滑走を楽しめた。昨日はスタート時点では雨だったが次第に雨は上がり星空も見えるようになった。チブリ尾根に取り付いてから快晴そのもので素晴らしい景色を堪能できた。山は行かないで後悔するより、雨でも行って後悔したほうが良い。
山は降雪直後に限る
3月14日(日)
今日は直前まで天気が読めなかった。23時自宅から窓の外を見ると雨が上がっている、これは行くしかない。久しぶりに単独で別山へパウダー狙いに行くことにした。念の為チャリも積んでいく。白峰に近づくに連れ雨が激しくなってきた。単独、深夜、雨とDNSの要素は十分揃っているが雨雲レーダーを見ると2時頃には雨雲が抜けそう、ゲート前で少し仮眠をした。
起きて2時過ぎ、夢の中で仲間たちがチャリで次々に山に向かうじゃないですか、まだ雨が降っているが夢に元気をもらい小雨の中スタートした。除雪はすでに始まっているようだ。果たしてどこまで行けるか?ゲートから4km走れてとてもお得だった。市ノ瀬まで残り7km歩くだけだった。もう白山もご近所さんになった。
市ノ瀬からチブリ尾根の登山口へ、雪はたっぷりだ。しかし登山口からは入らず更に先へと林道を進み曲池へ真っすぐ登りあげるのが効率的だろう。市ノ瀬から3kmちょい林道を進んで斜面に取り付き曲池を目指す。雪は豊富でどこでも歩ける。癒しのブナ林をガシガシ登る。対岸は朝日に照らされた樹氷がきれいだった。曲池付近から見る白山はスンバらしかった。すでに雨は完全に上がっていて快晴の青空になっていた。今日も来て良かった。山は来なきゃわからない。
外界の雨は山では雪で帰りはパウダーが楽しめそうである。曲池から稜線は少し急だが難なく登り上げて樹氷地帯へ、さらにチブリ避難小屋の下を巻くようにトラバースして高度を上げる。左手には白山、右手に別山がドン、贅沢な眺めである。しかし稜線には雪煙が、風は強そうである。御舎利山の下斜面はいつもながらのカチカチ急斜面、転けたら下までボブスレーだ。慎重にクトーを利かして御舎利山に出ると猛烈な風、マジですか、御舎利山から別山まで試練であった。
ようやく別山山頂、視界は良好だが風は強くて難儀した。すぐに風を避けれる場所まで降りシールを剥げばもう大丈夫、御舎利まで少し登り返してここからガチガチ急斜面、心臓に悪かった。転けたらどこまでも落ちていく怖い斜面である。別山は白山以上に厳しいと言われる由縁である。カチカチ斜面をこなせばパウダー帯、今日は頑張ってラッセルして良かった。
また山は生き返って良かった。樹氷を楽しんでパウダー帯をこなせば癒しのブナ帯である。チブリ尾根はブナの宝庫なんです。快適に新雪フカフカ斜面を滑走してチブリ尾根登山口まで降りた。後は長い長い林道を試練の歩き、チャリが見えた時はとても得した気分だった。
チャリに跨がれば白峰まで直ぐであった。今日は誰にも合わない完全貸切の山行であった。白山はもう本当に近くなった。
白山ドン
別山ドン
毎日が完全燃焼できる日々を過ごしたい、人生は長いようで短い