サーキットブレーカーとは?諮問委メンバーに聞く[2021/03/18 23:30]
菅総理は18日、1都3県に出されている緊急事態宣言を21日で解除すると発表しました。
解除の根拠は何だったのか。そして、解除後にリバウンドは防げるのか。日本感染症学会理事長で、政府の諮問委員会メンバーでもある東邦大学の舘田一博教授に話を聞きます。
(Q.東京では「リバウンドが始まっている」という指摘もあるなかでの解除となりました。諮問委員会ではどんな議論があったのでしょうか?)
舘田一博教授:「諮問委員会のなかで、解除に反対する意見はありませんでした。ただ、下げ止まり、少し増加傾向がみられます。非常に厳しい状況での解除なので、その後のリバウンドにどうやって注意していくかが大事だと議論されました」
(Q.政府は「病床使用率の改善」を理由に解除を決めました。病床の評価はどう考えていますか?)
舘田一博教授:「病床使用率は、少しずつ確実に下がってきて、ステージ2が見えてきている状況です。医療現場は何とかひっ迫状態を抜け出して『解除しても良いのではないか』という声が聞こえたなかでの、今回の決断だったと思います」
(Q.今後、病床使用率はどんな水準でキープできると考えていますか?)
舘田一博教授:「一日の新規感染者は、何とか200〜300人台をキープしている状況です。これが400〜500人が持続するようなことになると、医療現場はすぐにひっ迫してしまうので、ここからが非常に大変な時期になってくると思います」
(Q.リバウンドを防ぐため、政府は、変異ウイルスの監視体制を強化するなど、5つの対策を示しました。この対策で防ぐことができますか?)
舘田一博教授:「5つの対策はどれも非常に大切になっていきます。しかし残念ながら、感染者数の劇的な減少がすぐにみられる訳ではありません。これらは、早めに感染を見つけて、早めに囲い込んで、リバウンドを少しでも抑えるような対策が示されたと思います」
(Q.解除後の対策を準備する期間として2週間の再延長がありましたが、これらの対策は、宣言期間中に、準備できなかったのか?)
舘田一博教授:「対策の方向性は見えていましたが、実施に向けて調整していくのは大変な作業です。政府も厚生労働省もいっぱいいっぱいのなかで、なんとかここまでこぎつけたという状況だと思います」
(Q.飲食店への対策はまだ続きます。キーポイントは飲食店になりますか?)
舘田一博教授:「飲食業の方には本当にご迷惑をお掛けします。ただ、換気などの対策を徹底し、感染リスクをできるだけ抑える営業を実施して頂けたらと思います。飲食の場ではマスクを外して、大声で話す状況が長く続きます。そこで感染した人が、家庭や職場での感染源になります。飲食の場が急所であることに変わりはないと思います」
(Q.5つの対策に加えて新たに、感染者が増えた時、すぐに対策を打つための仕組み『サーキットブレーカー』が必要だということですが、どういう仕組みですか?)
舘田一博教授:「サーキットブレーカーシステムは、すでに海外でも取り入れている国があります。また、分科会やアドバイザリーボードでも、推奨する方向が出てきています。去年の第3波の入り口、11月〜12月にかけて、東京の一日の新規感染者数が500人を超える日が続きました。その時に、このサーキットブレーカーのような対応を取れば、大きな波を形成させることなく、乗り越えることができた可能性があります。そういう仕組みを今、入れていかなければいけないと議論されています」
(Q.予兆を早くキャッチして対策を立てていくことが重要となりますね?)
舘田一博教授:「リバウンドを決してさせないということと、第4波を作らないという決意でやっていかなければいけないと思います」