公立高等学校における入学者選抜に係る採点の誤りについて
令和3年2月15日(月曜日)に実施した令和3年度神奈川県公立高等学校入学者選抜共通選抜学力検査において、県立高等学校6校及び横浜市立高等学校1校で採点の誤りがあり、受検者8名の点数が変わることが判明しました。さらに過去2年間にさかのぼって点検を行ったところ、平成31年度では県立高等学校2校で採点の誤りがあり、受検者2名の点数が変わり、令和2年度では県立高等学校1校で採点の誤りがあり、受検者2名の点数が変わることが判明しました。すべての受検者について、合否結果への影響はありませんでした。経緯等については次のとおりです。
1 経緯
平成28年6月に「県立高等学校入学者選抜学力検査採点誤りに関する再発防止・改善策(注釈)」により、記号選択式問題にマークシート方式の導入、新たなチェック体制の構築に取り組んできた。
<新たなチェック体制>
〇記述式問題の2系統(異なる採点者による独立した2系統の採点体制)での採点、点検、照合
〇合否判定の分岐点(ボーダーライン)付近の受検者に対する再点検
〇合格発表日以降、全受検者に答案用紙の写しを交付
〇県教育委員会による抽出再点検
(注釈)平成27年度及び平成28年度入学者の選抜において、2か年で8割近くの公立高等学校で採点等の誤りがあり、4名の受検者の合否結果が誤っていたことから、有識者を含めた「県立高等学校入学者選抜調査改善委員会」を設置し、同委員会において再発防止・改善策をとりまとめた。
2 誤りの内容
令和3年3月15日に行った令和3年度入学者選抜における県教育委員会による抽出再点検により、採点誤りが1件判明した。同日、全校に全受検者の記述式問題の2系統での照合について、再度の点検を指示したところ県立高等学校6校及び横浜市立高等学校1校において合計8件の採点誤りが判明した。いずれのケースも誤った採点結果により選考を行っていた。
さらに、平成31年度及び令和2年度入学者選抜について、3月16日、全校に全受検者の記述式問題の2系統での照合について、再度の点検を指示したところ、平成31年度入学者選抜については県立高等学校2校において合計2件の、令和2年度入学者選抜については県立高等学校1校において2件の採点誤りが判明した。いずれのケースも誤った採点結果により選考を行っていた。
なお、川崎市立高等学校及び横須賀市立高等学校においては、採点誤りはなかった。
3 合否結果への影響
採点結果に誤りがあった受検者は、いずれも合否判定の分岐点付近の得点ではなかったため、合否結果への影響はなかった。
4 原因
記述式問題の2系統の照合の際に、両系統の採点に違いがあったにも関わらず、照合時にその違いを見過ごし、誤った採点結果で選考していた。
5 改善策
〇2系統の採点結果を別々にデータ入力し、その結果の照合をPC上で確認するなど、2系統の採点結果照合の作業手順の改善
○検査問題の質を確保しつつ、より一層採点誤りを起こしにくい問題となるよう作問を工夫
(注釈)今回の事案について、さらに詳細な検証を行い、必要な改善を実施
6 今後の対応
今年度の該当する受検者が在籍する中学校には、当該高等学校の校長から事実を伝え、謝罪するとともに、該当の受検者には正しい答案写しの配付を行い、謝罪する。また、過年度の該当する受検者については、全員合格者のため、現在在籍する高等学校において、該当の受検者に正しい答案写しの配付を行い、謝罪する。
問合せ先
神奈川県教育委員会教育局指導部高校教育課
課長 増田 電話045-210-8240
専任主幹(入学者選抜担当)岡野 電話045-285-1346