独自の新型コロナウイルス変異株監視体制を展開する神戸市は2021年3月11日、2月26日から3月4日までの1週間に英国株変異型(N501Y変異)の検出例が26件確認されたと発表した。この期間に市内で新規陽性者数は97人で、このうち変異株検査数67のうち変異株確認数は26となり、変異検査件数に占める割合は38.8%で、監視を開始した1月1日以降、上昇傾向が続く中で最多となった。
神戸市は新型コロナPCR陽性検体のうち約60%に相当する検体について、変異株(N501Y変異)を確認するPCR検査を実施している。N501Y変異陽性となった場合にはゲノム解析を行い、国立感染症研究所の確認のもとで英国変異株、南アフリカ変異株、ブラジル変異株のタイプを決定している。また、N501Y変異陰性の検体についてもゲノム解析を行い、E484K変異のみの新たな変異(起源は不明)を確認している。
3月11日に発表したデータは、2月19~25日と2月26日~3月4日の2週間分で、それぞれ7件、26件の計33件の変異株が確認された。検査数に占める割合(以下、検出率)は、21.9%と38.8%だった。監視が始まって以降の推移を振り返ると、変異株の検出率は上昇傾向を強めており、3月4日までの38.8%は過去最多だった(図1)。
一方、N501Y変異陰性検体からも、E484K変異のみの新たな変異株が検出されている。2月19日~3月4日までに5件確認され、累計で10件となった。
三和護が迫る「COVID-19の核心」
トピック◎神戸市の変異株監視体制
コロナ変異株の検出率、38.8%に上昇の意味
「市中に広がっているとまでは言えない」のだが……
2021/03/16
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著者プロフィール
三和護(日経メディカル編集委員)●みわ まもる。1984年筑波大学大学院医科学修士課程修了。同年日経BP入社。感染症や循環器領域をはじめ、診断エラー学、医師患者関係、心不全緩和ケアなど幅広いテーマに取り組む。共著に『期待されるシルバービジネス』(ダイヤ財団新書)『バイオバンクの展開』(上智大学出版)。
連載の紹介
三和護が迫る「COVID-19の核心」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の全体像を俯瞰。COVID-19対応の問題点に迫り、その解決のために今、何をすべきなのかを考えます。
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