1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 〈時代の正体〉海愛し 初の女性教官 県立海洋科学高「湘南丸」

〈時代の正体〉海愛し 初の女性教官 県立海洋科学高「湘南丸」

社会 | 神奈川新聞 | 2018年4月17日(火) 02:00

教官として乗り組む湘南丸の船上で抱負を語る市川教諭
教官として乗り組む湘南丸の船上で抱負を語る市川教諭

【時代の正体取材班=成田 洋樹】船員の卵の育成を担う県立海洋科学高校(横須賀市)の実習船「湘南丸」(696トン)に女性教官が誕生した。高校卒業後に美容師として働いた後に大学で学び直して教職に就いたという経歴を持つ。「生徒一人一人の可能性を引き出すことができる教員になりたい」。子どもの頃からマリンスポーツに親しみ、海を愛してやまない思いが歩ませた針路。2カ月に及ぶ遠洋航海を前に気持ちがはやる。

 市川愛教諭(35)は2014年度の教員採用とともに同校に水産科教諭として着任し、海や船、水産物について全般的に学ぶ「海洋基礎」の授業などを受け持ってきた。実習船に乗り組む教官に必要な国家資格を持っており、湘南丸での遠洋航海は16年度以降2回経験し、今回から本格的なスタートを切る。前身の三崎水産高校を含め80年近い歴史を誇る海洋科学高校で初めての女性教官で、全国の水産高校でも珍しいという。


新たに建造された5代目湘南丸=3月22日、横浜港大さん橋国際客船ターミナル
新たに建造された5代目湘南丸=3月22日、横浜港大さん橋国際客船ターミナル

 小さな頃から家族と一緒に三浦市の海岸でシュノーケリングに親しんできた。就職後、いつものように潜った海岸でごみを拾って歩く人たちの姿を目にしたことが転機になった。「このきれいな海は地道な活動によって守られている」。趣味の場としてしか考えていなかった目の前の風景が違って見えてきた。大好きな生き物と接し、人生の楽しみを教えてくれた海。水産高校教諭になって海を守る環境教育を実践したいという思いが膨らんでいった。

 仕事を辞め、東京海洋大に進学したのは26歳の時だった。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

県立高校改革に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

3・11東日本大震災10年横浜と石巻、若者と被災地の絆10年 自立支援団体が報告会

「ヘイトに罰則条例を」相模原の市民団体が議員に協力要請

厚木の強盗殺人未遂 被告に懲役5年判決・横浜地裁支部

生後間もない息子殺害した容疑の母親不起訴 横浜地検支部

県内交通取り締まり 3月20日

新型コロナ19日の神奈川、111人感染2人死亡 横浜で新クラスター