YASUHIRO の 独り言
山と医療の本音トーク
3月16日(火)
乗鞍岳で雪崩が発生して巻き込まれた登山者が一名亡くなった、表層雪崩だった。先日の大日岳でも表層雪崩跡をいくつも確認していてあんなのに巻き込まれたらひとたまりもないなとハラハラしながら登高を続けた。
自分がこれまで経験した一番怖かった雪崩は2月の焼山であった。広大な北面台地を焼山を眺めながら歩いていたところいきなり焼山の中腹から雪崩が発生して猛烈な雪煙を巻き上げてこちらに落ちてきた。ヤバいとっさに判断して逃げようとしたが間に合うはずもなく絶体絶命だと思った瞬間、雪崩は自分たちを避けて流れてくれた。ちょうど運良く自分たちの前にあった深い賽の河原で雪崩の方向が変わったのであった。助かった。あんなのを見せられてもう登山は中止、すぐに逃げ帰った。日本では滅多に見ることはできないここはヒマラヤかと思うような雪崩であった。
逃げながらも慌ててシャッターを切った、最期の一枚になる可能性もあった。賽の河原で方向が変わりこちらに来なかった
3月15日(月)
別山は標高こそ白山より低いが山スキーの難易度は高い、この時期の御舎利山の下斜面は強風の影響でいつもカチカチで登りも下りもかなり技術を要する。ここで転滑落すれば谷底までボブスレーとなる。昨日の別山も強風とカチカチに泣いた。しかしこの山から眺める白山の展望は素晴らしい、よく剱岳は赤谷山からの眺めが素晴らしいと言われるが、白山を見るならここしかないだろう。
おまけに別山は白山と違いブナの癒しの森がある。この森の滑走は最高に楽しい、おまけに登りも下りもチブリ尾根の北面を利用するので太陽の影響を受けにくくて昨日は帰路もずっと新雪は生きていて楽しい滑走を楽しめた。昨日はスタート時点では雨だったが次第に雨は上がり星空も見えるようになった。チブリ尾根に取り付いてから快晴そのもので素晴らしい景色を堪能できた。山は行かないで後悔するより、雨でも行って後悔したほうが良い。
山は降雪直後に限る
3月14日(日)
今日は直前まで天気が読めなかった。23時自宅から窓の外を見ると雨が上がっている、これは行くしかない。久しぶりに単独で別山へパウダー狙いに行くことにした。念の為チャリも積んでいく。白峰に近づくに連れ雨が激しくなってきた。単独、深夜、雨とDNSの要素は十分揃っているが雨雲レーダーを見ると2時頃には雨雲が抜けそう、ゲート前で少し仮眠をした。
起きて2時過ぎ、夢の中で仲間たちがチャリで次々に山に向かうじゃないですか、まだ雨が降っているが夢に元気をもらい小雨の中スタートした。除雪はすでに始まっているようだ。果たしてどこまで行けるか?ゲートから4km走れてとてもお得だった。市ノ瀬まで残り7km歩くだけだった。もう白山もご近所さんになった。
市ノ瀬からチブリ尾根の登山口へ、雪はたっぷりだ。しかし登山口からは入らず更に先へと林道を進み曲池へ真っすぐ登りあげるのが効率的だろう。市ノ瀬から3kmちょい林道を進んで斜面に取り付き曲池を目指す。雪は豊富でどこでも歩ける。癒しのブナ林をガシガシ登る。対岸は朝日に照らされた樹氷がきれいだった。曲池付近から見る白山はスンバらしかった。すでに雨は完全に上がっていて快晴の青空になっていた。今日も来て良かった。山は来なきゃわからない。
外界の雨は山では雪で帰りはパウダーが楽しめそうである。曲池から稜線は少し急だが難なく登り上げて樹氷地帯へ、さらにチブリ避難小屋の下を巻くようにトラバースして高度を上げる。左手には白山、右手に別山がドン、贅沢な眺めである。しかし稜線には雪煙が、風は強そうである。御舎利山の下斜面はいつもながらのカチカチ急斜面、転けたら下までボブスレーだ。慎重にクトーを利かして御舎利山に出ると猛烈な風、マジですか、御舎利山から別山まで試練であった。
ようやく別山山頂、視界は良好だが風は強くて難儀した。すぐに風を避けれる場所まで降りシールを剥げばもう大丈夫、御舎利まで少し登り返してここからガチガチ急斜面、心臓に悪かった。転けたらどこまでも落ちていく怖い斜面である。別山は白山以上に厳しいと言われる由縁である。カチカチ斜面をこなせばパウダー帯、今日は頑張ってラッセルして良かった。
また山は生き返って良かった。樹氷を楽しんでパウダー帯をこなせば癒しのブナ帯である。チブリ尾根はブナの宝庫なんです。快適に新雪フカフカ斜面を滑走してチブリ尾根登山口まで降りた。後は長い長い林道を試練の歩き、チャリが見えた時はとても得した気分だった。
チャリに跨がれば白峰まで直ぐであった。今日は誰にも合わない完全貸切の山行であった。白山はもう本当に近くなった。
白山ドン
別山ドン
毎日が完全燃焼できる日々を過ごしたい、人生は長いようで短い