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散骨のトラブル

口論する二人

主な散骨時におけるトラブルは家族や親戚などの「遺族トラブル」と、葬儀会社やお寺、などの「業者トラブル」の2種類に分けられます。

テレビや雑誌などではお寺とのトラブルが大げさに報道されていますが、実際は遺族トラブルの方が圧倒的に多いです。

ここでは実際にあった事例を基にどんなトラブルが起きているのかご紹介いたします。

2021/02/12 - 関東北部の市街地にて営業を許可していない一般アパートの一室で粉骨をしている業者がいるそうですのでご注意ください。
2021/03/01 - 「散骨代が無料」としておきながら実際には粉骨料金やお花代などがオプションで追加され結局は高額になるという業者を確認(0円商法)

 

よくある遺族間のトラブル

お墓に執着する親族と揉めて言い合いに・・・

最も多いトラブルはここでしょう。70代以上の方の中には「マイホーム、クラウン、お墓を揃えたら一人前」と、お墓に対する執着が激しい方も多く「何で散骨するんだ!」とか「先祖代々のお墓に入れなきゃダメだ!」などと言われる事が多いようです。

決裂する二人

散骨前に揉める分には、話し合いをすれば何とか収まりそうですが、事後報告で深刻なトラブルに発展したりするケースがたまにあります。

最近特に増えているトラブルは、墓じまいをして散骨のコースです。

「せっかくお墓に入れたのになぜだ!」や「世話になった菩提寺に永代供養しろ」とかそういった事を言い出す親族の話を多く聞きます。

散骨自体が新しい葬送スタイルなので受け入れられないご年配が多いので理解はできるのですが、継承者が途絶える場合などは無縁墓にするわけにもいきませんから納得してもらうしかありません。

対策としては「散骨したいのだけど・・・?」と切り出す前に、ある程度親族の意見を聞いておいた方がいいかもしれません。承継者がいない場合などは「仕方ないね」という感じですんなり話が進むことが多いのも特徴的です。

継承者のいない墓じまいの手順

全部撒いてしまいトラブルに・・・

これは筆者である私のことなんですが、父の遺骨を全て散骨したら「何で全部撒いてしまうんだ!」と叔母にもの凄い剣幕で怒られてしまいました。要するに少しくらいは手元に残して供養していたかったということのようです。

同じような経験をされた方も結構多いので、散骨する際は親族の方に「少し残しておく?」と各自に確認をとってから散骨されることをお勧めします。キーホルダーに2gとか、スプーン一杯20gとかそれくらいでも良いと思います。

それから、手元に残す遺骨は原型のままよりも粉骨してパウダー状にしてから残しておいた方が後々困らないです済みますのでお勧めです。粉状であればご自身と一緒に棺に入れられますし、自分でそっと散骨することもできます。

散骨後の供養法

海洋散骨業者とのトラブル

天候が合わず順延が続いて毎週末が台無しに

乗船型の散骨(遺族が一緒に船に乗る場合)は、遺族が土日などの週末に集まって実施されますが、雨や強風などで出港できずに順延だらけになってしまうトラブルが続出しています。

過去最悪の長梅雨だった2019年
ここ数年は天候の急変が多く、特に悲惨だったのが2019年。6月末に始まった梅雨が7月一杯まで続き、結局梅雨が明けたのが8月上旬という記録的な長梅雨で、4週連続延期という過去最悪の状況でした。

その後は晴れたものの台風直撃で順延だらけ・・・荒波の中無理矢理出港して遺族が吐いてしまった、やむなく他のお客さんと合同になったなど業者とのトラブルが増加しました。

こうした気象条件による順延は、業者にはどうすることもできないのですが、順延が続いた結果、業者が荒れた波の中を無理に出港したり、「天気が回復しそうなので明日行きましょう!」などと突然呼び出されるなど、無茶をし始める業者がいることが報告されています。

1日に3組も4組も予約を入れて、お客様の安全を無視して運行・・・いつか事故を起こすと思います。

実体が無い散骨代行業者が増加中

粉骨から散骨までを代行業者に委託するサービスもあります。まごころ粉骨がNHKのクローズアップ現代で放送されたのをきかっけに、真似した個人や別業種からの参入が増え、こうした業者による粗悪な代行がトラブルを生んでいます。

具体例で言うと「安さに惹かれて電話をかけたら実際は全然安くなかった」「料金を振り込んだけど連絡が無い」「後から高額な手元供養品を勧められた」などです。

特に実体を隠している業者が多く、掲載住所はオフィスだけど実際は廃墟、山小屋、許可されていないアパートの一室などで粉骨しており、電話やメールで確認しようとすると恫喝してくる・・・など、とんでもない業者が多いことに驚かされます。

こういった業者に頼むと、ある日突然警察から電話がかかってきて「○○さんのご親族の方ですか?山中から骨壺が見つかりまして・・・」となるかもしれませんので注意が必要です。というか頼まない方がいいと思います。

こういう業者は低価格を売りに積極的に広告で集客しており、実店舗がないので訪問引取を強く推してますのでご注意ください。

 

葬儀業者とのトラブル

以前は葬儀は葬儀、散骨は散骨と分かれていたのでこうしたトラブルは無かったのですが、最近は葬儀のオプションとして散骨まで受託してる葬儀会社もあり、少しばかりトラブルも耳にするようになりました。

内容は、葬儀会社が散骨を外部に委託しているため、料金が高額になるということと、遺骨の引き渡しや船の予約などの段取りが悪いというトラブルです。

飛んでゆくお金

値段が高いというのはお客様側の価値観なのでどうかと思いますが、こうしたトラブルを避けるためには葬儀は葬儀で終わらせ、遺骨を引取り、散骨は各自で厳選した専門の散骨業者に直接依頼することで回避できます。費用だけでいうと約30%以上は安くなると思います。

お寺とのトラブル

最近は随分減りましたが数年前までは埋葬してある遺骨を取り出したり、離檀(檀家をやめる)ことなど考えられなかったので、散骨すると言うと住職にもの凄い剣幕で怒られたり、不当な離檀料などを請求されてトラブルに発展してましたが、最近はあまり聞かなくなりました。

お坊さん

ですが一部の地域では相変わらず嫌がらせのように続いているみたいです。よく聞くのは「永年世話になったのだからせめて菩提寺で永代供養せよと説得される」や、「魂の入った遺骨を散骨したら仏様が泣くと説得される」と言った内容です。

お寺の懐事情も理解できますが、脅しのような説得はいかがなものかと思います。

お寺と揉めないで散骨する方法

自分で散骨してトラブルになった例はほとんどない

幸いなことに現時点で個人の散骨がトラブルに発展してニュースなどになった事は一度もありません。もうこれは日本人の民度の高さだと思います。厚生労働省より「節度をもって行う分にはおとがめなし」と言われておりますので、こういうところをキッチリ遵守するのはさすがだなと思います。今後もこの状態が続くことを祈ってます。

自分で散骨する方法