谷脇前総務審議官が定年直前に慌てて“トンズラ辞職”した理由

日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年3月17日 14時20分

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退職金は支払い留保(突如辞任した谷脇康彦前総務審議官)/(C)日刊ゲンダイ

 総務省の接待問題で、前総務審議官の谷脇康彦氏が16日、衆院予算委員会が始まる直前に突然、辞任した。

 武田総務相は朝の閣議後会見で、谷脇氏を同日付で停職3カ月の懲戒処分にし、辞職願を受理したと説明したが、あまりに不自然だ。

 総務審議官から更迭され、大臣官房付になった谷脇氏は、もともと今月末で定年退職を迎える予定だった。なぜ2週間が待てなかったのか。

 しかも、一連の接待が行政に与えた影響を調べるため、外部の専門家で構成する「情報通信行政検証委員会」は17日が初会合である。なぜ本格調査より先に処分内容を決めるのか。

 武田大臣は、谷脇氏の同意を得て退職金の支払いをしばらく留保すると明言。調査で新たに懲戒処分に相当する事実が判明する恐れがあり、最終的な支払額は処分の全容が判明してから決めるという。なおさら、いま退職させる必要はない。

 予算委に顔を出さずに済むよう急いで辞めさせたとしか思えないのだ。

■“谷脇隠し”の裏にNHK?

 実際、16日加藤官房長官は「明らかに民間の方になったということであり、そうしたことを前提に国会でお決めになる」と言い、今後の谷脇氏の国会招致に否定的だ。突然の“谷脇隠し”の理由は何なのか。

「16日の予算委で日本維新の会の足立康史議員が、NHKによる接待について質問したことと関係するという臆測が流れています。実は、内部調査で谷脇氏は東北新社とNTT以外の事業者とも会食したと話しているそうです。もしNHKからも接待を受けていたら、大騒ぎになる。接待の原資は受信料ですから、不払い運動が起こりかねません。18日に衆院総務委員会でNHKの来年度予算案が審議入りし、来週には採決予定です。このタイミングだと、混乱を避ける狙いがあるのかもしれません」(総務省関係者)

 足立氏の質問に、総務省の原邦彰官房長は「NHKについては現在のところルールに沿っていない会食は判明していない」と答弁したが、本当か。総務委は予算審議の前にNHK役員の会食記録を提出させた方がいいんじゃないか。

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