精神侵略技術を考慮した新しい精神病の
診断基準の必要性について
キャロル スミス
患者本位を特色とし、他人の世界を理解するには、治療は本質的に協調と信頼により成り立つことの自覚が必要だと認めている、精神分析学的な患者へのアプ
ローチを修練した私たちにとって、アメリカ精神医学会による統合失調的人格の診断基準は
、常に心配の種だった。精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)
第3版(1987年)では、統合失調病と診断するために、少なくとも4つの特徴的症状が発現している必要があった。
公認された4つの症状の選択の例として、魔法のような思考、テレパシーまたは第六感、社会接触の寡少、奇妙な会話、
批判に対する過敏性などがあげられる。1994年には、必要とする特徴的症状の数は二つ以上に減らされた(DSM・第四版)。
基準には、幻覚に感情の平板化などの「否定的」徴候がともなったもの、組織立たないまたは矛盾した会話などが含められた。
さらには、妄想が奇怪であるときや、幻覚がその人の行動や思考にたいする言動を繰り返す声からなっているという場合には、たった一つで
構わないということになった。DSMの次の版は2010年まで予定されていない。
疎外や、しばしば監禁、隔離、そして抗精神病薬の投与による精神改変に持ち込む、レッテル付けのプロセスに代わって、
病気を理解するために経験のひもを解く、困難な作業を通じ健康を回復を試みることは、たとえ重度の統合失調的離脱のような場合でも、
時間の無駄だから必要ないと多くの精神分析医・心理療法家らは感じている。このようにして精神分析医は、もっとも極端な形態として、社会の批判者になっ
た。そうして、患者に判断を下すとき、架空の感情移入を怠った。ハリー・スタック・サリバン、フリーダ・フロム-レイヒマン、
ハロルド・ザールズ、そしてR.D.レイン(みな精神科医として訓練を受けながら、標準的な手法に反旗をあげる人たち)の業績は、
精神医学的モデルから大きく隔たった人たちへの対処法を提供した。明確な患者のグループ分けにより、社会にたいして病気を鎮圧する
自信を与えたようであった。かつてある病院で、敷地のまわりで投薬患者が持ち歩く、買い物袋の数が多いことを口にした際、ある医師が、
いくらかの真実をこめた次のような冗談を言った。彼らは患者の回復具合を、買い物袋の数がどれだけ減ったかで評価しているというのだという。
しかしながら、患者の人生の経歴について話を聞くとき、「統合失調症」は、家族によって注意深く隠され受け継がれる病気で、意識的・無意識的に
なんらかの影響を被り続けているわけではない、と信じることはあまりにも難しかった。
自分の
心がばらばらになってゆくと感じる人にとって、精神科医による検査という困難な状況に置かれることは、たとえ医師が親切を装ったとし
ても、評価手続きの状況それ自体が「その人を狂わせる、もしくは、より狂気に向かわせるための、効果的な手段となる」(レイン、1985)。
だけれども、奇妙な経験を説明して、新しいレッテルを貼り付けられたり、精神病棟に送られたりされるとき、新たな一群の人々には、
症状の診断のやりかたに激怒するいっそう大きな理由がある。二重に残酷な宣告が、科学・軍事的実験による、背筋が凍るような虐待の被害者たちに
課せられるのだ。完全に無理解な社会は彼らの証左に関心を持たない。今や、新しいクラスの兵器群の発展により、
他人の脳や心、身体へ、科学技術的方法で侵入することが可能になっている。
軍事能力に神経科学を備え付けることにより、このテクノロジーは、際立ってはソビエト連邦とアメリカ合衆国における、
数十年の研究・実験の結果として生まれた(ウェルシュ、1997、2000)。ソビエト連邦と西側の、長年の軍拡競争に起源する技術開発は、
衛星技術を使用した偵察・通信システムをもたらしただけでなく、人間の自動追尾や、脳波の操作さえも可能にしたことを私たちは
理解しそこなっていた。レーザービーム、神経粒子ビーム、電磁放射、ソナー、ラジオ波、ソリトン波、捩じれ場を照射したり、天体物理の
研究をなすその他のエネルギー場を利用することで、脳の周波が操作される。作戦は秘密主義を特徴とすることから、「自然の盾」
電離層の活用といった、私たちの知っている手段は、利用の意味を理解し始めたときには、すでに時代遅れになっていることが避けられないようだ。
ベルナールJ.イーストランドの仕事が導いた数々の特許は、いまだかつてない強力なエネルギーを戦略地点の地球大気に送り、
入射強度を保持することを可能にした。特に、ランダムパルス法を用いると、従来の技術よりきわめて正確によりよく制御することができる。
核装置の爆発を様々な高度・威力で引き起こすことも可能だ。(参照、高周波・動的オーロラ研究プロジェクト、HAARP)
現在レイセオン社が所有するいくつかの特許は、「放射を伴わない原子核サイズの爆発」を起こす方法、パワービームシステム、電磁波パルス、
発展途上の探知システムを記載している。さらに恐ろしい用途として、人間の精神活動の操作・妨害のために開発したラジオ波パルスシステム、
それらの人間の健康と思考に悪影響を及ぼす装置としての使用がある。無実の市民である被害者は、自動追尾の標的とされ、いくら逃げまわっても脅威を
避けることができない。ビームは宇宙から照射されている。軍事技術の産物であるHAARP施設は、ラジオ波パルスを用いた人間の心理過程を
操作・妨害するシステムにより、地球規模のマインドコントロール放映ができる。超強力なラジオ波が電離層に照射され、
いったいを加熱し上昇させる。電磁波が地上に跳ね返り人体組織を貫通する。
モスクワ心理修正研究所のイゴール・スミルノフ博士は次のように語る。「ロシア人の‘悪魔’、例えばイラン人やその他の‘悪魔’が、
十分な手段と資金さえ有していれば、考えつく限りのありとあらゆるコンピュータネットワーク、ラジオ、テレビなどに、比較的容易な技術でケーブルを切断す
ることなく自らを割り込ませ、伝達するラジオ電波を横取り、変調して、思い通りに意見を挿入できることは容易に想像がつく。
これがそのような技術に正当な脅威を持つ理由である。」(ドイツ、テレビドキュメント、1998)
もし、これまで、認知可能な徴候の分類による診断基準の適用を続け
ているならば、今や私たちには、被害者をより過酷な監視に追い込む事由がある。冷戦期の軍拡競争に由来する過去数十年の発展は、
心理-電子工学兵器類を主要な作戦カテゴリーに位置づけた。それらは、脳や心に侵入することを究極の目的としている。報知されることも、
議論されることもなく、科学者やその雇い主である政府には概して公認されず、遠距
離から心に侵入し操作する技術はベールに覆われたままだ。
この恐ろしい技術や、身の毛もよだつような将来の危惧にたいし、声を上げる目撃者は、被害者自身に限られていて、精神病の診断に従事する人々は、
目撃者の証拠や説明を、統合失調症の症状だと分類し口封じを目論んでている。一方、心理的損傷や計画的苦痛が、遂行者の仕事として加え続けられるままに
なっており、それらは援助を受けていて反対もされない。
精神医療による隔離の脅威に直面するとき、混乱した会話や消極性、冷淡さ、疑惑、奇異な考え、第六感、テレパシー、予兆といった、
一切の徴候を注意深く覆い隠すことが常に肝心になっている。だが、とりわけ、「他人が心を察することができ、
誰かが自分の思考や行動に対して、注釈を流し続けている」と感知
し、
それを、マインドコントロールの類が存在するとは信用するつもりがない、精神科医やその他の人物に報告したとしたら、
それは正気に訴えかけることの最後となり、おそらくはあなたの自由の終焉になる。マインドコントロールの突出した特徴のひとつが、
実況的注釈であり、それらは統合失調病の徴候を、無論意図的に、正確に複製したものだ。被害者に絶えずコントロールや監視を
想起させることは、力が注がれるポイントの一つだ。プログラムはさまざまだが、監視を想起させる一般的な方法として、
電子的なつつき・押し、身体ノイズ、刺すような痛み、体の各部のけいれん、心拍の増加、内臓への圧迫などがある。
それらは全て、個人ごとに系統的に編算された、思考や出来事などへの注釈を伴い、ストレスやパニック、絶望を引き起こすように
設計されている。これはまだ、温和なマインドコントロールの段階だ。ビームエネルギーが、心臓停止や脳内出血などといった
人間に対する致死攻撃に使われるおそれが十分にある。
このような身の毛もよだつような光景を促したのは、秘密主義の政府システムだ。警告の声は上がっていた。
「・・・秘密主義の政府システムは、総括して、冷戦時代のもっとも有害な遺産と位置づけることができる・・・冷戦時代の秘密主義は
能動的な詐欺をも公認した・・・特別許可プログラムの安全マニュアルでは、契約者に‘彼らの活動を偽装するための作り話’をする
権限を付与した。ただひとつの条件は、作り話がもっともらしいものであればよいというのみだった(アフターグッド&ローゼンバーグ、
1994、原子核科学者紀要)。」偏執病者たちが、政府の諜報機関に援助され、教唆され続けている。
イギリスにおいては、そのような現実および潜在の人権への暴虐、社会的・政治的虐待をうすうす感じとられてしまう厄介を防ぐため、
コンクリート要塞が築かれたようである。銃眼を持ち、塁壁、胸壁に加え、崇高な無知の王国という城塞をも完備した。女王陛下の最近の洞察を
拝借すれば、「私たちの気づいていない何かの力が働いている」というのだ。イギリスの諜報機関が一切問題に関わっていないとはいえない。
そういった技術の存在が、機密扱いされていないとはとても考えられないからである。事実、グリーンハム・コモンの巡航ミサイル設置に
反対する女性たちが、指向性エネルギー兵器のギガヘルツ電磁放射の被害にあったという話は広く信じられている。彼女たちの症状は、
ガンなど、ロバート・ベッカー博士らによる、電磁放射の影響についての報告と整合している。ベッカー博士は、電磁波放射の危険性について、
たびたび警告の声を発し続けてきた。アレン・フレイの仕事は、放射の効果が血脳関門の浸透性を高め、中心神経系の毒素からの防御力を
決定的に弱める、重大な危険があることの認識が必要だと指摘している(ベッカー、1985)。ベッカー博士は、核磁気共鳴を、
磁気共鳴画像法(MRI)として知られる医学で馴染み深い道具として説明している。カルシウムの流失はサイクロトロン共鳴の結果だという。
サイクロトロン共鳴とは、空間の一定の磁場に荷電粒子やイオン置いたとき、かけられた磁場と垂直に円状もしくは環状の運動を
するというものだ。周回速度は、粒子の質量と電荷の比、磁場の強さによって決定付けられる(ベッカー、1990、p.235)。
この効果とレーダーから発するエネルギー、核磁気共鳴らを複合して利用することより、いかなるの大規模攻撃ができるかについて、
筆者の知見では答えることができない。しかしながら、それらの使用が人間にどのような害を与え得るのか、
物理学者が真剣に考察し評価する十分な価値がある。
ところが、医学界では、神経科学者、神経学者、精神科医、さらには一般の医療従事者でさえも、神経系の技術操作を職業に関連する問題として、可能性すら認める人物は全くみつからない。イギリスにおける何人か
のきわめて高名な
開業法律家から、文字通り次のような回答があった。なんのことはない、そういった技術に関する情報は、彼らには手に入れられなっかたのだという。
法律家は、精神的虐待を病理学的問題と伝達する誰にも参照して、行われている犯罪を無視し続けたのである。
マインドコントロール技術や歴史発展の完全な記述が、この論文の目標ではない。困難きわまりない状況で進めざるを得ない、このとてつもなく
大変な作業は、明晰かつ勇気あるものが他の人々から発表されている。彼らは継続的な危害や脅威の下に生き、侮辱的なレッテルをはりつけられている
こともざらだ。彼らの業績は、この論文の最後にある、インターネットの参照からいつでもアクセスできる。よく調査された電磁技術の歴史発展の
概略を知りたい読者は、人権への暴虐に反対する市民の会(CAHRA、現・MIND JUSTICE)会長チェリル・ウェルシュによる、
電磁兵器発展の年代表を参照するとよい(ウェルシュ1997、2001)。世界中で最低1500人の、自分が標的にされていると訴える人がいる。
現在、出生地のチェコ共和国に定住する、モユミール・ババケックは、80年代に8年間アメリカに居住した後、この技術に関する血のにじむような
細かい調査書を作り、今なお研究を続けている(ババケック、1998、2002)。
我々はここでできうる限りの援護策を考えたい。
ⅰ) このような人権への暴虐、民主主義への脅威にたいする、認知をただちに広めることの必要
ⅱ) そのような脅威の存在を自覚することに対し、ときに人々が防御反応を取り、避けようとする理由を分析すること
ⅲ) この技術による迫害にあっている被害者に対処するため、同情ではない、知識・創意・情報の緊急的要請。そして、
ⅳ) 致死能力すらある、ここで述べる種類の兵器が、ファシストや秘密活動者の手中にあることがほぼ確実であり、
自由に対する切迫した脅威をもたらしていることを、眠り続ける社会に警告すること
被害者たちには、現在、この標的づけによる放射の影響について、医療ケアすら受ける方法がないことを強調しなければならない。人間モルモットとして
扱われていることの信用をさげすまれ、人生の破壊によって自殺に追い込まれたり、気違い扱いされたりするなど、“痛恨の極み”と呼ぶのがふさわしい。
心や身体に“外部者”が恒常的に存在することは、原義上、最も耐え難い残酷な行為である。耐えることを強制される人々は、ぶちのめされたくなければ、
活動家に転身するより方法がない。彼らの人生は、こういった凶悪者との戦いに費やされ、エネルギーは公衆に警告を発し情報を流通させることに
向けられる。にもかかわらず、人々は話を聞きたがらずに、自分たちの社会の中で邪悪な力が働いていることを理解しようとしない。
ここで、手短に、いくつかの(希少ともいえる)この分野の存在や危険性を裏付ける、公職者の試みを概観しておく。
精神侵略技術の発展を回顧するにあたり、いくつかの顕著な業績を記す。
1969年、エール大学の心理学者ジョズ・デルガド博士は、“心の物理学的操作-心理文明化された社会へ向かって”という本を出版した。要約すると、
博士は、脳への電気的刺激により、いかにして呼吸のリズムや心拍数を変化できるか、
大部分の器官の機能や胆のうの分泌を変えられるかを、実演して証明した。当時すでに、脳の各点と活動・機能・感覚との対応が、完全に図表化されていた。
まゆの吊り上げ、口や目の開閉、噛む動作、あくび、睡眠、眩暈、健康な人にてんかん性の発作を起こさせるなどした。つまみを回し、電流の強弱を
操作することによって、感情の強度が制御された。本の終わりで、博士は、この新しい力が科学者や慈悲深いエリートたちの手に限られ、
「心理文明化社会」に益することを望んでいると述べた。
1980年代、神経磁気メーターという、アンテナとして機能し、脳か
ら発する
波形を監視できる装置が開発された(70年代には、科学者たちはすでに、電磁波パルスが頭蓋骨やその他の組織をつきぬけ、
脳に刺激を与えることを発見していた。つまり、もはや脳に電極を植えつける必要はなくなった)。アンテナとコンピュータの結合により、
脳内でイベントが発生した位置を同定できる。製品全体は、磁気脳造影装置と
呼ばれる。
2000年1月、ロックヒード・マーティン社の神経技術者、ジョン D.ノルシーン博士は、読心装置の1つである
電子催眠精神通話機の、科学的な実現を目指しているとして引用された
(US News and World Report,2000)。海軍パイロット出身のノルシーン博士は、1980年代のソビエトの書籍の、
心の研究が軍事や社会に大規模な革命を起こすという主張を読み、脳への関心が芽生えたのだという。脳の電気活動の解読が進めることにより、
電磁波振動により脳自身の伝達器を解放させ、病気を打ちのめしたり、学習を増強させたり、心の中の視覚をすりかえ「人造の現実」を
作り出したりするのだという。この生命融合(ロックヒード・マーティン,2000)と呼ぶプロセスは、情報をデータベース化し
脳の複合模型を築きあげる。(機能)磁気共鳴映像法(fMRI)装置
で記録した
脳の走査図を調べることにより、科学者たちは、例えば読書や書き物など、記録時に人がいったい何をしているかを知り、
愛情や憎悪といったもろもろの感情を認識することができる。「この研究がうまくいけば、思考の操作を、本人が気づくとっくの前から
開始することができるんだ」とノルシーンはいう。けれども、倫理上の問題は彼にとって「認知不能」だから、単なる献身的科学者で、
マッド・サイエンティストではないという。ノルシーンは、「私は、倫理学に興味はない。しかし、どこかの誰かは関心を持つだろう」といった。
期待される次の大物として、ニューロコンピュータを挙げる。コンピュータとはいっても、ノートパソコンのような形をしているとは限らない。
どんな大きさにでも使いやすいように、携帯電話のように縮小することも可能だろう。画期的な進歩によって出現し、さらにPSI現象の利用によって
たまたま探った脳や、ESP実験、故意に取り調べた脳の、神経-精神活動をモデルとしているかもしれない。(脳の活動とは、要するに、神経伝達器と
相互作用するニューロンの非平衡、非安定なシステム。それは、生きている脳の複製から解明されている。
脳から発する電磁波を集め他人の脳に送り込むことを基本設計とし、他人の考えを読み取ったり、同様な仕組みで考えを他人の脳に押しつけたり、
行動を指図するといった、出現間際の機器の実現性について筆者が手紙を書いたところ、IBMの重役クラスから、予見しうる限りの将来にわたり、
そのようなコンピュータを作り上げる科学技術は一切存在しない、という断固とした回答があった。これは、装置に関するIBM知的所有物ネットワークの
インターネットページにある、合衆国特許03951134番に食い違っている。その特許は、人間の脳波を遠隔地から拾い上げ、コンピュータ処理し、
修正波を放射することにより元の脳波を変化させることができる。同様な手紙をアップル社の4人の取締役へ、一人一人特別な関心を引くよう
趣向を凝らして差し出したが、全くもって音沙汰がない。その中には、新しくアップル社の取締役員会に選出された、アメリカ合衆国前副大統領
アル・ゴア氏も含まれる。
マインドコントロール虐待被害者の報告に深い関心を持つ、多数の人たちによって、2002年ジュネーブ・フォーラムが設立された。
クエーカー国際連合事務所(ジュネーブ)、国連軍縮研究所、赤十字国際委員会、ヒューマン・ライツ・ウオッチ(アメリカ)、
人権への暴虐に反対する市民の会(CAHRA、現MindJustice)、戦略・国際安全研究プログラム
(ブラッドフォード大学平和研究科教授および上級講師が代表)による共同主催である。
イングランドでは、1995年5月25日付ガーディアン新聞英国版に、ブラッドフォード大学の平和研究者ニック・ルアーの報告に基づく、
「30以上の相異なる“新世代兵器”研究の流れ」の目録が掲載された・・・「いくつかの研究は、とても理性的とは思えない。」ルアー氏によれば
「“マイクロ波パルスビーム”によって敵の電子機器を破壊する計画、超低周波音のビームを用いて、嘔吐や腸けいれん、てんかん性発作を誘導、
石造建築を破壊する個別の計画がある。」さらには、記事によると、「潜在下の聴覚や視覚への刺激で伝達する心理修正通信を利用した
“マインドコントロール”の種種の計画。遠隔地への意識の転送、ホログラム投影によりプロパガンダや誤情報の散布を目的とした、
“心理電子工学兵器”の計画もある(ウェルシュ、Timeline)。注目すべきこの例外を除いては、この問題について、英国における公的な言明を
探し出すことは困難である。
不幸なことに、信憑性の問題は、繰り返し言及するのみでは必ずしも解決しない。アメリカでは、数多くのケースが報告されているにもかかわらず、
すでに発生していて放置すれば確実に蔓延してしまう問題にたいして、人々が反対し奮闘する意志を固めるには至っていない。紛争や戦争において
付帯的な損害を被りうることから、どうやら政府は、国家安全の観点から、人々を実験の生贄にし、惜しむべき死者を生むことを、
必要で正当化できると信じきっているようである。無論これは、人々の生活と民主主義を尊重する、民主国家のあらゆる原理と完全に相反している。
このような野蛮な拷問に官吏を教化している政府は、非文明的な偽善の塊だと根底から非難されなければならない。
防御機構としての不信
マインドコントロールに対する広い不信に直面していることから、不信の維持に利用されている機構の基礎について、分析する価値があるだろう。
ⅰ)60年代、ソビエトの反体制者らは、彼らの処遇、とりわけ、精神医学的な方法による拷問の乱用に対し、はかり知れない同情と爆発的な抗議を
西洋の民主政体から受け取った。被害者らが同じ価値体系を共有し支持しているため同一化が可能で、特にこの歴史的ケースのように、彼らが私たちに
脅威を与える政治体制に異議を唱えており自分たちの価値を強化する場合には、信用が得やすく、憤然とした支持の表明を受けられることは注目に値する。
心理学的には、安全な距離を置いて支持を言明していることが同様に重要で、(心から)分離された“バッド・ファザー”(この場合にはソビエトの権威)を
攻撃することは精神にとっての利益になり、精神システムに何の脅威も起こさない。内的な圧力を確かに引き下げる効果がある。他方、その事実が自らの
環境や安全、現実に対する軋轢を起こす場合には、類似の攻撃を認識し非難することに莫大な精神的負担を要する。幻想の崩壊に対する防御機構が、
私たちの父的存在-大統領、首相、政府といったもの-が、彼らが見せたがっている様子とは異なるかもしれないという、偏執的不安を抑制することに
使われている。
ⅱ)自我にそれらを許容する十分な能力がないことに起因する、破壊的な羨望や悪心を
他の場所に預けおくことの必要性。そのことは、見放され、心から投
げ出された、
偏執的不安を起こす感情の持ち主として、都合のよい人々やグループの有用性を高くする。精神侵略の概念は、偏執的不安の核心を直撃する。
それを心から取り除くには大変な努力が必要だ。憤激を無意識に排泄物と同一視することは、肛門侵犯の重要な一面である。
投影的同一視が防御反応として誘発される。
ⅲ)自ら心を開いて、人が目に見えない操作者に精神的・肉体的な侵略を受けていることを信じるには、自己における恐怖の克服に多大な努力を必要とする。
ⅳ)未知のものに対する防御は、理論と実践との乖離、革新者としての科学者と発明にたいして道徳的判断を果たしうる社会との分裂、事実とSFとの
分離として顕在化する。SFは余計な脅威なしに想像力へ旺盛に訴えかける。なぜなら、SFは現実との分離を強化する役目をするからだ。
ⅴ)侵略者との同化。意識的・無意識な加虐的空想、侵略者に乗り移り同一化することは、受難の恐怖や懲罰の危惧を抑制する。この機構は、
弱さを表象する被害者への信用を妨げる働きをする。これは凶悪なセクトのよく知られた一面である。
ⅵ)人間の最悪の破壊能力を否定し、文化や科学の偉大なる連続性への信条を維持することに余念がない、自由主義的人間主義者の伝統。
自らの過去の発展が‘着実な前進’を遂げていないかもしれないといった強い不安が、攻撃的感情にたいする防御とは正反対に逆行する精神効果を生む。
それは‘新しいもの’にたいする大げさな賞賛へと変わり、偉大な天才を人類に対して絶対的によいものだと肯定する。科学の進歩を悲観的と言ったり、
無知、非進歩的、懐古主義いった警鐘を鳴らしたりすることに反対する。自由主義の立場への硬直した執着は、しばしば、文化的知的資産といった、
よい所産が羨まれ台無しにされることへの不安に、過剰な補償をしてしまう。
ⅶ)すり替えによる否定は、科学技術の害悪面を無視するためにも利用されている。自由や社会の幸福に危害を与えうるものが、新しい娯楽的な
小説の流布によって偽装され、覆い隠されている。医療目的の腸に内視カメラを置く技術は、監視によって自由を制限するためにも使われる。
革新技術の提供者は、ありとあらゆる新しい仕掛けを施して姿を見せる。それらは、人々の気晴らし・娯楽となり、飽き足りない買い物客の
強欲を満たし経済にてこ入れする。ミュージカル「エブリシング・イズ・アップトゥーデート・イン・カンザス」のテーマは、個人的経験により、
例えば豊胸シリコンのような、物事のメッキがはがれてしまうときには、きまって落ち目になるというものだった。
新しい悪の機軸(加害や破壊のために作られたもの)から、何か「良いもの」(すなわち、大衆の気晴らしや娯楽など)を抜き出すことは、
経済利益や大衆の機嫌をとるために奨励されている。
ⅷ)NASAは宇宙船を火星に送る準備をしている、もしくは、私たちはそう聞かされている。彼らは、水や生命の痕跡を探すために、 火星表面の車両探査を計画している。計画の実現可能性に異議を唱える人は見当たらない。
ならばどうして私たちは、目に見えない侵略技術の方法によって精神が妨害され、迫害されているという報告を受けたとき、
彼らを信じてあげることができないのだろうか。感情移入の同化による恐怖は、完全な拒絶を起こすほど大きいのか。
逆に言えば、宇宙へ物体を打ち上げる共有経験が、大量離脱や惑星移民の無意識に共鳴し潜在的な協調能力や安心をもたらすだろうか。
それは、人類の科学的天才という名のもとに賛美されている共有経験にすぎない。
ⅸ)‘取り込まれたくない’、バカだと思われたくないといった欲求は、最も強力でなじみ深い、信憑を妨げる防御機構のひとつだ。
権力と偏執病者と不健全な政府
潜在的な自己陶酔狂への圧力に屈すことなく、巨大な力の担い手や保持者となるための能力は、その重要さにもかかわらずあまりにも
軽視されている。権力や期待を手中にし、保持者としてふさわしく見られる必要をもつと、修練されていなければ、その人に全能の力があると
思い込ませてしまう。結果として、自己陶酔的で過大評価をする心理過程が本人に組み込まれる。自分自身を、権力の所持者、付帯者、
行使者の全てに保ち続けようとする努力が、彼(彼女)の心をも乖離させ、聴衆としての自己を生み、周囲とともに華々しい役割をなす
自分自身の姿に魅了される。これは、少なくとも時には、権力者の席が空白同然になっているということだ。経験的自我と感覚的自我
とのあいだの分裂が、強力な指導者自身の内面・外面、時には側面の自覚さえもすり替えてしまう。周囲の取り巻きが、自己陶酔的な存在を
いっそう強調して、現実の吟味を屈折させる。この最後の点により、彼は映画のスターのような時代の強者、もしくはフロイトの言葉でいう
「成功で身を滅ぼした」人たちと、非常に良く似た様相を呈す。
政府を選出する公衆の基盤と、防衛戦略や経済投資を維持する偶発性や実際性との間にある、深い溝への幻滅の広がりに直面する
この世界において、支配や秘密潜入のために個々の装備を持つ、軍隊や諜報機関の役割は、急速に警戒すべきものになっている。
公衆に説明する責任がなく、暴露や訴追から自らの免疫によって保護され、うそをつくことや殺すことの認可さえもつ。人権と自由に
たいするゆゆしき脅威は、まさしくこういった機関の手の内にある。探知不可能な機密兵器実験を通して侵略をおこなう権限を有していながら、
任務に携わる面々は、強大で邪悪な集団から、莫大な経済報酬の賄賂をすすんで受け入れる。凶悪組織は、彼らの技能や特権的知識・
専門技術を、純粋に犯罪やファシズムだけの目的に利用可能だ。
他人への監視を実行する、従事者についての心理学的プロフィールはあまり知られていない。しかしながら、そのような職務の遂行に固執すれば、
人格にどのような影響をもたらすか、常に善悪を倒錯する危険があることは容易に想像できる。あちらこちらに部分的な洞察がみうけられる。
CIAマインドコントロール研究の本(マークス、1998)で、著者のジョン・マークスは、(常に人格の特徴を明かすために)
CIA同僚の冗談を引き合いにした。「もし、あんたが括約筋の自然ラジオ周波数を発見できたら、
やつらを猛烈な勢いで部屋から飛び出させられるだろうよ。」(同じような余興が、万一、例えば130デシベルより強い低周超音波を
使って行われたとしたら、一体どうなってしまうことだろう。ロシア議会への報告書を読んだ被害者兼活動家の話によると、
その低周波には心停止をもたらす効果があるという。
彼ら国家従事者を放っておけば、道徳的自己監視を免責されていると思い込んでしまっても無理はない。しかし、この仕事は、被食者のみならず
捕食者の人間性をも喪失させるものであるに違いない。この分野の諜報員たちをコントロールする必要性が、現在使われる方法を発展させる
動機となっていることは確かだろう。他の人間を迫害するための訓練は、人間的感情を失わせる効果的な方法でもある。他方、対象である
被食者たちは、生存のために懸命であるのみならず、自分たちの仲間に対して現実に何が起きているか警告しようと必死に努力する。
そうして彼らは、量子物理学者、政治研究家、探偵、活動家、神経学者、心理学者、生理学者(自分自身の医師となるため、
なぜならこの奇怪な取り扱いが、己の肉体ましてや心にどんな影響があるかわからないゆえに)などへの転進を画す。脳や肺への空気の注入、
気絶や盲目にさせるためのレーザー、粒子ビーム、ソナー、その他、支配や弱体化や制御のためのあらゆるエネルギーの組み合わせが、
ひょっとしたら有効かもしれない新しい手段として、敵の不能化や破壊方法の探求において試行され続けている。
科学と懐疑主義
科学者は、政府だけではなく、薄汚れた秘密社会が購入することも可能だ。大学は、受容しがたい残酷な用途の技術を開発するため、
政府から資金を受けることができる。兵器を供給する同一人物(おそらく名高い科学者や大学講師)が、認知されない不幸な人々への
実験で開発した技術から、科学的発見として受け入れ可能な側面だけを引用しているかもしれない。すっかり「きれいに」なった報告を提出し、
宇宙の自然法則の画期的発見として賛美されることもあろう。科学技術的破壊手段を供給しながら、革新者や思想家などの別の顔を持ち続け、
ノーベル賞を獲得する事だってあり得る。科学者の中には、CIAやソビエト議会からの接触があれば、
仕事を続けることを拒否している者もいる。こういった人々こそが、科学の真の英雄だ。
権力闘争の中、多くの物事が、究極の読心技術や精神統御技術を第一に支配できるかどうかに懸かっている。核爆弾のように、
いかなる正常な計算をしてみても、既知の所有者らが保持する利益を放棄しているものもある。しかしながら、
最新の究極的大量破壊手段を真っ先に手に入れるための競争は絶えることがない。最も望ましい形態は、過程において自らを汚さずに
敵に向けることができるもの-発見不可能で、きれいに、経済的・戦略的に配備できるもの-である。非民主的国家や、
知られたテログループのみに脅威をとらえるとらえる私たちは、秘密機関を統制するすべを何一つ知らない。
買い物がますますレジャー活動の中心になっているこの世界の消費者として、私たちは、畏るべき新たな機械を生み出すことが、
ときに人類の幸福を犠牲にしてきたことに、危機感をもたなければならない。「革新者」として賞賛される原因になることもあるが、
それは、強制実験被害者の生命神経過程に電極をつなぎ無線通話した結果得られたものである。人口養殖の雌鳥が産んだ卵をゆでて食べるのを
拒否するというなら、大企業が「電子脳プログラム」を開発していないかどうか、執拗に監視したとしても不道徳ではないはずだ。
さりげなく誘惑してくる恋人紹介会社が、実は理想のパートナーを脳波や「バイオリズム」を整合して選んでいた、なんていうことにも、
私たちは注意したほうがよいのかもしれない。
こういった技術の背景について、私たちは十分な知識を持たず、どのように倫理的評価をしたらよいのかもわからない。きちんとした
報告がなされないままでいることから、将来的にどのような影響があるのかもわからない。政府が防衛の観点から、兵器の性能の程度を
隠し続けることに固執するならば、市民が兵器の配備に反対する権利を剥奪していることになる。
もっと恐ろしいことに、政府は市民を、民主主義や人権とは正反対の意向を持つ、
無慈悲な機関による兵器の乱用にさらしたままにしている。
イギリスに目を戻して
一方、
戻ってイギリスでは、オックスフォード大学認知神経科学センター長で医療研究議会の最高幹部でもある、コリン・ブラケモア教授が、
筆者宛てに次のような手紙をよこした。「神経を走査し、遠隔的に神経データを収集する技術は(神経科学者の大胆な推測すら)
全く聞いたことがない」(ブラケモア、2003)。このような確信的態度は、ロシアやアメリカの科学者たちとははっきり異なっている。
ましてや、すでに引用した、フランス国家生命倫理委員会のフランス人神経学者、ジャン・ピエール・シャンジョが述べた危惧とは大違いだ(9ページ参照)。
カナダのオンタリオ州スドブリにある、ローレンチアン大学神経行動科学研究所の、マイケル・パージンガー博士の
手記とも大きく食い違っている。彼は論文「電磁誘導アルゴリズムにより全ての人間の脳に直接アクセスする可能性」(1995)の中で、
人間の脳の個人差は克服され得ることを解説し、従来の感覚様式による媒体の代わりに、大気中に基本アルゴリズムの電磁誘導を発生させる
ことによって、地球上に住む約60億人の人間の大部分を感化する技術の可能性を結論づけた。パージンガー博士の仕事は
ジョン・チラー大尉により引用され、アメリカ空軍および航空宇宙計画の人間の神経系をラジオ受信機に模擬する仕事に使われた(1990)。
ごく最近、BBC週間ラジオ文化評論の主要部に、ゲストの一人として、高名な天体物理学者で王立天文学者のマーティン・リーズ卿が
むかえられた。マーティン卿は、最近、「われらの最終世紀」という本を出版し、冷静かつ理性的な審理のもと、近い将来
バイオテクノロジーやバイオテロリズムによって、おそらくは「第三世界国家」に属する、何百万人もの人々が、
「過失または悪意の散布」により一掃される五分五分の見込みがあると結論した。この惨害は、アメリカを本拠地とする小グループや
、カルトによってもたらされるかもしれないのだという。「適切な科学技術備えたごく少数の人間が絶対的惨事を引き起こす。」
彼はまた、今世紀には、人間の気質は現在の日常的なものとは変わってしまうと述べている。それゆえ、全ての人々が脳にインプラントを
されてしまうという可能性すら、真剣に疑わなければならないだろう。
このプログラムには、シェークスピアに関わる二人のゲストが参加した。一人は演出家、もう一人はシェークスピアの批評家だった。 ゲストの残り一人は、「スパイクド」というホームページを開いている若い女性だった。ウエブサイトの現在のテーマは「パニックアタック」、 それはつまり、混乱をうちのめすことである。マーティン卿を悲観主義と感じたこの女性ゲストは、彼の考えは根底から真実を蝕むものであり、 パニックの原因になるとして旺盛に抗議した。この反応は、恐怖や不安に対処するための典型的な表れ方にみえる。またこれは、 マーティン・リーズ卿のような学会の卓越者でさえ、人々を聞きたがっていないことについて警鐘するのは困難なことを証明している。 この高揚した反応は、司会者による朝の討論番組最後の結び文句でいちだんと強化された。「我々には道徳がある!パニック減らし、 もっとシェークスピアのように!」
新たな未開主義
読心装置にアクセスすることにより、オペレータは他人のアイデアを知ることが可能になることから、私たちは誰彼ものアイデアが
つかみとり放題になっているという、新しい世界秩序にたいし身構えなければならない。人々の心の中身があれこれ詮索され、
掬い上げられて、あたかもガレージセールのように陳列されることに違いない。それゆえ、法律家には、知的所有に関する法律を
深い思慮を持って鑑み、あらゆるレベルの真正性は放棄しなければならないと、しっかり忠告する必要がある。自分たちの仕事が
他人の口から発表される光景に慣れ親しんでおくこと必要だ。大規模な詐欺が横行し、あなたから盗んだアイデアを
我が物顔で自慢するだろう。認知の自由と倫理センター副所長による、「人間精神増強」という用語が裏口から滑り込んできた。
それは、マインドレイプや強奪といった、科学技術による精神的抑圧によって行われる。コカインに代え、もしくは併用して、
‘精神増強化’パフォーマンスがテレビで‘生放送’されることもあるだろう。
神経精神医学や脳地図作成というfMRIを使った新科学の勇躍が間近になっている。fMRIスキャナ、
-「科学者が手にした画期的な玩具」-「愛の証」と「罪の証」(BBCラジオ4:全ては心の中に、2003年3月5日)。
行動が変わっていたり奇妙だったりする人を見つけたとき、誰しもが、脳スキャナを注文できる日がすぐにやってくる。
生活の変転により、私たち医師の手が診断評価に煩わされる必要もなくなる。最近BBCレイス講義に出演している、
カリフォルニア州サンディエゴ、ラ・オヤ研究所の著名な神経科学者、ラマチャンドラン教授は、脳が行うことのできる魅力的な
数多くの事柄を私たちに実証してくれた。彼は人格失調について話し、頭の怪我により脳に傷害を受けた一部の患者が、
自分たちの母親を認識することができないことを実演した。もう死んでしまっていると思いこんでいる者もいた。これらの人は、
確かに脳に損傷を負っていた。この自称「キャンディーショップの中の子供」は、何の困難もなく驚くべき飛躍をやってのけ、
全ての統合失調病者は脳の右半球に損傷があり、(病理的な)幻想と現実の区別ができなくなる結果を生んでいることを
証明してやろうと言った。ラマチャンドラン教授は、統合失調病を病識の欠如もしくは失認証と同じ脈絡で説明している。
それなら、頭に怪我を負っている人たちが、その怪我自体を認識しているのかいないのかということを、
ぜひともはっきりさせてもらいたいものだ。また、患者が自分の脳に損傷があることを知ることが、
いったい、現実をよりよく認識し気分が改善することにつながるのか。診断を受け取った患者は喜ぶだろうか。
頭部に怪我のある患者が怪我のことを認識していないと、精神分析医-もしくは精神科医-が長年感じ続けていた
とでもいうつもり?看過しつづけていた大発見?相当な数の患者が回復したと感じているのは、私たちの妄想なの?
全くもって嘆かわしいことに、統合失調病を理解しようと職業的に専心する神経科学者までもが、
「CIAが脳に装置を埋め込んで思考や行動を支配しているとか、エイリアンに操られていると信じ込んでいる人たちがいるんです」と、
患者のことを聴衆をリラックスさせるための冗談のネタとして使っている(レイス講義、No.5、2003年)。
これは新しい具体化の欲求だ。意味の探求が確かな物的証拠の
必要性にとってかわっている。目に見えてきっかり割り切れるものしか有効とみなしていない。
心の医者が外科医に変身した、「グレープフルーツ大の塊が見つかりましたよ!」
恐怖に直面すること、神秘への畏怖。
フロイトは、神秘的現象の探求が、ここ百年間の心の研究の主要な方向になると信じていたようだ。神秘への畏怖は、
長い間人類の心の中に存在していた。悪魔の目、生霊、憑依などは文学の馴染み深いテーマである。なかでも、
ジョゼフ・コンラッドの「秘密の共有者」、モーパッサンの短編「オルラ」は有名である。フロイトの神秘現象の分析は、
彼自身を古いアニミズム的宇宙観へと引き戻した。「・・・あたかも我々は、ひとりひとり、原始人類のアミニズム段階に
対応する個人発達段階を経験してきたようだ。その段階が過ぎ去った後も、全ての人は、心の中に何らかの名残や痕跡を保有し、
それは具現化する力を持ち続ける。‘神秘’を想起する全てのものは、私たちの中のこういった、アニミズム的精神活動の残余に
共鳴を起こし、あらわな形に表現される。」(フロイト:1919.362ページ)
誕生の分離、子供のころの‘闇夜のおばけ’に対する恐怖もまた、各人すべての心の中に痕跡を残している。文明的養育の全過程の基礎をなす、
人間の孤独な宿命、心の中ではひとりきりという疑われようのなかった個人個人の経験が、いまや頭上から襲撃されている。成長することと
孤独を受容することはなかば同義であることから、その苦痛を和らげようとする努力は、他人を思いやり守ることの源泉となる。
月並みな人間の優しさという、たぐいまれな善い性質の母体であり、偉大な芸術を伝承する力の核心でもある。たとえ私たちは、皆、
ひとりで生き、死んでいかなければならないのだとしても、優しさのもと、少なくともこういった知識を分かち合い、孤独な状態を
埋め合わせることができる。大きな喪失や心的崩壊のとき、人間の孤独性はあからさまになる。社会や集団を構築する最大の意義は、
すべての人の心の奥底にある病的な不安を和らげる役割をすることだ。恐怖を刺激するのは、極めてよい条件にあるときに限られる。
おそらくダイヤルを回すなどの手段による、計画的かつ技術的な他人の精神への侵入は、人類の精神発達の歴史や文明化を抹殺する
記念碑的野蛮行為だ。単なる人権への暴虐行為ではない、すべての意味の破壊である。目に見えない精神強姦者と生活するという、
地獄へと無理やりつき落とされた人にとって、正気を保つための努力は、受容できる忍耐をはるかに超えている。一般的な心の想像力では、
その恐怖は理解することができない。せいぜい、ナチスドイツの集中キャンプにおける実験との比較を試みるくらいだ。衛星通信を使って
社会破壊のために指示を送り、私生活ではジャガーやベンツを運転しオペラを観劇している人の権限によって、
私たちは系統的コントロールにさらされようとしている。
これは、本質的な侮辱であり生命の剥奪である。このような恐怖により精神を不能にされる不安から、怒りをあらわにする人がいる。
無意識に想起する、敵の脅威を去勢し破壊することに、彼らの全ての力が費やされる。心の世紀末の中では、暴漢の姿が、
あたかもオペラ舞台の深部から湧き上がってくる。そして、この幻灯劇は世界規模で演じられている。怒りきった人々が、
‘心理文明化された世界秩序’が構築されていると信じ込んだとしても無理はない。心に傷を受けた子どもの研究した人ならば、
荒廃した育児室の虐待被害児・加害児らが、感情同化能力に恵まれずに、無意識に過去のわいせつ行為を再演してしまうという話に、
いっそう共感をもつことだろう。他人は、あたかもばらばらに分解できるロボットのおもちゃ、淫らに汚すためだけのバービー人形となり、
映画スクリーンについているしみと同様の、彼らの人間性にとって無意味な存在となる。
心への強制的侵入は原義上わいせつ行為だが、精神侵略を受けた人々が説明する影響は、簡単に見積もっても、実験の性質がいかに
異常なものであるかを理解できる。外部作用だと本人が容易に識別できる肉体からの不気味なノイズの発生、開口部からの自転車ポンプを
使うような空気の出入り。攻撃メニューは徐々に追加される。目・鼻・唇のけいれんや痛み、奇妙なひきつり、頭痛、耳鳴り、喉のつかえ、
胃や膀胱の圧迫による失禁、指・足への刺痛、心臓や呼吸の圧迫、眩暈、白内障を起こす目の異常、目のうみ、鼻水、心拍の増加、
心臓や胸内の圧力上昇、気管支炎や肺の劣化につながる呼吸や胸の異常、はげしい偏頭痛、恐怖衝動を伴う深夜の突然の目覚め、
不眠症、プライバシーの喪失による耐えがたい重度のストレス。ここに羅列した徴候が、一団となって医療従事者の診断に挑みかかる。
さらに深刻なことに、以上にあげた効果がノン・リーサル(非致傷)として分類されるとしても、心臓停止、脳の損傷、麻痺、盲目化、
レーザーによる視力の喪失、呼吸リズムに関する脳波の変化による窒息、てんかん発作など、超高周音波や超低周音波攻撃には致命傷を
起こす能力さえある。これら全てもしくはそれ以上が、開発者たちによりすでに利用できるかもしれない。実際の使用法を選んでいる、
携帯電話のような小型兵器を持った密偵が、レストランのワインボトルの陰にあるテーブルや、
スイミングプールの脇に座っているかもしれない。
最後に、マインドコントロールの新たな歴史の始まりにおける被害者たちへ、もし、虐待の証明がまだできていないのなら、
技術発展に関するあらゆる入手可能な情報に目を通すことを強く勧める。そうすれば、いくらはぐらかそうとしても、
訴えを否定することはできない。
効果の実体が世の中に浸透するまで待っていては手遅れになる。
大
量破壊兵器の存在について混乱があり明確ではない現在の状況では、たとえ問題の真相がどうであれ、ありかが特定できないと結論しては
単なる自己満足になってしまう。いきすぎた日夜の監視活動を偏執病によるものだと結論しては、蔓延する凶悪な力に加担してしまうことになる。
これ以外の大量破壊兵器が、民家からさほど遠くないところで開発されていることも十分に考えられる。所在の特定がいっそう困難で、
見えないところで開発され、妨げられず、社会の真ん中で見過ごされ、人々を兵器の実験台にしている。使われている対人手段は、
ESPのように従来の探知器では発見できない。最高レベルの安全認可をもつ科学者しか知らない物理学の一部が、波信号の伝達に
利用されていると推定される。被害者たちの証言を無視することは、新しい破壊手段の脅威にたいして自由の守り手が危機を高めるはずの、
唯一の証拠を否定することになり、壊滅的結果をもたらしかねない。テログループと政府を両腕で操るこの邪悪な隠れた力は、
被害者にたいする職業的侮蔑や大衆の無知に大いなる感謝をしていることだろう。
☆著作権は著者に帰属します : Copyright-The Author
原文(Original paper)
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