妄想と夢想によって孤立へと突き進んでいるのは北朝鮮だけではない。韓国の政権は韓米共同声明において「北朝鮮の非核化」という文言の使用を最後まで拒否した。北朝鮮の人権問題への言及も消した。韓国外交部(省に相当)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官は「韓半島の非核化が正しい表現だ」と主張した。北朝鮮がいつも使う「朝鮮半島の非核化」とは、「米国の核の傘をなくし在韓米軍を撤収させる」という意味だ。外交について無知だったトランプ前大統領が2018年、シンガポールでの米朝合意文書に北朝鮮の要求通りこの文言を入れたことは鄭長官も知っているはずだ。鄭長官は米国のブリンケン国務長官に「シンガポールでの(米朝)合意は今も考慮しなければならない」と主張した。トランプ前大統領と戦争のような選挙戦を戦ったバイデン政権に「トランプ前政権の失敗を継承しろ」というのか。米国、日本、オーストラリア、インドは「クアッド」として中国に対抗しようとしているが、韓国は中国の顔色をうかがいながら対策もないまま時間だけを無駄にしている。韓国国内の政治に反日感情を利用した結果、日本との関係も完全に悪化してしまった。
米国だけではなく、西側諸国全体が中国の覇権主義をこれ以上見過ごさないとして結束している。米中対立は貿易や技術面の次元を越え、人権など様々な分野にまで広がっている。北朝鮮に対しても同じであることは言うまでもない。このように国際情勢は急激に変化を続けているが、金正恩氏は核の自閉症に陥っており、文在寅(ムン・ジェイン)政権はその金正恩氏に歩調を合わせ、大統領選挙用の南北イベントを行うことしか頭にない。