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大人は理系だろうが文系だろうがまずは国語(日本語)の勉強からやり直すべき理由

ども、所長です!

学校で習ったことを勉強し直したいんだけど、どの科目を勉強し直すのがいいんだろう??

今回はそんな悩みにお答えします。

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本記事の内容

大人は理系だろうが文系だろうがまずは国語(日本語)の勉強からやり直すべき理由

記事の信頼性

信頼できる記事であることを保障するために参考URLと参考図書を載せておきます。

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参考図書

執筆者のプロフィール

私は個別指導を約10年続けている塾講師です。
主に中学生、高校生、浪人生の受験指導を行っておりまして、地域の偏差値40台の公立高校受験も、東工大や一橋大などの難関大受験も担当しております。

読解力のない状態で勉強することは不可能

参考図書で紹介した「【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち」には以下のように書かれています。

教科書が読めなければ、予習も復習もできません。自分一人では勉強できず、ずっと塾に通わなければなりません。けれども大学には塾はありません。社会に出ればもちろんです。勉強の仕方がわからないまま社会に出てしまった人たちはどうなるのか。運転免許が取れなかったり、調理師になれなかったりするだけではありません。AIに仕事を奪われてしまいます。

さて、この本の執筆者の新井さんはAI研究の第一人者ですが、彼女いわく読解力のない人はAIに仕事を奪われていくということらしいです。

機械化が進めば、機械にできる仕事は人間よりも機械にやらせた方が人件費がカットできますもんね。

今回の本題はそれよりも読解力のない状態での勉強は不可能ということです。

この記事の読者の皆さんは読解力と聞くとどういったものをイメージしますかね?

学校教育の中でよく使われる読解力というのは、いわゆる国語の問題とか、英語の長文とか、はたまた算数数学の文章題とかでしょう。これらをイメージされる方が多いのではないかと思います。

もっと本質的なところで読解力は重要になってきます。

  • 新しいことを勉強しようと思っても、その内容を正しく理解できない。
  • 解答を読んでも解答を理解できない。

これは国語や英語の長文や算数の文章題に限ったことではありませんよね。

ちなみに読解力がなくても計算問題と漢字の問題だけなら、ある程度勉強できます。

読解力に自信がなければ先にそちらから始めてもいいですね。

読解力はどうしていけば伸びるのか

読書量よりもER(頻度、好き度、内容)

ここからは塾講師としての経験も織り交ぜながら書き進めていきますね。

まず、世間一般に「読解力を伸ばすためには本を読めばいい」という風潮がありますが、これは誤りです。

読書量が多い子どもの授業をしても読解力が読書によって養われると感じることは一切ありません

基本的にこの意見はほとんどの塾講師が賛成する意見だと思います。

さてOECDの研究によると(参考URLの4つ目と5つ目がおすすめです。)

読解力は「読書頻度」+「読書好き度」+「読書内容」この3つを合わせた”Engagement in Reading”と相関があるとのこと。(Engagement in ReadingはERと省略することにしますね。)

頻度が多いだけでもダメですし、

好きなだけでもダメですし、

難しい本を読んでいるだけでもダメです。

あくまでもこれらを合わせたERが高いことと読解力の高さには関係があるということです。

しかし、ERが高いから、読解力が高いのか、

それとも読解力が高いからERが高いのかは判断できていないみたいですね。

とはいえ、それなりの頻度で、それなりの楽しみ具合で、それなりに難しい内容の本を読んでいれば

読解力が向上する可能性はあります。

読書頻度と読書好き度は塾講師の立場からコツを話すのは難しいので、難しい内容も読めるようになるコツをお伝えしますね。

難しい内容の文章を読めるようになる方法1:語彙力

塾講師的な立場で言うと、分からない単語や知らない言葉があっても

文脈である程度その単語の意味を想像する力も読解力の中の1つの要素です。

塾で国語を指導していると、よくこんな子供に出くわします。

文系の文章は読めるけど、理系の文章になった途端に読めなくなる。。。

これ、実は文系の文章も読解力で読んでいるのではなく、語彙力(もしくは慣れと言い換えてもいいです)によって、読めるようになっているだけです。

本来読解力があれば、多少の知らない単語があっても前後の文脈から判断し読めるようになるのですが、

読解力が成長していないと、語彙力を強化して読まざるを得なくなってしまうわけです。

※残念ながら受験業界では受験までの制限時間の関係で語彙力でカバーしていくスタイルで教えざるをえないことが多いです。

ですが、逆に考えてみてください。

語彙力さえあれば難しい文章もそれなりに読めるようになってくるというのは

全塾講師が知っていることです。

とにかく知らない単語を覚えていく習慣があると難しい文章も読めるように成長していきやすいです。

難しい内容の文章を読めるようになる方法2:文法力

日本語の文法は主に中学生のときに国語の授業で習うのですが、

塾講師の感覚からすると、9割くらいの人はこの学校で習う文法はボロボロです。

高校生になって英語の授業でようやく「動詞」「形容詞」「副詞」あたりを理解したり、

社会人になってようやく「尊敬語」と「謙譲語」の違いを覚えたり、

っていうのがほとんどではないでしょうか。

大学受験に小論文が必要になって600字程度の文章を書かなきゃいけない、なんて高3生に試しに書かせてみると

9割以上の子は「係り受け」を間違えてきます

たとえば、

「私の大学生活での目標は、共に高めあう友人を増やし、社会に役立つ人間になりたいです。」

これどこが変かわかります?

このレベルの間違いをする子は本当に多いです。

もし何が間違っているのか分からない方は絶対に国語、もしくは日本語の勉強をしっかりした方がいいです

ひらがな表記が多くて少し辛いのですが、小学生レベルの国語からやり直すべきだと思います。

※答えが知りたかったら「文章のねじれ」でググってください。

で、実はこういった能力に限らず日本語の文法一般の知識が足りないと、全ての科目に影響が出てきます。

逆に文法力がある程度高いと

知らない単語が出てきたときに、その単語の「品詞は何なのか」、「どの単語と係り受けの関係にあるのか」こういった文法から難しい文章の意味を理解するアプローチも使えます

受験的には古文や英語で多用されるテクニックです。

早い段階で絶対にやってはいけない方法

ここまでで、日本語をしっかり勉強する意義は十分に説明できたつもりですが、おまけ的に塾講師の立場から、絶対にやってはいけない「読解力アップのトレーニング」をお伝えします。

1:文章の要約

文章の要約は正直かなり高いレベルにならないとまともなものは作れません

酷い要約を何度も続けるくらいなら挑戦しない方がいいですし、

勉強慣れしていないとストレスだけが溜まっていきます

マンツーマンで見てくれる先生がいる状態なら問題ないですけど、大人の勉強のやり直しで先生がいる方が珍しいですよね。

参考図書の「最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法」にも以下のように書かれています。

要約という行為には「難易度が高い」という問題点があります。(中略)要約がうまい人ほど要約は不要なのです。

私も塾での指導で、要約を宿題に出すのは、要約ができるレベルになっているのかの確認に使うのがメインです。

解説しきった文章で要約を宿題にすることの方が多いので、新しい文章でいきなり要約を課題としてこなしていくのはかなり大変な作業になるはずです。

2:難しい文章の感想文

これも添削してくれる先生がいる状態だから、成立する勉強法なので、

おひとりでやるのは絶対に避けてください。

もちろん読解力を伸ばすためではなく、他の目的なら場合によってはいいかなと思います。

たとえば、ブログでレビュー記事を書きたいからとかなら、

アクセス数と滞在時間を見れば、良い文章になっているかどうかもある程度、判断できるでしょうしね。

間違ったことを書いていると批判が飛んでくるかもしれませんが。。

自分のレベルに合ったものであれば感想文を書くのは問題ありません

 

まとめ&おすすめ教材

日本語の勉強をすべき理由を書きました。内容をまとめるとこのようになります。

  • 読解力が低いと教科書を読めないため、全ての科目に影響するから。
  • 読解力を伸ばすには語彙力と文法力を高めて、少しでも難しい内容の文章を読めるようにすること。
  • やってはいけないのは要約と感想文。

というわけで後はどんな本とかで勉強すればいいですか?って感じですよね。

勉強慣れしていない方なら、こちらの漫画で少しだけ文字を追うことに慣れるといいですかね。

日本人の知らない日本語 なるほど~×爆笑!の日本語“再発見”コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

あとはちょっと難しくなりますけど、このあたりは日本語の勉強としてはおすすめです。

国語のおさらい (おとなの楽習)

日本語という外国語 (講談社現代新書)

日本語練習帳 (岩波新書)

もしかしたら、後者の2つはちょっと難しく感じる方も多いかもしれません。

このあたりが難しく感じるならステディサプリが無難にいいですね。



無料体験している間に文法くらいはクリアできると思います。

中1から中3の国語(応用)講座から文法と語句系のパートだけ抜き出して勉強してみるのがおすすめです。

それではまた、所長でした!

参考図書リンク

 

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