今回は、アイラモルトを飲んでみようシリーズとして、アードベッグTENを飲みます。

イベントに積極的な蒸溜所

_DSC3591_01アードベッグ蒸溜所は、アイラ島の南東部にあり、近くにラガヴーリン、ラフロイグ、ポートエレンの各蒸溜所があります。

「小さな岬」という意味を持つこの蒸溜所は1798年から創業し、1815年から商用向けの生産を開始しました。
しかし当初はシングルモルトとしてではなく、ブレンデッドウイスキー用のキーモルトとして生産、出荷をされ続けました。

1981年に操業停止してしまい、1989年から1996年までは細々と生産をしていましたが、1997年にハイランドにある蒸溜所、グレンモーレンジィに買収され、本格的に生産を再開しました。

この頃からオフィシャルのシングルモルトの生産、販売に力を入れはじめ、今回飲むTENのほか、ウーガダール、コリーヴレッカン、アン・オー、ウィー・ビースティといったレギュラーボトルのほか、期間限定ボトルもリリースしています。

また、アードベッグはイベントにも力を入れていて、毎年日本でもアードベッグデーが開催され、期間限定ボトルも試飲が出来ます。
そのほか、アードベッグ・コミッティーというファンクラブも作られていて、会員限定ボトルを手に入れたり会員限定イベントに参加できる特典があるそうです。

さて、アードベッグにおいてはバーボン樽を使うことが基本となっていて、今回飲むTENにおいても、ファーストフィル、セカンドフィルのバーボン樽を使って10年以上熟成しています。

爽快さをも感じさせるスモーキーなボトル

グラスからの香り、液色

グラスからは、アイラモルトらしい正露丸とヨードを伴ったスモーキーな香りが先に訪れ、後からレモンの爽やかな香りが続きます。

液色は淡いシャンパンゴールドです。

ストレート

先に強烈な煙を感じさせ、奥からレモンの香りが続きます。その後はマスカット、青リンゴなどの若いフルーツが感じられます。

味わいは、アルコールからの辛みは少なく、ほんのり甘みを持ちつつも酸味が主体となります。その後ほろ苦さも多少やってきます。

ロック

煙の奥から正露丸のような香りが一気に広がります。また、レモンの香りも強くなり、爽やかさも強くなります。

味わいは、苦みが少々強めになり、酸味も一気に広がるようになります。その奥からはミントのようなスーッとする辛みもやってきます。

ハイボール

ストレート、ロック同様に正露丸を思わせる香りを持つスモーキーさにレモンの香りが加わり、ミントっぽさも得られます。

味わいは酸味が一層強まり、奥から苦みが追いかけるようになります。

まとめ

10年熟成されていることもあり、ストレートでもアルコールからの刺激、辛みは少なく、スモーキーさを純粋に感じ取れる印象です。
ボウモアに比べると正露丸やヨードのような香りは少なめで、より煙っぽさがしっかり感じ取れます。

一方でバーボン樽を使っているもののバニラの香りは少なく、レモン、青リンゴ、マスカットと言った若く爽やかなフルーツの香りが後を追いかけてきます。

700mL、アルコール度数46度、価格は4500円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り C: 正露丸やヨードの香りは少なめだが煙っぽさが強い。後からミント、レモン、マスカット、青リンゴ。
  • 味わい B: 苦みが前に来るものの、全体的に酸味が主体。ストレートだと甘みも得られる。
  • 総評 B: ミントの突き抜ける爽快さを持つスモーキーさは、人によっては癖になるかも。