宮城県、コロナ最多107人 知事「非常事態だ」

宮城県と仙台市は17日、1日あたりで過去最多となる計107人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。これまでの最多は1月14日の87人だった。飲食店へ営業時間の短縮要請を終えて以降、感染の再拡大が鮮明となっている。
宮城県の村井嘉浩知事は17日、記者団に対して「仙台市の保健所は能力を超えている。非常事態になってきた」とし、政府に対して人員の派遣要請をしたことを明らかにした。一方、時短要請については「21日以降は協力金の額が変わる。相当慎重にしないといけない」と、現時点では否定的な見方を示した。村井知事と仙台市の郡和子市長は18日、共同で記者会見する見通しだ。
県内の病床使用率は25.4%(16日時点)と比較的余裕があるように見えるが、感染経路不明者の割合は52.6%(2月27日~3月5日)と、政府の新型コロナ対策分科会が示す感染状況の指標で最も深刻な「ステージ4」となっている。人口10万人あたりの感染者数でも、緊急事態宣言の対象となっている1都3県と同水準にまで高止まりしている。
県は2020年12月28日に仙台市中心部の酒類提供を伴う飲食店などを対象に、営業時間を午後10時までとするよう求め、1月27日には対象区域を仙台市全域に拡大するなど、2月7日まで時短要請をしていた。
時短要請を受け、2月初旬から下旬にかけては1日の感染者数が1桁になる日も続き、感染拡大は落ち着きを見せていた。県は2月23日に国の外食需要喚起策「Go To イート」事業を再開したが、足元で感染が再拡大した結果、村井知事は16日にイート事業の再停止に追い込まれた。