Q
「自然界では弱肉強食という単語があります。
でも人間の社会では
何故それが行われないのでしょうか?
今日の社会では弱者を税金だのなんだので、生かしてます。
優れた遺伝子が生き残るのが自然の摂理ではないのですか。
今の人間社会は理に適ってないのではないでしょうか。
人権などの話を出すのはなしでお願いします」
A
「よくある勘違いなんですが、
自然界は『弱肉強食』ではありません
弱いからといって喰われるとは限らないし、
強いからといって食えるとも限りません
虎は兎より掛け値なしに強いですが、
兎は世界中で繁栄し、虎は絶滅の危機に瀕しています
自然界の掟は、
個体レベルでは『全肉全食』で、
種レベルでは『適者生存』です
「強い者」が残るのではなく、「適した者」が残るんです
(「残る」という意味が、
「個体が生き延びる」という意味で無く
「遺伝子が次世代に受け継がれる」
の意味であることに注意)
「生存」が「子孫を残すこと」であり、
「適応」の仕方が
無数に可能性のあるものである以上、
どのように「適応」するかは
その生物の生存戦略次第ということになります
人間の生存戦略は、、、、「社会性」
高度に機能的な社会を作り、
その互助作用でもって個体を保護する
個別的には長期の生存が不可能な個体
(=つまり、質問主さんがおっしゃる"弱者"です)も
生き延びさせることで、
子孫の繁栄の可能性を最大化する
、、、、という戦略です
「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよ
あるのは
「ある特定の環境において、
有効であるかもしれない遺伝子」
です
遺伝子によって発現されるどういう"形質"が、
どういう環境で生存に有利に働くかは計算不可能です
例えば、
現代社会の人類にとって「障害」としかみなされない形質も、
将来は「有効な形質」になってるかもしれません
だから、可能であるならば
できる限り多くのパターンの
「障害(=形質的イレギュラー)」を
抱えておく方が、生存戦略上の「保険」となるんです
だから社会科学では、
「闘争」も「協働」も人間社会の構成要素だが、
どちらがより「人間社会」の本質かといえば
「協働」である、と答えるんです
「闘争」がどれほど活発化しようが、
最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからです
我々全員が「弱者」であり、
「弱者」を生かすのが
ホモ・サピエンスの生存戦略だということです
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463546664
この記事への反応
・“人間の生存戦略は、、、、”の入り方相当カッコいい
・そういえば、ガンダムWの最終回でも
ヒイロが言っていたのを思い出した。
人類全てが弱者だと。
・たった100年前にはプログラミングの才能なんて無意味だったし、
逆に狩猟で使う男の様々な能力は
長らく最も有用な才能だったけど
現在社会だと持て余して
暴力性として排除される傾向にある。ほんこれ
・『7SEEDSプロジェクト』やね。
・簡潔で無駄なくやさしくキレがいい。
こういう文章書きたいなぁ。
・協働を軽視する人は
そもそもこんな長い文章を読むだけの知力はない。
・人間の進化と適応について
これだけわかりやすく説いたものは珍しい。
もやウィンに100回ほど音読させたい……
初めて読んだけど
カッコいい文章だなー!
ヒトの種という観点では全員が弱者で、
弱者を生かすのが生存戦略か
カッコいい文章だなー!
ヒトの種という観点では全員が弱者で、
弱者を生かすのが生存戦略か
吾峠呼世晴(原著), 外崎春雄(監督), 松島晃(デザイン), LiSA(その他), 花江夏樹(出演), 鬼頭明里(出演), 下野紘(出演), 松岡禎丞(出演), 日野聡(出演), 平川大輔(出演)(2021-06-16T00:00:01Z)
5つ星のうち4.4
レパートリーが豊富だな。