男の自信を呼び起こす1本に出会う。初めての本格時計、その条件とは?
初めて高級腕時計を手にする喜びと緊張感は、かけがえのない経験です。その瞬間をより濃密にする向き合い方を、名門老舗ブランドの腕時計を軸にレクチャーしていきます。
これからもこの先も背中を預けられる、名門時計に今こそ出会いたい
春は目前。ようやく日差しが暖かくなり、少しずつでも前を向きたい季節がやってきます。ただし、コロナ禍においては依然として出口のないトンネルの中にいるかのような不安、焦燥が付きまとうのも事実です。自身の将来も、身を取り巻く周囲の環境の変化も、安心や安定からは程遠い。そんな憂鬱を振り払うために、名門が生み出す腕時計のチカラを借りてみてはいかがでしょうか。
その長い歴史において数々の困難を乗り越えてきたウォッチメーカーは、普遍性という絶対的な軸を持ちます。腕時計という未来を指し示すアイテムには、着用者の背中を押して1歩前へと進ませる、特別な何かが宿っているともいえるでしょう。ただし、品質に比例するかのように値段も張る分、選び方や身に着け方は失敗したくないところ。そこで今回は、初めて触れる高級機として、男の自信を呼び起こしてくれる1本に出会うための作法を取り上げていきます。
初めての名門時計。オン・オフと長く付き合える、腕時計の条件とは?
初めてのビジネスウォッチ選びに四苦八苦した経験は、誰しもが持っているもの。しかし、それ以上に悩ましいのが初めての名門時計の選び方です。まずは、重要なポイントを読み解いていきましょう。シーンを限定せずにこの先も長く付き合える、相棒のような1本に出会うための条件を3つ挙げていきます。
条件1
時代に流されない意匠と、高精度なモノ作りを両立している1本である
トレンドに左右されない。言葉にすれば簡単ですが、実行するには相当の覚悟と自信が必要です。その鍵を握るのが、モノ作りに真摯に向き合う姿勢と、信念を形にする技術力。腕時計はコーディネート全身で見れば面積の大きくないアイテムですが、だからこそディテールからの作り込みが説得力を持ちます。例えば、光の当たる角度で絶妙に表情を変えるサンレイ仕上げのダイヤル、一点の曇りなく磨き上げられたケースの輝き。そんな外見の要素だけでなく、心臓部たるムーブメントの正確性・信頼性やそれを叶える構造のあり方など、機械式においては内面も重要です。容姿端麗、質実剛健。ゆえに、未来永劫の光を放つのです。
条件2
100年先も受け継ぐために。すでに確固たる背景を有している名門ブランドの1本である
機械式腕時計は、先の世代に継ぐことができるタイムレスなアイテムです。実際に、家族から愛用の腕時計を受け取ったという読者も少なくないでしょう。一瞬の時をつなぎ、歴史をつなぐ。そこを熟知する腕時計ブランド、特に100年以上の歴史を持つ老舗は、これから先も変わらない抜群のステータス性を有します。そもそも、腕に直接身に着けられる時計が本格的に普及したのは20世紀に入ってから。この画期的な出来事は、文字通り世界の“時計の針”を進めたのです。前人未踏の深海にその身を投じるダイバーたち、未知なる大空をかける航空機のパイロット。その腕元には、信頼の置ける腕時計が巻かれていました。確固たる歴史、背景。それは、今後も色褪せることのない挑戦の足跡です。
条件3
背伸びをし過ぎず気負わない、現実的なプライスで手に入れられる1本である
腕時計は決して安いアイテムではありません。特に機械式腕時計となるとなおさらで、付加価値も加味すれば価格は天井知らずとなります。しかし、高価だからといって身に着けずにしまいこんでしまっては本末転倒。自分だけの時間を共有する愛用時計は、日頃から腕に巻いてこそ特別な意味を持つはずです。そう考えれば、現実的な価格帯も“いい時計”の立派な条件。背伸びし過ぎず、でも気負わず使える。そんな1本を探しましょう。
185年以上の歴史が証明する価値。男の“褒められ時計”が『ロンジン』にある
上記3つの条件を満たす腕時計となると、おのずと数が限られます。その中で自信を持っておすすめできるのが、ずばり『ロンジン』です。1832年にスイスのサンティエミにて懐中時計の製造からスタートしたブランドは、1867年には「Es Longines(細長い野原)」と呼ばれる地に自社工場を設立。これがブランド名の由来になりました。そこで作られる高品質な自社製ムーブメント「キャリバー20A」が評判を呼び、同年のパリ万博で受賞。以降もスポーツ、航空、天文などさまざまな分野からの支持を集め、歴史あるスイスのウォッチメイキングを今なお前進させ続けています。その抜群の信頼度、完成度から、海外においては特に高いステータス性を確立。腕に巻いていればわかってる感を演出できる、“褒められブランド”として認知されています。
▼新鋭にして最善。男の王道をハイクラスで表現する「ロンジン スピリット」
ここからは、『ロンジン』の豊富なラインアップの中でも今、選りすぐりの2本を取り上げます。まずは、2020年後半に発表されたばかりのフラッグシップモデル「ロンジン スピリット」。“魂”の名に違わず、風格のある王道のラウンドフェイスにチャレンジ精神を宿した傑作です。というのも、意匠には古き良きパイロットウォッチの面影を盛り込みつつアップデートをかけることで、これまでブランドがサポートした数々の偉大な冒険者をオマージュ。極地探検で多くの発見を成し遂げたポール=エミール・ヴィクトール、女性初の大西洋単独横断飛行を果たしたアメリア・イアハートら、『ロンジン』の腕時計とともに歴史に名を刻んだ偉人を想う、ロマンウォッチなのです。
着こなし例
端正な顔立ちはオン・オフ共通。ビジカジもカジュアルもお任せあれ
上記のような背景を持ちながら、高精度のクロノメーター認定ムーブメントを搭載するなどスペック面も特筆。さらには磨き上げられた気品あるルックスも、いい大人のスタイルを支えます。また、存在感がありながらもスーツの袖口を邪魔しない40mm径のSSケースが、同素材のブレスレットと相まって格別のエレガンスを主張。サンレイ仕上げのブルーダイヤルは、ビジネスシーンに華やかさと爽やかさを与えます。インデックスや針に塗られたスーパールミノバの色合いもダイヤルの青と相性良く、落ち着きのある上品な顔立ちに。
初めての高級腕時計であれば、オン・オフ問わず使いたいもの。その点でも、王道の3針モデルのお手本ともいうべき「ロンジン スピリット」なら安心です。前述の通りレトロなパイロットウォッチをデザインソースとしているため、カジュアルスタイルもお手のもの。例えばシンプルなシャツとスラックスに合わせれば、品のあるシルバー&ブルーがスタイル全体を効果的に引き締めてくれます。
▼スポーティな腕時計がお好みなら「ハイドロコンクエスト」も選択肢に
ラグジュアリーなスポーツタイプをお求めなら、こちらの「ハイドロコンクエスト」が最適解となります。「ロンジン スピリット」よりケース幅が1mm広がった41mm径のラウンドフェイスは、回転式のセラミックベゼルやリューズガード、大胆なインデックスの配置などでダイバーズウォッチらしいタフネスをアピール。一方で、グレーベースのカラーパレットがしっとりとした高級感を演出します。機能性もすこぶる高く、300m防水をはじめとしたオーバースペックを実現。自動巻きのムーブメントは、最大巻き上げ時約72時間のロングパワーリザーブを備えています。
着こなし例
誠実なグレーと骨太な顔立ちが、着こなしに男らしさを宿す
スーツがそうであるように、グレーカラーはビジネスシーンにおける基本中の基本。その色を纏う「ハイドロコンクエスト」がオンスタイルに馴染むのは当然です。ただし、馴染むだけでなく“映える”のが、この時計の凄み。ダイバーズウォッチならではのマッシブなディテールを備えつつも、サンレイグレーのダイヤルが洗練の輝きを放ち、腕元で静かに主張するのです。グレースーツと組み合わせれば互いの色彩が際立ち、着こなしに深みを生むような相乗効果が。アクティブかつ上品な面持ちで、フレッシュな春夏スタイルを格上げします。
作りは重厚でありながらも、どこか軽快なイメージ。そんな「ハイドロコンクエスト」は、オフの日の相棒としても頼りになります。ポロシャツやTシャツのリラックスした出で立ちも、腕元に1点効かせるだけで印象は様変わり。嫌味のないクラス感を伝えるとともに、その人の“好き”を物語る舞台装置としても機能します。
所有すればわかる頼もしさ。老舗『ロンジン』の腕時計を、次の一歩の足掛かりに
先行きの曖昧な今だからこそ手にしたい、本場スイスにて確かな存在感を示している名門『ロンジン』のマスターピース。長い歴史に裏打ちされた信頼性は、着用者の未来に自信を植え付けてくれます。日々腕に乗せ、愛用するほどに実感できる安心感は老舗中の老舗だからこそ滲み出る魅力といえるでしょう。
なお、現在全国の『ロンジン』取り扱いショップにて「ロンジン スプリングキャンペーン」と称した新生活フェアを実施しています。このたび紹介した「ロンジン スピリット」をはじめとした、定番人気モデルがずらりと並ぶ店頭では、きっとこの春の相棒にふさわしい1本に出会えるはず。確かな本格腕時計を手に入れるための、またとない機会。ぜひ、その実力に直接触れてみてください。
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※掲載の金額はすべて税込み価格です
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Photo_Shoichi Muramoto[BYTHEWAY]
Styling_Eiji Kawasaki
Text_Naoki Masuyama