[ワシントン 18日 ロイター] - 米政府は18日、同国が保管している英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン約400万回分をメキシコとカナダに供給する計画を明らかにした。
供給は貸出契約に基づき実施され、メキシコとカナダは後に米国にワクチンを供給することで「返済」する。メキシコは250万回分、カナダは150万回分のワクチンを受け取る計画。
ホワイトハウスのサキ報道官は「最終的な取りまとめはまだだが、(供給を)意図している」とし、「隣国が感染を抑制できるようにすることがパンデミック終息に不可欠だ」と述べた。
政府高官によると、両国とのワクチン共有によって、5月末までに米国内全成人分のワクチン確保を目指すバイデン大統領の目標に影響は出ない見通し。
バイデン政権に対しては、特に米国でまだ使用が許可されていないアストラゼネカ製ワクチンの在庫を巡り、各国から共有を求める声が強まっていた。
アストラゼネカは米国の工場でワクチンを製造しており、4月初めに3000万回分を用意できるとの見通しを示している。
サキ報道官によると、米政府は使用可能な状態のアストラゼネカ製ワクチン700万回分を保有している。ただ現時点でメキシコとカナダ以外の国とワクチンを共有する計画はないという。
報道官は「世界各国から複数の要請を受けており、協議を継続する」とも述べた。
ホワイトハウスは、米食品医薬品局(FDA)の承認が下り次第、国内でアストラゼネカ製ワクチンを接種できるよう用意を進めているとしている。
ただ、5月末までに全成人への接種分を確保する目標の達成に同社製ワクチンが必要なわけではない。
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