とんでもない数の誤判定が出てしまうワケ
全員が受けた場合、P検査で「陽性」と判定された人は、6+9999=10005(約1万)(人)です。実際にウイルスに感染しているのが10人なのに、P検査で「陽性」になった人は約1万人(10000人)ですから、1000倍ほどの違いがあります。
Cウイルスに感染しているのは6人なので、求める確率は、以下のようになります。
この結果を見ると、P検査で陽性になった約1万人のうち、6人しかCウイルスに感染していないことになります。また、この結果が示すことは、ウイルスに感染していないのに、9999人は陽性と誤判定されてしまうことです。
つまり、医学的な検査を手あたり次第に行うと、誤判定となる可能性もあるのです。
例題にあるP検査のような検査をする場合は、「ウイルスに感染したときの症状が出た人に行う」「検査する地域を絞る」「年齢を絞る」など、適切な制限が必要になります。適切に制限することで、問題にあるような条件(たとえば感染している人の割合:罹患率)が変わり、検査の精度が上がっていきます。たとえ医学が発展しても、検査は正しい条件で正しく調べる必要があります。
確率の式に従って、きちんと計算した結果も見ていきましょう。
事象A:P検査で陽性
事象B:P検査で陰性
事象C:Cウイルスに感染している
事象D:Cウイルスに感染していない
として、%を分数で表すと、次の表になります。
例題の文からわかっているのは、
です。まずは条件を数式にしていきます。
この結果から、
と条件がそろったので、式にしていきましょう
この式の分母と分子を「×10000」すると、
どこかで見たことがないでしょうか?
そうです。この式もまた、先ほど具体的に人数で計算した式と同じです。
まとめ
- ・感度:正しく陽性と判定される確率
- ・誤判定された陰性:偽陰性
- ・特異度:正しく陰性と判定される確率
- ・誤判定された陽性:偽陽性
- ・罹患率が低い場合は、検査対象を絞る必要がある