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『進撃の巨人』人気No.1、エルヴィン団長が魅力的な理由

信念を上書きする

 人間関係に根ざした「だから自分はこれをやるんだ」という信念論が人間には必要です。この信念論のパターンを覚えるほど、自分の信念を自覚して、行動力や忍耐力が高まります。  エルヴィンとリヴァイの関係は、何度も共に死線をくぐった「戦友同士」であり、調査兵団という組織の「リーダーとフォロワー」です。リヴァイは先に死んでいった仲間たちを代弁して、リーダーとしての振る舞いをエルヴィンに求めています。だからこそ、エルヴィンは心を揺さぶられたのです。  人間の感情と思考の大部分は、人間関係から生まれます。そして、その感情と思考に基づいて、発言や行動が変化します。「秘密が隠されている地下室を諦めて、巨人を引きつける囮り役になる」という行動も、父親との関係ではなく、仲間との関係を選んだ結果です。  エルヴィンは父親について、「自分が密告したせいで殺された」と考えています。また、戦死した兵士たちについても、「仲間を騙し、自分を騙し、築き上げた屍の山の上に私は立っている」と考えています。どちらも因縁深い相手であるため、その選択はエルヴィンに葛藤をもたらし、その葛藤が物語をドラマティックにしています。  地下室に向かう選択は、「全滅覚悟で自分が知りたかった真相を知る」という利己的な選択です。一方、囮りになる選択は、「死者から託された想いを受け継ぎ、自分も死ぬことでその想いを次の生者に託す」という利他的な選択です。エルヴィンは自分で悩んだ末に、リヴァイに背中を押されて利他を選びます。最初から利他を選ぶ聖人君子ではなく、葛藤して選ぶ人間味があるからこそ、エルヴィンというキャラクターは魅力的なのです。 佐々木コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

人生を変えるマインドレコーディング

人はなぜ続けることができないのか? 続けるには「信念」が必要だ!

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