思い出す写真一枚春夕焼

野の花こう(10才)

海辺での家族の写真春夕焼

野の花なお(8才)

春夕焼明日は学校行けるかな

宮武濱女

春の夕焼け宇宙は一度終わる

山田青京

たれか見る地球最後の春夕焼

虎穴虎児

春の夕焼地球の角のまるみかな

野地垂木

春夕焼寝姿の佳き秋津島

野々原ラピ

春夕焼”海軍カレー”を周防灘

まりい@木ノ芽

春夕焼見えたら歌いましょう/役員

胡麻栞

冥府より見遣る春の夕焼かな

蒼

春夕焼帰り道は向かい風

五十雀

春茜勤行に行く高野山

公毅

剣岳今燃え尽きぬ春夕焼

雑魚寝

我が家は嬶天下や春茜

上津　力

耳遠き義母の笑顔や春夕焼

森初音

春の夕焼や甥っ子の食道発声

ふぇるま

鳶一羽遮るもの無く春の夕焼

楕円

妻の「もう一升」コンビニへ春の夕焼け

殿さまペンギン

春夕焼お揚げを買いにコンビニへ

瞳

菜箸ににゅうめん滑る春夕焼け

渡辺桃白

春の夕焼けは懺悔の極み

銅鑼の音

嬰児のしとの掛かりて春夕焼

猫渓

螺子緩み時は溶けたり春の夕焼

田中一升

春夕焼水しかしらぬ深海魚

三浦にゃじろう

春の夕焼けウーパルーパーの居た桶

那真呼

春夕焼夫婦の岩の緋の綱

２８ひろきち

春夕焼け卵かろかろ溶く箸に

絵十

翼傾け風にのる鳶春夕焼

貝花

春夕焼眞正面の顔の君

閑茶

瀬戸内の海恍惚と春夕焼

季凛

わたしには帰る家あり春夕焼

輝　龍明

しみじみと褪せた寄せ書き春夕焼

輝棒

吾子と会ふ買物帰り春夕焼

月城花風

欄干の「寅さんロケ地」春夕焼

月青草青

長靴の大きな穴や春の夕焼け

犬井山羊

春夕焼叱られてゐる三輪車

紺乃ひつじ

春茜郎女ひとり機を織る

砂山恵子@郎女（いらつめ）

社会人になりたくないな春夕焼

糸川ラッコ

春夕焼ライダー仲間の寄せ書き

紫檀豆蔵

ゆつくりと落つる点滴春夕焼

小鞠

春夕焼すぐに見飽きる若さかな

小野睦

けん玉を競う境内春夕焼け

湘輝

春夕焼け靴下に書く母の名や

知無須園

これが吾の鐘の音色や春夕焼

竹村マイ@蚊帳のなか

春夕焼素直に暮るる日本海

津軽ちゃう

春夕焼「泣けば海から蒙古来る」

津軽まつ

春夕焼卓袱台狭き子沢山

津軽わさお

春夕焼メトロノームのテンポかな

天陽ゆう

「産まれた」と車中のメール春夕焼

南風紫蘭＠木ノ芽

春の夕焼君の温度の涙

二重格子

ドボルザーク満つ町春の夕焼

百音

大吟醸ころころ舌を春夕焼

風峰

春夕焼西方浄土の零れ火よ

堀雅一

おさがりの服に染みあり春夕焼

木村ひむか

いつの間に一人遊びを春夕焼

老人日記

春夕焼今日は唐揚げうれしいな

ひろ太郎12才

はるゆやけばあちゃんのりょうりめちゃくちゃすごい

まりな(6歳)

春の夕焼けの中の二軍キャンプ

⑦パパ＠いつき組広ブロ俳句部

からっぽの弁当箱や春夕焼

8の月

春夕焼帰り待ちたる母の影

99カリン

振り返る春の夕焼沖に船

A Cup of Tea

稜線に春の夕焼けグラデーション

aya

春夕焼ビルの谷間のCub２台

Benじい

ゆく道の違いし君と春あかね

haruwo

自画像を描く春夕焼の光

hikoboshi

軍艦旗降ろす時待つ春夕焼

HNKAGA

対岸のおかえり"は春の夕焼け"

kao

中三の春の夕焼じゃあまたね

Karino

春夕焼杉玉吊るす白壁を

KAZUピー

待ちぼうけ疲れた顔や春の夕焼

KII

春夕焼け親子手繋ぎ帰り道

KKK

春夕焼銭湯あったこの街に

Nakahara結月

春夕焼学童の帰るランドセル

PON

今度こそと逆上がりの蹴る春夕やけ

TAKO焼子

春夕焼け天使は居ると言い聞かす

yoko

母ちゃんと呼ぶ断末魔春夕焼

あーすススメ

春茜肌染むときの短くて

アヴィス

川面に春の夕焼け癒す帰路

アオキシゲル

スニーカー春の夕焼履き眺め

アオハル

川沿いを定時発車の春夕焼

あきののかなた

春夕焼術後の傷に泡柔く

あきみ

紙飛行機春の夕焼へ向けてとぶ

あけみ

嗚呼今日も無事に終わつて春夕焼

あさぎいろ

今日もまた富士山を背に春夕焼

あさぎ以呂波

野点にてゆるりと春の夕焼よ

あさひ

橙のスペクタクルや春夕焼け

あさぼらけ

わたくしを故郷に連れてく春の夕焼

あさり

春夕焼け二人三人吸い込まれ

あじさい涼音

クラス分けひとりぼっちの春夕焼け

あじょあ

春夕焼こころに巣喰う鬼ばかり

アストロ@夏銀河

春夕焼バニラアイスと掬いたり

あとりとまひわ

春夕焼け擦り傷いたむ膝小僧

あべべ

頬杖と春の夕焼額の中

アマリリスと夢

炊きたてご飯シャケも焼けた春の夕焼

あみだじじい

菓子選びする送別の春夕焼

アラタハルタ

春夕焼睡蓮鉢の水は青

あらら

曼荼羅をかけた壁にも春夕焼

あんず

玻璃の赤次第に消ゆる春夕焼

あんちゃん

負うた児の重み増す春夕焼け

いかすみ

被災時に生まれし医師来春夕焼

いくらちゃん

望遠鏡立てる春の夕焼けに

いく葉

ビー玉の重たいぽつけ春夕焼け

いごぼうら

津軽より南部を覗く春夕焼

いさご眠人

この涙欠伸のせいと春夕焼

いたまきし

春夕焼神話の舞台粧えり

いつか

春夕焼リフトの工夫包みこむ

いと茶

三輪山の浮かんでいる春夕焼

いなほせどり

ランドセル放り鉄棒春夕焼

いまいち

恋ふ春の夕焼色を変えにけり

ヴィッカリー趣乃

告別の春の夕焼窓に満つ

うしうし

新しき友に手を振り春夕焼

うすけ

渡し場に春の茜の溜まりをり

うたた

人形町揚げたてコロッケ春夕焼

うに子

銀嶺のはかなく浮きて春夕焼

うはのそら

自転車に初めて乗れた春夕焼

うま子

あの人は名前で呼んで春夕焼

うみ

春夕焼タレルの窓の中にあり

うみのひつじ

自転車の親子を包む春夕焼

うらら恵子

肩で息１０キロ走り春夕焼け

えいぎょ

山ぎはは春の夕焼となりにけり

エイシェン

雲梯や挑む子の背に春夕焼

オアズマン

天守から興居島霞む春の夕焼

オイラー

円空の荒き鑿跡春夕焼

おかか丸

眼痛に闇への恐怖春夕焼

おぐら徳

おふくろの生涯浮かべ春夕焼

おけら

蹴った缶置いてきぼりの春夕焼

おこそとの

名も知らぬをんなとをとこ春夕焼け

おさむ

肩車煙草の匂い春夕焼け

おたまじゃくし

春夕焼あんこときなこ半分こ

おちゃうけ

園庭に春の夕焼け母と子と

オリゼ

波際のサーファーの肩春夕焼け

お漬物

ねんころろ土笛優し春夕焼け

かいぐりかいぐり

タワマンの老の憂いや春夕焼け

カオス

菩提寺の晩鐘つつむ春夕焼

かこ

100点の花まる駆け来春夕焼

かざばな

春の夕焼松山城のほんのりと

かずポン

男子寮なにか植えたい春夕焼

かたちゃん＠いつき組広ブロ俳句部

ポケットに春の夕焼け溜まりけり

カタツムリ

公園の土管で決闘(デュエル)春夕焼

かたな

じやんけん遊びしながら帰る春夕焼

かつたび

春夕焼スパゲティー屋で初バイト

カヅラ梅

言の葉のあふれ出す子ら春の夕焼

かとの巳

夕焼けの陽射しのぬくもり息をつく

かなこ

街灯が春の夕焼け待たずつく

かなた小秋

スカーフへ春の夕焼沈めたる

かぬまっこ

恋ふひとのありて遙けき春夕焼

かまど猫

春夕焼一人座って母を待つ

カワウソ（み）

どこぞより煙草の匂ひ春夕焼

キートスばんじょうし

仕事終え春の夕焼け浴びながら

キーヨ

春夕焼記念切手で出す手紙

キイロイトリ

隅田川春の夕焼け染まりけり

きく丸

船泊春の夕焼たゆたゆと

ギコ

天国の吾子見てますか春夕焼

きさらぎ

子にかえり母の微笑む春夕焼

きっちゃん

農道を突っ切る先の春夕焼

きなこもち

授かりしは女の子なり春夕焼

きのと

玄関に春夕焼けを連れ帰り

キミネコちゃん

児の影のまた伸びにけり春夕焼

キャサリンまさこ

海辺まで春の夕焼け浴びにいこ

キョンちゃん

篠笛の異国の古謡春夕焼

キングofド凡人

春夕焼さとう醤油でもちを食ぶ

きんつば羊羹

若かった一つの影消す春の夕焼

クウシンサイ

補習終わり春の夕焼け観る

くさめのくさめの狐火の夕焼け

春夕焼繋いだはずの手の遠く

くじら仙人

春夕焼け時短営業うしろ髪

くすり

消防の検閲終える春夕焼

くめ仙人

春の夕焼ボールをせがむ黒き犬

ぐりえぶらん

春の夕焼新しい仕事今日より前へ

ぐりぐら京子

春夕焼庭で啄む雀かな

くりすけ

春夕焼けかんかん蹴って分かれ道

くろべぇ

オカリナはまだ練習中春夕焼

クロまま

守れない約束をした春の夕焼

ぐわ

出し忘るはがき一葉春夕焼け

けいママ

ローカル線春の夕焼け引き連れて

けろよん

片恋や春の夕焼けツンとくる

こいぬ

苦も楽も春の夕焼け境なき

ゴールデン文子

春夕焼もう何度目のすべり台

コキア

缶けりの缶けりあげし春夕焼

こもれび

服着替へ口笛吹きて春夕焼

コンドウ　チヒロ

春夕焼天使の竪琴調律中

さかもと眞紅

春夕焼高速バスのクラクション

さくみ

啄木の砂の落ちゆく春夕焼

さくやこのはな

海馬の尾追う老いた背や春夕焼

ささきなお

夭夭と水匂ひ立つ春夕焼

さだとみゆみこ

春の夕焼け道草ひとつ帰宅中

さとうくにお

焼鳥と春の夕焼カゴに入れ

さとう菓子

獄の窓あと幾年か春夕焼

さとし

春夕焼補助輪外れ少年に

さぶり

春の夕焼け影二つ跳ね家路

さんさん珊瑚

蝋燭のつらつら溶けて春夕焼

さ青

春夕焼飛機が描きたる曲線美

しーたん

村営バス橋渡り来る春夕焼

しー子

野球終え春の夕焼け子らを追う

しげとし

大漁旗掲げる背へ春夕焼

しげる

愛猫の消ゆる息の緒春夕焼

シニアモモ

春の夕焼け亡き吾子偲ぶプラシャベル

しもさん

春夕焼隠したしっぽ動き出す

しゅうふう

露地石に映り揺らめく春夕焼

シュルツ

春夕焼調子外れの五時の曲

じょいふるとしちゃん

ワヤン始まり春の夕焼となる

シラクサ@ワヤンは影絵です。夕焼けのころ屋外ではじまります。

筑波山むらさき深く春夕焼

シルバーメダカ

釣り人のウキ煌めいて春夕焼け

ず☆我夢＠木ノ芽

故郷に遠き終の地春夕焼

すえよし

竹樋を落つる水にも春夕焼

スマイリー正子

春夕焼砂場の吾子もかがやけり

スマホ優

平成二十四年父の最後の春夕焼

すみっこ忘牛

早退し春の夕焼見つけけり

すんたろ

春の夕焼けの香残る部屋を発つ

セイイエス井上

春夕焼もやい結びの滴染め

せいしゅう

逃げ落ちる春の夕焼捕らえたし

セイスケ

しり取り続く春夕焼の親子

せいち

誘いし灯台山に春夕焼

せーたん

君の住む海辺の街の春夕焼

せつこ

春の夕焼け盆地の底に潜む闇

せっちやん

春夕焼けカメラに詰めて靴軽し

せり花

二上山春の夕焼けシルエット

せんべい

ジャングルジムくつ残されし春夕焼

そうま純香

春夕焼もう少しだけ少しだけ

そまり

急ぎ足飛ばして階段春の夕焼

それぞれのしあわせ

皆勤賞だけが取り柄で春夕焼

ぞんぬ

春の夕焼出師表の筆置く

たーちゃん

春夕焼だれに繋がる赤い糸

ダイアナ

難問を解き終えたるや　春夕焼

だいだい

春夕焼一面のオレンジジェラート

たかこ姫

定植終わり腰伸ばし春夕焼

たぐぐさ

春夕焼後姿の消えゆくか

たけし

春夕焼明日は良き日と願いおり

だけわらび

居る人の居ない窓辺の春夕焼

たこぼうず

春夕焼エンドロールを鳥立ちぬ

たつき

窓からの春の夕焼け新職場

タック

万華鏡くるくるくると春夕焼

たむらせつこ

春夕焼箍を回しつ行く家路

たん造

一人旅春の夕焼見る車窓

ちか丸

白墨のアンパンマンの絵春夕焼

ちばくん

けん玉に春の夕焼乗せてみる

ちびつぶぶどう

電車通るシャッター押す夕焼け

ちゃな

春夕焼崩れゆくまま地蔵石

つき あかり

ほったらかしたクレヨン探す春夕焼

つづきののんき

ポストへの坂道下る春夕焼

つつ井つつ

警備終へ背を伸ばすや春夕焼

つつ井つつ夫

ハイヒール春の夕焼けを翻す

ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

急ぎ足春の夕焼け子の迎え

つわきの嫁

ひろこちゃんのピアノの色は春の夕焼

ティアラ文緒

稽古着の一団春夕焼に消ゆ

てまり

行き摩りの黙の背に春夕焼

てるきち

春夕焼背中狭しと貼る湿布

でんきゅう

目は奪われど心躍らぬ春夕焼け

とうくろう

紙芝居春夕焼の昭和色

ときめき人

添書きにマッターホルンの春夕焼

ときわ露草

バス停をひとつ乗り越し春夕焼

とき坊

父のゐる春の夕焼忌日かな

としちゃんこうちゃん

住処より春夕焼の富麗かな

とし子

遮るる春の夕焼ビルの群れ

ともかわすてむ

仏壇に春の夕焼や遺影笑む

ともけん

群鴉春夕焼の風に舞ふ

とも子

春夕焼やモネ展の帰り道

とんぶりっこ

春の夕焼忘れませういやなこと

なかの花梨

街灯が春夕焼に会釈する

ナカムラロボ

しつけ取る春の夕焼明日の式

なきうさぎ

春夕焼明日は良い日になるでしょう

なつめモコ

春の夕焼トゥシューズ光る

ナナナナ

手をつなぎ春の夕焼帰り道

にいやのる

山山山気比の松原春夕焼

にたいも

雀たち春の夕焼け遊びをり

ニッシャン

振り向けば春の夕焼けあっかんべ

にゃんみー

ぽにょぽにょの母の二の腕春夕焼

ねぎみそ

春夕焼校舎の裏のヴァイオリン

ねこか花はっか

見送りの祖母が遠のく春夕焼

ねこごはん

祖父と「コロ」春の夕焼の三回忌

ネコ目

峡の空径ほの白く春夕焼

のぶ子

クジラの胃にプラゴミや春の夕焼け

のもとみな

綿あめとどちらが甘い春夕焼

のら

缶蹴りや飛んでった靴春の夕焼け

のりた

寂しきは春夕焼けと５時の鐘

のりぴー

春夕焼雲へ飛行機かくれんぼ

のりりん

ひとしおの春の夕焼けこの度は

のろのろ爺

すべり台国見の丘とす春夕焼

パーネ・メローネ

筆に水春の夕焼淡く紅

はいびす

頭痛薬ぼちぼち効いて春夕焼

はごろも

手洗い場パレットは春夕焼色

バスチー

産声す春の夕焼星生るる

はぜ尾

カーテンを海に引きたる春の夕焼

はち　えいと

春夕焼ゆっくり水蒸気放出

はっしー

春夕焼け見飽きて閉じる飛蚊症

はとり千倖

赦されて春夕焼の中にゐる

はな

春夕焼あすが恩師の一周忌

はなだんな

畦道に春の夕焼影一つ

はなちゃちゃ

ゆるゆると春の夕焼平家読む

ははろ

新しき名字に慣れぬ春夕焼け

ぱぷりかまめ

春夕焼列車は東から西へ

はまお

春夕焼今日からここが私ん家

はまのはの

春夕焼背負って下る生駒山

はらいそ

籠もりがちながら幸せ春夕焼

はら美華子

春夕焼じっと見つめる不発弾

ハルノ花柊

はる夕やけかんじならってにっきかく

ばんどうまーぴー

綿菓子の雲ねだる吾子春夕焼け

パンの横笛

春の夕焼けこのキャンパスに何描こう

ばんびぃむーん

春夕焼母の匂いの柔軟剤

ぴーち

神社より春の夕焼け二キロ海

ひーばあちゃま

白きシャッター春の夕焼け映すかな

ひすい

転勤の友と見てゐる春夕焼

ひだ岩魚

再配達指定でも留守春夕焼

ひなたか小春

春の夕焼けテニス部の帰り路

ひふみ嬢

試合果て春の夕焼けにイレブン

ヒマラヤで平謝り

ゆっくりと歩く吾の道春夕焼

ひめのつばき

遊歩道車椅子の背に春夕焼

ひよこ草

春の夕焼飲み屋街屋堂々めぐり

ひよとり

「らしいね」の意味がわからず春夕焼

ひよはるばば

春の夕焼けを野良猫の影絵に

ひろきち

春夕焼け姉と弟肩並べ

ヒロシ

友人とさよならのあと春の夕焼

ひろしげ13さい

春夕焼テニスは勝負つかぬまま

ひろ史

江の島と富士を包みて春夕焼

ひろ志

「ハレの日」はちらし寿司食む春夕焼

びんごおもて

デッドボールのあざの色春夕焼

ふあり光

たゆたうて薄暮の滲み春夕焼け

ふあんた

春夕焼とんぼで均す負けナイン

ブービー

春夕焼モリリン首相とひじタッチ

プコ＠カンガルーのしっぽの娘@ニュースで豪州首相の「モリソン」さんを「モリリン」と読み間違えました。

春夕焼なんと上手に一輪車

ふさこ

春夕焼チヨコレイトでゴールする

ふさ女

春夕焼フォーム確認してjog

ふじかず（み）

波ははーとの石文字を春夕焼

ふっこ

新品の鞄大きや春夕焼

ふとまき

解放のドアが額縁春夕焼

ペトロア

春夕焼け犬のうんちの温かさ

ぽいプー

マスク付け曇る眼鏡に春夕焼け

ほうすい

春夕焼隣の蟹にちょっと妬き

マキコ

隅々に春の夕焼深呼吸

まこ＠いつき組広ブロ俳句部

春夕焼舞妓のうなじ青白き

まこと

のぞみ号春の夕焼追い越して

まこと（羽生誠）

帰り道春の夕焼我が家かな

まつやま孝子

赴任地は東と西と春夕焼

まどん

びーだまに染まる紅いろ春夕焼

まにあ

君越しの春夕焼は遠過ぎて

マユミ

かくも貧しき六軒長屋春夕焼け

まるちゃん２３２３

街角を響くピアノや春夕焼

みー

春茜雲の動物たちの声

みえ

温顔の母とコーヒー春夕焼

みえこ

瀬戸内の春の夕焼け海映える

みかん

缶蹴りの缶のへこみに春夕焼

みずの風華

春夕焼今日は一品追加して

ミセウ愛

戦なき天守閣から春夕焼

みたせつよ

春夕焼岩肌なでるウルルかな

みちのこ@(ウルル)オーストラリア先住民アボロジニの聖地とされている、巨大な赤茶色一枚岩の名称。 別名エアーズロック

鳥発ちて声のみ残る春夕焼

みつき小夏

滑り込みアウトとなりて春夕焼

みどりがめ

色見本春夕焼の空と島

みどりくん

春夕焼いつもどおりの母の声

みどり川

暮れ染めて常世国(とこよのくに)の春夕焼

みなと

春夕焼凪も小舟も堂々と

みにとまあいこ

冷やこい手春夕焼けはまだ遠く

みのるに

制服もこれで最後の春夕焼

みほめろ＠いつき組広ブロ俳句部

影伸びてそれでも遊ぶ春夕焼

みやたひろみ

春夕焼左右の山に大の文字

ミユキ

ポリープの痛み残りつ春夕焼

みんみんみかん

小言もらひ小石けりすぎ春夕焼

み藻砂

我と影縄跳び揺れる春夕焼

ムーン大佐（み）

家事終へてカップの温もり春夕焼

むさかず

親と会ふ隔つガラスに春夕焼

むじーじ

芝の上飛びつくボールへ春夕焼

ムスカ大佐（み）

占うや春の夕焼下駄とばす

むべ

ぶかぶかのバッシュ春夕焼の中

むゆき

春夕焼け三人揃う夕支度

むらのたんぽぽ

「『新世界より』って曲よ」春の夕焼

むらぴ

春夕焼けに飛び込むような帰り道

めしめし

春夕焼田のせせらぎに歩が弛む

もせきのこ

半値かな移動販売春夕焼

もとき

ぼかし絵の春の夕焼け帰り道

もとこ

春の夕焼ピカピカの泥団子

もりたきみ

連続のトンネル七つ春夕焼

やこばあば

山際や淡き黄金の春夕焼け

やっせん坊

春夕焼散薬包むオブラート

ヤッチー

春の夕焼空五倍子色に遠き富士

やっちゃんち

春夕焼夫婦喧嘩のまま車中

ヤヒロ

落書きの土塀の続く春夕焼

やぶつばき

春夕焼乗っけて歩くランドセル

ヤマザキけんと（み）

今日よりも明日美しき春夕焼

やまな未

撮り鉄の背にひたひたと春夕焼

ヤマボー

窓越しの面会帰り春夕焼

やまやま

春夕焼け売り家有りの赤きビラ

やま猪口

雑巾刺すひいばばの手に春夕焼け

ヤモリ

鬱々と家に籠もるや春夕焼

ややま

石段を手つなぎ下りる春夕焼

ゆぃ

お師匠さんに褒められ春の夕焼けや

ゆうこB

だるいよな春の夕焼青春や

ゆーし

持ちかえる春夕焼の友の影

ゆうたろう

壁打ちのボール吸い込む春夕焼

ゆーや（み）

汽笛食み春の夕焼ひとりぼち

ゆー子さん

春夕焼さじですくうてみたき色

ゆかりん

起き抜けの春の夕焼け朝めく

ゆきを

教え子を送り出す背に春夕焼

ユク

辞書おもし海ぞいの坂春夕焼

ゆこげん

手鏡で君を見ている春夕焼

ゆみづき

春の夕焼けたこ焼きたんと食べたいな

ようこ

義母の手の固き冷たさ春夕焼

よしのはるか

春夕焼け灯りとなれし我が部屋は

よつ葉

納竿へ春の夕焼け有難し

よひら

赴任地の慣れぬ訛りよ春夕焼

ラーラ

一年過ぐ君の書斎に春夕焼

ラッタったら

頑な紐弛めるや春夕焼

リカ

シャンパンは天使の吐息春夕焼

りこ

リモートの授業終えるや春夕焼

リバティーさん

春夕焼これから帰る街へ染む

りんたろう

春夕焼調子外れの豆腐売り

ルイボス茶

すみれ色まざりきぬ春の夕焼

るびちゅ

薄れゆく春の夕焼け螺鈿ごと

るみ

おひさまの憂鬱溶けて春夕焼

るんやみ

ばらいろにはるのゆうやけみてたのしい

れい子

春の夕焼海を真っ赤に貨客船

れんげ畑

声にせずハクナマタタと春夕焼

ローストビーフ

川越えに遠吠え高し春夕焼

ロクヨン

春夕焼母の着物の裾模様

ロティ

指先と世界が滲む春夕焼

ワイズ万太郎

ヘリの音春夕焼けに消え去りぬ

わわ

雪山が琥珀に染まり春夕焼

をぎやかなた

しあわせの五分うとうと春夕焼

阿波豊

赤飯に春の夕焼け添えたいと

愛棄丸

気疲れの新クラス春の夕焼け

飴

ラーメンの鍋に鈍く春茜

安芸子守熊

春夕焼二人揃ひて深呼吸

安田　信洲

製鉄所の影は蝋燭春夕焼

安溶二

春夕焼坂道降る後ろ影

案山子＠いつき組広ブロ俳句部

白骨のやうな倒木春夕焼

杏と優

まばゆき路面北国の春夕焼

伊沢華純

放たるる牛の群追ふ春夕焼

伊地知和枝

廃墟の団地に声して春夕焼

伊藤辰弥

新世界踏み出す吾子に春夕焼

伊豆子

春夕焼ゆつくり回る観覧車

伊予吟会　心嵐

春茜丸太小屋にも迫りおり

位子

春夕焼オペラ公演なお延期

井上喜代子

ジャングルジムのぼれば別の春夕焼

井田みち

山の目覚める準備春の夕焼

育由

春の夕焼幸せ夫婦茜色

一の介

『在住』と車に貼るや春夕焼

一の矢はんぺいた

春の夕焼ト音記号の曲線美

一井蝸牛

子ら達が春の夕焼け帰り道

一碁一会

逃亡の犬を追ひ掛く春夕焼

一樹之陰

ランドセル春の夕焼に走りだす

一周

ふるふるとゼリーなような春夕焼

一重

春夕焼犬の尾っぽの先にあり

一色すぴか

君の髪匂う向こうに春の夕焼け

一石浩司

聞こゆるは上り列車か春夕焼け

一太郎ラン坊

クラブ後に帰る大河の春夕焼

一茶お

遠山の色を動かす春夕焼

一日一笑

春夕焼合掌の先の戦地かな

壱太

広ごれる春の夕焼け明日は晴れ

右田俊郎

春夕焼空にひとつの飛行船

烏兎

春夕焼パステル色に田面染め

烏兎怱怱

言いわけの一つとされる春夕焼

羽沖

春の夕焼け連打のシャッター音

羽光

猫沈む羽毛布団に春夕焼

卯年のふみ

笑う子や春の夕焼けまた明日

浦山茶平

頬杖の春夕焼入る開いた口

詠頃

リゾートのベランダ越しに春夕焼

詠野孔球

春夕焼贈る言葉の歌唄う

越後縮緬

岳映える春の夕焼け希望湧く

越仙

夕さりの七色の空春夕焼

円

ひとりめし春の夕焼の四畳半

縁穐律

まろき頬は大人になりぬ春夕焼

遠音

紅に稜線キリリと春夕焼

奥ノ木蛍子

手折りたや春の夕焼路地の花

奥山凜堂

眠るごと吾子のまつげに春夕焼

横ちゃん

君の頬春の夕焼け留まりけり

黄昏空(くう)

春の夕焼妖艶な色いろいろ

岡田論子

終点へ線路真つ直ぐ春夕焼

岡本　戎

四国路は春の夕焼田の夕焼

乙華散

自転車で寝る子傾ぐや春夕焼け

音のあ子

咲いたまま春の夕焼になりしも

音人妙歌

春の夕焼山登り来て露天風呂

下村ひじり

横手城春の夕焼デイゴの音

佳葉

aiko聞く寮への車窓春夕焼

加賀くちこ

改札に待ち人は来ず春夕焼

加賀もずく

君となら黙しても良し春の夕焼け

加藤菜々

まちわびて春の夕焼け神々し

加容

春夕焼ねぐらに帰る鴉二羽

加和　志真

遥かなる連山燃える春夕焼

夏みかんの亭主

春夕焼け遊具に残る子らの声

夏柿

教室に金賞札の春夕焼

夏綱

閉園に春夕焼の観覧車

夏目タンチャン

輪の鳥や春の夕焼け連れてくる

果音

稜線を黒くなぞりて春夕焼

河村静葩

薄紙を千切る悲しみ春夕焼

河本かおり

春夕焼ゆつくり歩む幼三人と

花おうち

もう１本蹴りこむ先に春夕焼

花ほっぺ

春の夕焼かの人の心映え

花弘

口説かれし春夕焼の畦の道

花太郎

春夕焼やさしく富士を包みこむ

花桃

犬吠埼キャンディ舐めつつ春の夕焼

茄子紺

淡い淡い絵の具で春の夕焼

華らんまま

今もまだ春の夕焼喪にふける

華徳

冷めきったお茶を飲み干す春夕焼

蛾触

春夕焼けロングヘアをショートカット

賀代

自転車で下る長坂春夕焼

雅な童

春夕焼の幕が下りれば無礼講

雅鬼

一塁に春の夕焼け球ふわり

雅枝

伸ばし来る児の手つなぎて春夕焼

雅由

鼻歌や自転車こぎし春夕焼け

快晴ノセカイ

車椅子の母と買い物春夕焼

海

アイスマンは見しや嶺より春夕焼

海羽美食

人の死もやがては彼方春夕焼

海猫

初めての径へ折れるや春夕焼

海峯企鵝

春夕焼け照らす縛りし段ボール

灰色狼

春夕焼に溶かす初めての失恋

絵河　夢

レギュラーは獲れずとも春の夕焼け

葛谷猫日和

携帯を孫に習いて春夕焼

叶田屋

井戸端を抜け出ぬ妻や春夕焼

釜眞手打ち蕎麦

喧嘩して涙目で見る春夕焼

勘太郎

くしゃみして春の夕焼け手をつなぐ

柑たちばな

鬼ごっこ泣いた赤鬼春夕焼

甘蕉

ゆっくりと雲しみてゆく春夕焼

甘泉

「女のくせに」リフレインして春夕焼け

観乃

春夕焼け産子抱くや退院日

間仁田彩

春夕焼読み終えし後は手を添える

丸山まる子

絵手紙の穂先へ滲む春夕焼

岸　れん

銭湯の煙突伸びる春夕焼

岸来夢

クレパスの大きくはみだす春の夕焼

岩のじ

春夕焼万にひとつのめぐり逢ひ

喜多輝女

ピンク色春の夕焼け山染めて

喜多吃音

愛犬と散歩して知る春の夕焼け

気がつけばカンレキ

焦げたのは春の夕焼のせいです

季切少楽＠いつき組広ブロ俳句部

潮風の岩や佳境に春夕焼

紀杏里

春夕焼波涛のかなた佐渡島

輝峰亭

春の夕焼微かに草の匂い

鬼平哀歌

春夕焼男体山にひつじ雲

亀田かつおぶし

探し物届けてくれる春夕焼

菊子

春夕焼一本だけの松林

菊池克己

春の夕焼ラストオーダーを受く

菊池洋勝

紫から蒼へと沈む春夕焼

吉井郁恵

春夕焼枠にはまらぬ不二の山

吉村よし生

春夕焼歯ブラシの影並び立つ

吉田まさき

四代の手繋ぎ唄ふ春夕焼

吉野春夏

手をつなぐ時を探して春夕焼け

吉野文

春夕焼夫の助けを待つあはひ

桔梗

今日からは木村になります春夕焼

橘右近

清らか春の夕焼け胸に入れ

橘明月子

新作のチョコを手提げに春夕焼

杵築きい

街染めて春の夕焼影長し

丘 るみこ

稜線の向こう側にも春夕焼

久衛

春の夕焼覚えたての旋律

久世有仁

初ツーリング白山は春ゆやけ

久素木葉子

テレビから飛び出たような春夕焼

久鍋得利子

母の頬ふれた通夜春の夕焼け

久美

嗚呼春の夕焼け山から広がつて

久瑠圃

春の夕焼けスポーツテストの結果表

宮間ミヤマ

春の夕焼の腰まで浸かりをり

宮坂暢介

河川敷春の夕焼けホームラン

宮坂変哲

窓辺から春の夕焼ネコ眺め

宮写楽

一日の愚かを溶かす春夕焼

宮村土々　みやむらどど

この空を母も見てるか春夕焼け

宮地弓恵

ご褒美は春の夕焼と飴一つ

宮田一代

負け試合我が背を伸ばす春の夕焼け

宮島ひでき

春夕焼これからだんだん赤めけり

弓楽

春夕焼合わせ鏡に映るわれ

弓女

春夕焼光のかけら陰ひとつ

球子

春の夕焼そぞろ歩きが福を呼ぶ

球友

乳飲み子に泣かれて仰ぐ春夕焼け

牛津女

四弦でユーミン鳴らす春夕焼

京あられ

日活の青春映画春夕焼

京丸

ルミナリエ春の夕焼何色に

京子

カナダまで春の夕焼け届けたい

京女

春夕焼羽田に向かふ機上から

玉井令子

上灘の春の夕焼や釣果なし

玉悦

石蹴りしつつ下校の児らに春夕焼

玉京

血のにじむ膝小僧まで春夕焼

玉響雷子

雲の切れ春の夕焼け天かける

玉治

春夕焼け毛布一枚横に置く

玉城

菜をきざむ春の夕焼け広がりつ

玉泉

送別の春の夕焼しづかかな

筋肉男

春茜入選知らす文届く

近江菫花

春夕焼釣り人いまだ帰らざる

金目銀目猫

棚の豚まんにほふ車窓の春夕焼

吟　　梵

点滴につながれみやる春夕焼

銀　次郎

野の果てに春の夕焼け見るばかり

銀命堂

春夕焼帰宅足止め温むかぜ

句詩呼

背を向けて佇む春の夕焼に

玖

天地は水の彩り春夕焼

愚老

病院に春の夕焼け届けます

空

さよならを告げる練習春夕焼

空都ゆきの

ふんわりと春の夕焼舐めてみる

空猫

春の夕焼け過疎の地を大家族

空野千鶴

尾道のロケ地の隣春夕焼け

熊耳

籠のとりはるのゆうやけひとり鳴く

栗鼠句

川面来ぬ春の夕焼山越えて

栗田もとえ

孫帰りまた二人かと春夕焼

勲

潮騒や春夕焼染む白秋碑

君島笑夢

初めてのパンプス痛し春夕焼け

啓泉

赤信号ならぶ国道春夕焼

圭右

春夕焼け土手を歩いて仲直り

恵

春の夕焼け死んで無い眠りこけ

敬之

地の果てに茜まきたる春夕焼け

景清華

先輩の背中見つめる春夕焼け

畦のすみれ

インスタに春の夕焼けいいねつく

月影ミウ

初任地を春の夕焼満たしゆく

月見柑

春夕焼のんびり進む我の影

月見草

パステルを広げ塗るゆび春夕焼

月舟

春夕焼今日も一日頑張った

月野ひとみ

春夕焼けバイバイの応酬合戦

兼珍

森満たす春の夕焼にソロキャンプ

研知句詩@いつき組広ブロ俳句部

バケットに重さありけり春夕焼

元喜@木ノ芽

風渡る春の夕焼古墳かな

古寺憲子（けんし）

春夕焼見据えて気が付く不甲斐なさ

午勢至（ごせいし）

釣り竿の先に輝く春夕焼け

吾亦紅也

春夕焼孫の帰った客間かな

光観

街並みも人もモネめく春夕焼

光源爺

春夕焼今日は夫が料理番

光友

これは愛確信してる春夕焼

向原かは

春夕焼野面に残る子らの声

好文木

畦道を一人占めかな春夕焼

宏楽

動かざる山は甲斐路の春夕焼

幸

思ふさま春の夕焼ひろがりぬ

幸紀

海人の藻塩（あまびとのもしお）きんきら春夕焼け

広島　しずか８１歳

三輪車漕ぐも進まぬ春夕焼

康寿

あっけなし静かに逝きて春夕焼

江雲

理科室に春の夕焼大欠伸

江戸川青風

母の手に触れず半年春夕焼け

江藤薫

薔薇色とはこの色のこと春夕焼

江澪(ごうみお)

新しき職場のチャイム春夕焼

浩朗

野良の母景をふみふみ春の夕焼け

甲山

泣き笑う赤子のような春夕焼

甲斐し

春夕焼この色なにと孫の問う

甲斐紫雲

黒スーツ春の夕焼け自撮りする

紅紫あやめ

母との諍い春夕焼に溶かす

紅小雀

東尋坊モネの光の春ゆやけ

荒磯魚々

通夜終へて春夕焼けや風の街

香栄

発表の封開けられぬ春の夕焼

香村

点滴に春の夕焼の孤室かな

香壺

春の夕焼け小さな車窓越しの恋

高橋雅

春の夕焼あそび疲れた子を負いて

高橋笑子

投票を待つ犬と吾子春夕焼け

高倉ちとさ

玻璃焦す艶冶眩しき春夕焼

高津喜久子

鍬と鎌忘れて帰る春夕焼

高田　仁和加

春夕焼君のピアスの色のまま

高木音弥

モネの目に映るがごとし春夕焼

黒兎

投函音ため息めきて春夕焼

今井佳香

三日目のベッドから春の夕焼

佐々木ふく

春夕焼影が二人の丈くらべ

佐山夕子

僕の素手君が包んで春夕焼

佐田

天地うたうハレルヤ春の夕焼

佐藤　啓蟄

春夕焼黒煙靡く船帰港

佐藤俊

刻々と髪色変わり春夕焼

砂楽梨

背負われた母を背負ひて春夕焼

坐花酔月

ブランコ吾子の頬春の夕焼よ

彩乃

リハビリの手すり歩行に春夕焼

細川治子

春夕焼ベッドのそばの硝子瓶

細川小春

クレヨンの色迷う手に春夕焼

細木さちこ

春夕焼ヘリコプターが叩きゆく

菜々の花

春夕焼のみ引き連れて転校す

坂西涼太

鳥小屋閉め振り返る門春夕焼け

榊裕江子

負け戦春の夕焼けヘボ将棋

咲耶とこ野@木ノ芽

春夕焼出港までの小半時

咲弥あさ奏

アルプスを春の夕焼け朱に染めて

桜　恋之助

コールユーブンゲン響く窓辺や春夕焼

桜の翳

春夕焼ビルに映じて耀よへり

桜姫５

教会を春の夕焼包み込む

桜木レイ

春の夕焼ロボット掃除機動く頃

薩克期風

花笑みと春の夕焼や悩み落つ

雑草

背に春の夕焼け吾子手はぎゅっと

三群梛貴

春夕焼ジャングルジムより生まれくる

三子

仕事の手止める春の夕焼けは富士

三寺ひろみ

入院の窓辺の兄に春夕焼

三水（さんすい）

単語帳閉じ流し込む春夕焼

三大夜景

君の春夕焼の頬触れたし

三宅剛

春夕焼切り取るビルのシルエット

三拍

君を待ち色数ふ春の夕焼け

三木庭

あいさつの声もほどけて春夕焼

山河穂香

あと何回春の夕焼目に刻む

山口 朝子

柩中春の夕焼け透き通り

山口雀昭

春の夕焼チューバ騒音放つ

山桜昌子

すれ違うカラスとマダム春夕焼

山水（さんすい）

チョコレート一つもらって春夕焼

山川真誠

練習を終へしボールや春夕焼

山川腎茶

長久の瓦の丸み春夕焼け

山中陽子

貪欲の街に春の夕焼を待つ

山内彩月

寄道の一箇所増える春夕焼

山辺冬里

この春の夕焼背負い歩きをり

山本先生

春夕焼け背に受け静か佐渡が島

山野はな

深呼吸春の夕焼け独り占め

山野ゆうり

とーふーのらっぱきこえて春夕焼

山﨑菫久

川べりを母とめぐりし春の夕焼

仔拾

ファインダー覗く夫の背春夕焼け

四季風吹子

ブランコはなほ動きけり春夕焼け

四條たんし

ロックダウンされても春の夕焼

糸賀太

校庭の春の夕焼け影ひとつ

糸慌＠木ノ芽

桜へと転生けふの春夕焼

紙ふうせん

こえとどくまで名をよぶはるの夕やけかな

紙威

春夕焼その向こうには幼き吾

紙魚男

春夕焼公園の途ウォーキング

紙芝居

春夕焼頭の大きなクレヨン画

紫鋼

老犬と春の夕焼和む時

紫香菫

春夕焼喪章の夫にささやける

紫小寿々

面会はビデオコールで春夕焼

紫水

春の夕焼ビー玉のなか

紫蘭

電線がきっぱり分かつ春夕焼け

詩

見上げたる春の夕焼け涙色

詩音

本屋出て春の夕焼かたぐるま

侍真満陽陰

日本海に遊び遺して春夕焼

篠田ピンク

春の夕焼別姓は先送り

柴桜子

蜘蛛の亡骸朽ちて春の夕焼け

縞午

カーテンに小枝の影が春の夕焼

舎人

春夕焼祠を覗く野球帽

紗智

春夕焼ペツェッティーノを借りてきた

紗々

白鍵へ春夕焼に染まる指

紗蘭

春夕焼明日は機上の人となり

若葉マーク

ローストポークの断面春夕焼

若葉一家

ギター立てホームのベンチ春夕焼

若葉猫

春夕焼け通信教育始めよか

若林千影

老母には嘘つくばかり春夕焼

主藤充子

しまなみの春の夕焼け子規知らず

守安―――――――――――――雄介

病院の春の夕焼け処方箋

朱久瑠

歳を積み春の夕焼け　さぁ西へ

寿好

みぎはまで海は紅色春夕焼

樹朋

校門と式の看板春夕焼

宗貞

千ノック春の夕焼汗かわき

秋から

春夕焼町を消毒せしごとく

秋ひろ

僕のこと見知らぬ祖母や春夕焼

秋熊

久々のチーム練習春夕焼

秋月

荷にまみれ春の夕焼け息子行く

秋月流音＠木ノ芽

内定が掴めぬ空を春夕焼

秋沙美 洋

春夕焼け今は亡き人そこにあり

秋桜

出来立ての空き地を包む春夕焼

十悟

山頂は鳥の楽園春夕焼

重翁

懐かしむ春夕焼にリコーダー

宿川

お食い初め終いて春の夕焼ぞ

塾志

幸せを春の夕焼先取りぬ

春果

春夕焼土手の子犬の短き尾

春川一彦

溶け込んで春の夕焼け独り占め

春爺

羽ばたいて春の夕焼去りゆくか

春来　燕

長すぎる写真家の黙春夕焼

春蘭素心

逆上がり特訓続く春夕焼

諸塚凡志

湯上がりのフルーツ牛乳春夕焼

小だいふく

春夕焼漆黒の富士包みをり

小橋春鳥

春夕焼け墨絵のごとし遠山裾

小熊伸子

富士見坂登りつめたら春夕焼け

小熊利雄

センバツ中止だってよ春夕焼け

小口zzda

自動ドア春の夕焼を招き入れ

小笹いのり

春夕焼ケンカばかりの毎日だ

小薪まりちゃ。

少女弾くトロイメライや春夕焼

小倉あんこ

②屋根しずく春の夕焼け鳥の群れ

小太郎

黄昏に春の夕焼け俺一人

小池敬二

春夕焼夜の灯りはぼんやりと

小塚蒼野

春の夕焼錆びの味なる一輪車

小島神泉

春夕焼戸塚刺繍の図案よむ

小梅

兄嫁を姉とよびし日春夕焼

小文吾

ハーメルンの笛の音なり春夕焼

小林妙

君と逢う約束をして春夕焼

小澤ほのか

視線 解けて帰郷春の夕焼

庄司直也

七輪のさかな香ばし春夕焼

松ぼっくり

水彩画描きたくなりし春夕焼

松岡 哲彦

春の夕焼け踏むに踏まれぬ影法師

松宮知子

青春は春の夕焼ビルの街

松高日子

未だ慣れぬビル出て空は春夕焼

松坂慎太

金曜の春の夕焼席予約

松山

あの人と別の高校春夕焼

松山女

異母姉妹家路を急ぐ春の夕焼け

松瀬章章

ブラームスの聞こゆる路地に春の夕焼け

松茶　巴＠プレバト木ノ芽

母「しんど」うちのセリフよ春夕焼

松風女

明日祈る春の夕焼けキラキラと

松本知子

死を看取る覚悟もなくて春夕焼

松野勉

春夕焼け悩みが一つ終わりけり

松頼子@木の芽

春夕焼け榛名のすそ野ひろがりて

焼饅頭

春夕焼あした良きことありそうな

照波

婚礼の日取り決まるや春夕焼

笑詠化

映え猫か春の夕焼長い影

笑々

揺れて消ゆ玄界灘の春の夕焼け

笑酔

前籠で箸カラコロと春夕焼け

笑田まき

麺を干す春の夕焼茜色

上原まり

春の夕焼いつもより道長く

上市まさ

姉弟の作るチャーハン春茜

上津嘉子

春夕焼け湖(うみ)空怪しく雲八つ

常陸人

影が追いかけていく春の夕焼

植木照美

田仕事や春の夕焼けあすもはれ

寝ん猫

放課後のブラスバンドや春夕焼

慎吾

春夕焼け急ぐ家路に影はなく

新井ハニワ

遠望の墨色富士や春夕焼

新田　淑＠狐狸山会

給湯室春の夕焼けと一服

新藤柑子

寅さんが帰って来そう春夕焼

新濃　健

ミレーの絵田舎の車窓に春夕焼け

新米笛

メロンパンかじる堤防春夕焼

森　佳月

白線に善戦の跡春夕焼

森 毬子

パノラマの春の夕焼さかあがり

森の水車

春夕焼黄泉の国までいけそうな

深山 紫

春夕焼塾へ行く子の小さき背

深草あやめ

背伸びして春の夕焼舞い降りる

真喜王

ぶかぶかの上着の園児春夕焼け

真宮マミ

ふんわりと街並み包む春夕焼

真珠星倫世

春夕焼故郷となる校舎かな

真繍

ヘルメット脱ぎし手に春の夕焼け

真心素秋

産声はきらきら春の夕焼に

真冬峰

綺麗ねと春の夕焼け猫に言う

真壁佳子あすなろ

一目惚れ春の夕焼二人旅

真優航千の母

昨日より明るき夫よ春夕焼

真林

春夕焼背負う笑顔の眩しさよ

神戸めぐみ

春夕焼バス待つ人も明るくて

神山やすこ

春夕焼この赤に龍飼いならす

神谷たくみ

春夕焼煙突の林揺らめきて

神誉

立山に春の夕焼泣く子止む

仁

春夕焼明日はピアノの発表会

諏訪ヤス子

夢を抱く夢を叶えて春夕焼

水城

まだ慣れぬ都会に涙春夕焼け

水蜜桃

春夕焼け洗濯物も乾きけり

粋庵仁空

韮山の春の夕焼け逆さ富士

翠媛

幼子の何やらうれし春夕焼

翠穂

春夕焼駅まで響くオルゴール

酔丑

母逝くや山燃ゆるかに春夕焼

酔下弦

湖の春の夕焼け色へ鳥

杉森大介

学校の前のおもちや屋春夕焼

杉本とらを

対岸は春の夕焼けペタルこぐ

裾野５１

春夕焼地震の記憶その先へ

世宇素

合格の十七番へ春夕焼

瀬戸ティーダ

春夕焼センパイの家このあたり

瀬尾白果

口ずさむブッセの詩や春夕焼け

是空

春の夕焼染みる紺スーツの背

成田彩乃

古き街春の夕焼け天守閣

星海

忘れ物春の夕焼け影帽子

星夢　光風

ビー玉の春の夕焼け透かし見る

星野美咲

春夕焼夜釣りの船を包みけり

晴海南風＠木の芽

映画館春の夕焼け二本立て

灰心

入部よし春の夕焼孫の顔

晴城

春夕焼塢を川屋に立ち見かな

正岡丹ん

あを足らぬ藤原岳春夕焼

清水祥月@藤原岳＝ふじわらがたけ

春夕焼まあるく海を掃きにけり

清波

春夕焼今日のご飯はオムライス

清白真冬

熟れすぎた春の夕焼けアンダンテ

清鱒

春の夕焼水面を滑る舟は鳥

聖一郎

やきゅう拳勝負つかずに春夕焼

聖橋

日本海春の夕焼深い黒

西言外

地に下ろす鉢の球根春夕焼

西山哲彦

待ちつかれ春の夕焼ふりかえり

西川あきや

サイレンの音かき消して春夕焼

西村もえＰ（み）

違う明日みて隣り合う春夕焼

西村柚紀

子を盾にスマホ片手に春夕焼

西田月旦

春夕焼盆地に落ちし焼夷弾

誠馬

母ちゃんが逝ってひと月春夕焼

青い月

腰を手に春の夕焼け杖ふたつ

青鬼灯

ぽつぽやの春の夕焼高倉忌

青玄

鐘の音未練の子らの春夕焼

青修

午睡醒め悄然春の夕焼けよ

峰山波濤

団地解体の突如の春夕焼

青嵐

春の夕焼古船を写す熊野灘、

静香

夕飯の匂いまにまに春夕焼

石あい女

春夕焼生き延びてきし猫を飼ふ

石井せんすい

熟帰り遮断機越しの春夕焼

石岡女依

春の夕焼どこかへ連れて行かれそう

石崎京子

春夕焼てふ饒舌や手をつなぎ

石川聡

鈴かすてらに春の夕焼の地平線

石田将仁

春夕焼見上げて肩の丸を描く

石野上路無

春夕焼少しずらすルームミラー

赤井味彩

春夕焼け洗濯たたむ祖母の息

雪乃

春夕焼母の荷物を一つ持つ

千の葉

滲みゆけ春の夕焼子の笑顔

千波

ひび割れの薄らぎを見て春夕焼け

千曜　桜

春夕焼トロイメライのオルゴール

千葉睦女

春夕焼じっと我慢の歌舞伎町

千里一歩

春の夕焼の中では無罪です

千仗千紘

母の声春の夕焼同じ色

川越羽流

春の夕焼け提案書に赤丸

川口みち

発車ベル車窓そめる春夕焼

川西勝久

春夕焼犬のおもちゃが帰路で鳴る

川村栄

大女優のフィンガーウェイブ春夕焼

川村湖雪

春茜明かりを点す商店街

川島欣也

春夕焼二カ月ぶりの自社出勤

川獺三号

父と母電気犬との春の夕方

泉世生

指切りがぼやけた春の夕焼や

染野まさこ

物干しに小走りするや春の夕焼

鮮末

春の夕焼に逆光の君のまつげ

素々なゆた

春夕焼末は何処に果てるやら

双月（そうげつ）

あぜ道の春の夕焼息吹きかな

倉の人

生かされて春の夕焼け眺めおり

想予

春の夕焼向きを揃へるトランプよ

早乙女龍千代

五年目の単身赴任春夕焼

痩蛙

シーソーと同じ高さの春夕焼

相沢はつみ

相模路に春の夕焼帰宅報

相模の仙人

春夕焼背にして戻る舟を待つ

蒼の海

渡し舟揺られて仰ぐ春夕焼

蒼涯

春夕焼佐野の舟橋この地とや

蒼燃

空港に君降り立ちし春の夕焼

蒼來応來

さよならの背景にする春夕焼

走吟

どこからもみえる天守や春夕焼

蔵原遼太郎

春夕焼茜に染まる日本海

村山　碧

春夕焼屋島の色の変わりけり

多可木@ノエル

春夕焼荷造り終へて広き部屋

多喰身・デラックス

田舎道ほっつく春の夕焼けよ

多々良遼太

岩を打つしぶきに映ゆる春夕焼

太

凪ぎをみて春の夕焼山遥か

太架子

春夕焼この身は愛のごと染まる

太子

春夕焼花壇の花に紅を差し

太平楽太郎

春夕焼稜線深し紅飯豊

駄口竹流

犬の先あるじが尻の春夕焼

泰乙女

火の鳥の飛び立つ空よ春の夕焼

泰然

戦隊ショー春の夕焼に黒五人

大黒とむとむ

春夕焼琵琶湖疎水の煉瓦褪せて

大小田忍

春夕焼や介護支援の計画書

大西どもは

春の夕焼かもめ降る蓮華池

大西みんこ

幼き日迷いし道の春夕焼

大石真水

地平線春の夕焼引きつれし

大村真仙

芝居はね春の夕焼松葉そば

大谷如水

そらせない目に宿りたる春夕焼

大津美

揺れて増す春の夕焼け海の色

大楠木

叡山の春の夕焼燃えるごと

大和屋としより

下の名で呼ぶ先生や春の夕焼

鷹雪

きりきりと春の夕焼け明日は晴れ

沢瀉

春夕焼子の住む町へ三百里

達ちゃん

神の棲む島を覆へり春夕焼

谷口詠美@宗像大社

しまなみのレンタサイクル春夕焼

谷川の蛍子

春夕焼明日を信じて今日を生く

狸漫住

スカイツリー今日も春夕焼を指す

誰矢念

君よ来よ春の夕焼褪せぬうち

丹耶

西向きの部屋もいいねと春夕焼

檀の実

春夕焼父に引かれし手の記憶

智雪

古書街は春の夕焼昭和の香

池田　香

巣に帰る鳥の切り取る春夕焼け

池之端響

悔恨も甘く倦みたる春夕焼け

痴陶人

康成の日本語のごと春夕焼

竹さ

わたしだけの春の夕焼まったりと

竹の子

手を合わすこと多くなり春夕焼

竹庵

ユーミンを口ずさんでみる春夕焼

竹春エリザベス

阿蘇の野に焔走るや春茜

竹織

木曽駒の頂染める春の夕焼

竹中寛人

つなぐ手へ春の夕焼け染まり行く

茶

風立ちぬ春の夕焼け亡き父よ

茶子

春夕やけ朱鷺色に染む日本海

茶々

看護師辞す君泣き笑ふ春夕焼

中原柊ニ

波消えて春の夕焼け時止まる

中村　香堂

退院を諦めぬ父春夕焼

中村すじこ

フェリー着く港は春の夕焼けに

中村笙平

隧道の出口のたびに春夕焼

中島走吟

風ふるる春の夕焼空広し

中嶋敏子

娘たち会社起こして春夕焼

中野久子

二寧坂上りし続く春夕焼

中野風鈴

立ち話手をかざしてや春夕焼

仲間英与

弥生十日十一日の夕焼ける

宙太郎@三月十日東京大空襲　十一日東日本大震災

少年団長応援の無垢春の夕焼

衷子

春ゆやけ足元緩き帰り道

朝ぼらけ

えんぴつは五センチに春の夕焼

朝桜咲花

もう春の夕焼け部室得て沸いて

朝比奈花の丸

アクセルを踏むでもなしに春夕焼け

潮ベルト

コロッケの二つ買い食い春夕焼

長ズボンおじさん

右肩にもたれし頭春夕焼

長谷川ひろし

「何度でも生まれてきてよ」春夕焼

長谷川京水

とりどりに無量の恵み春夕焼

長田写々

来迎の飛雲はるかに春夕焼

直木葉子

柔らかくハグで別れる春の夕焼

津葦

春夕焼手拭い配る記念の日

辻が花

那須の山滝は鏡に春の夕焼

鶴田梅勝

春夕焼煙突目立つ絣館

定規

退院の許可の知らせや春夕焼

定吉

迦楼羅来て笛吹く春の夕焼は

帝釈鴫

歩きつつ謝ろうかな春の夕焼

禎乃

一服す背包み込み春夕焼け

泥水

通学路外れ春の夕焼遠回り

泥酔亭曜々

春の夕焼千五百度の炎色

泥塗れのポスト

たなごころ合わせて掬う春の夕焼

哲庵

春夕焼小田急線が追いかけて

哲山

思い人春の夕焼けより優し

鉄道員

春夕焼大師の像の頬染める

天王谷　一

二人して不惑の門出春の夕焼

天日

かくれんぼ見つけられない春夕焼

天野姫城

春夕焼夕餉天ぷらパチパチと

貼女（ちょうじょ）

リクルートスーツを融かす春の夕焼

田中悦子

パープーと春の夕焼のランドセル

田中勲

夕飯（ゆうげ）まで少し歩かむ春の夕焼け

田中至

公園の蛇口ひねるや春夕焼

田畑　整

春夕焼明日は野球と約束す

田辺　ふみ

太子廟春の夕焼け犬と拝む

田辺ささの葉

胎内も春の夕焼十箇月

田本雅子

春夕焼ランドセルのお守りはゆれる

田本莞奈

桃色の春の夕焼け子の門出

田邉真舟

春夕焼猫が目覚めるトタン屋根

電柱

リモート呑みピザ持ち帰る春夕焼

斗三木童

肉まんは販売終了春夕焼

杜まお実

募金額増やしてをりぬ春夕焼

渡辺エリナ

春の夕焼介護ヘルパーの慇懃

渡野しえん太

春の夕焼や板碑さへ薄桃へ

渡邉くるり

灯台に萌える色染め春夕焼

登子

よく人に道を聞かれて春夕焼

都乃あざみ

チャイム鳴り指切りげんまん春夕焼け

島村福太郎

春夕焼杖持つ母の背の丸さ

島陽広

カメレオンの化身春の夕焼は

嶋田奈緒

逆光でも君は見えるよ春夕焼

東の山

春の夕焼十回跳べた二重跳び

東山

雨上がり夕焼けの中鳥帰る

東児

春夕焼泣きじゃくる子の頬に泥

桃花(ももか)

春夕焼手鏡で見る薄き肝斑

桃香

弾き終えて弟子と眺める春夕焼

桃泉

春夕焼あてにはしない待ち合はせ

桃和

立ち上る波頭染めつつ春夕焼

燈穂

どの絵の具つかつた春の夕焼かな

当意即妙

春夕焼猫の背なにも広がりぬ

藤えま

親類の事後の訃報や春夕焼

藤すみ

春の夕焼色鉛筆は十二色

藤原訓子

春の夕焼に転居前の川の音

藤原龍介

それぞれに春の夕焼け門出の日

藤源郷

亡き父を弔う空に春の夕焼け

藤川さくら

壜に詰め春の夕焼持帰る

藤川鴎叫

春夕焼今日一日をよくやった

藤沢ろんど

捨てて来しふるさとの方春夕焼

藤田康子

カーナビの導く先に春夕焼け

豆柴

春夕焼け赤児の様な色をして

陶豪

母の忌に時ゆっくりと春夕焼

瞳子

赤児泣く襁褓干すまま春夕焼

徳翁

気がつけば春の夕焼けだんだんに

篤彦

馬の耳春の夕焼受け止める

豚ごりら

神々の後ろ姿を春夕焼

那津

春夕焼け海鵜礁立つシルエット

南　風

引越しの外すカーテン春夕焼け

南城馬天

空室に春の夕焼だけ満ちる

楠青庵

行く霊柩車は空っぽ春夕焼

尼島里志

誰そ若き春の夕焼け待たんとす

弐弐兄

白壁に春の夕焼吾の影

日本酒

冥王星に春の夕焼いでにけり

入口弘徳

鯛粥の湯気香る春の夕焼

如庵

春夕焼けビルに傾げる赤の翳

如月ゆう

御神火の春の夕焼島を去る

忍冬

猛獣のオブジェ異国の春夕焼

禰文字

草取りの手洗い終えて春夕焼け

寧女

春夕焼け元気もらひに海へ来る

猫詠たま

春夕焼桃太郎里へ帰ったとさ

猫楽

アンパンマン乗せるペダルや春夕焼け

猫山竹

賢治二ページ春の夕焼色を増し

猫樹

下校時の沈む気持ちや春夕焼

猫雪春原（み）

味噌汁の木綿豆腐や春夕焼

猫舌扁平足

春夕焼け自転車坂道登りきる

乃乃

春夕焼鉢に立て札だけの影

濃イ薄イ

醍醐山染め行く塔の春夕焼

巴里の猫

影を追い春の夕焼け塾通い

馬門宗太

春夕焼メタセコイアの透けにけり

俳菜ひろこ

春夕焼チューニングの音軽やかに

秤防人

五右衛門風呂窓から見える春夕焼

博さん

合格印の文字のかすれや春夕焼

白プロキオン

春夕焼靴の中まで波の来る

白井百合子

試験終え春の夕焼弾む足

白山

乗客の魅入るはスマホ春夕焼

白鳥国男

春夕焼け硬き蕾に水を撒く

白髭

グランパとかなづちとんとん春夕焼

白薔薇

春夕焼甲府へ伸びる並木道

麦

基地局や鴉も染めて春夕焼

幡屋光耶

タクシー降りスカイツリーに春夕焼

畑 詩音

春夕焼机の瑕をなぞりつつ

畑中真土

のたのたとバス昇り来る春の夕焼け

畑中与平

道草の果てに現る春夕焼

八ちゃん

水鏡の棚田へ消える春夕焼

八重洲次郎

春夕焼うまい表現とはしづか

八木大和

レイアップシュート春夕焼け弾む

半熟赤茄子

もう少し春の夕焼けんけんぱ

板橋小春

外つ国の少女の恋や春夕焼

彼方ひらく

スキップで家まで僅か春夕焼

尾張の黒うさぎ

試験の途脱けがらの吾に春夕焼

枇杷子

英虞湾の筏のまれる春の夕焼

美翠

サッカーの練習終えて春夕焼

美泉

一段とばし降りたホームは春夕焼

美年

熟す雲一歩手前の春夕焼

膝丸佳里

ほどけゆく春の夕焼け画帳閉ず

桧木もり

春夕焼マカロン銜えパソコン閉づ

百合乃

春夕焼畢竟住所不定無職

百草千樹Ｚ

春夕焼「すでに」と「いまだ」透かし見る

漂碌魂ひいろみ

春夕焼もすこしそこにゐてほしい

浜糠八つ帆

昼飲みの〆の細麺春夕焼

不二自然

この角を曲がれば確か春夕焼

不利を

春の夕焼公園にやはし声

富樫　幹

幼子の手形硝子に春の夕焼け

舞妓はん

薔薇色の春の夕焼けキャンバスに

風花あつこ

駒ヶ岳いななく蹄春夕焼

風花美絵

春夕焼リハビリ中の兄の夢

風間昭彦

パノラマを校舎の窓に春夕焼

風子

春の夕焼け暗室のカーテン軽し

風由花

白金にそよ風出でて春夕焼

風連徹

採用の通知が届く春の夕焼

風呂猫

街ビルの窓一色に春夕焼け

蕗子

祖母の背で母待つ土手に春夕焼

服部勝枝

ANAの影JALの影影春夕焼

福良ちどり

明日のため煮つめるジャムや春夕焼

文月さな女

春夕焼孫の三輪車を担ぎ

平井伸明

うたた寝に毛布が二枚春夕焼

平野四季

弾き手ないピアノひっそり春夕焼

平野水麦

春の夕焼け肩抱く勇気ありやなし

碧村

諦めたことも幾つか春夕焼

片栗子

春の夕焼け明日は失敗ないよ

勉邪明

春夕焼け生の更新脱皮する

穂垂

イッソスの戦い想ふ春夕焼

宝塚の京

オルゴールの音やはらかし春夕焼

峰　乱里

遥かなる故国のぞめば春夕焼

峰江

午睡醒め悄然春の夕焼けよ

峰山波濤

わが方寸閉めたあの日も春夕焼け

方寸

春の夕焼け黒き八ツ赤浅間

朋部　琉

富士山に春の夕焼け裾濃かな

邦生

春夕焼特訓二人タイヤひき

鵬

春夕焼今日も点滴シニア猫

房総たまちゃん@TFP句会ぎりぎり投句党

返信に「ゆっくり帰る」春夕焼

望月ゆう

大力士春の夕焼け土を踏む

鉾丸

春夕焼双子の姉妹母と立つ

北のマンネリ

比良を背に鳶旋回春夕焼け

北摂美美

山小屋や雪染め抜いて春夕焼

北村 鯨野

四年目の夫の瞳に春夕焼け

北野南瓜

下校する春の夕焼チャイム鳴り

本山喜喜

新宿のビル溶けてゆく春夕焼

麻呂助

背負われて春の夕焼母の髪

末花

外れ馬券春夕焼に染まりけり

万葉剣

「元気でな」春夕焼から四十年

慢鱚

春夕焼染み入る巡礼の白衣

満る

いい人で終わるのかオレ春の夕焼

岬りこ

寄り道を春の夕暮れしてみるか

妙女

春の夕焼け島は蘇芳の匂

眠　睡花

刷毛で刷く春の夕焼けグラデーション

夢バーバ

画廊出て絵の中におり春夕焼

夢雨似夜

二階よりチャンバラの声春夕焼

夢堂

眺むれば涙あふれる春の夕焼

夢野

おんぶして見上げてねだる春夕焼け

霧潤(むじゅん)@閏務(うるうつとむ)改め俳号、霧潤(むじゅん)令和３年にデビューします。

春夕焼地球の回転よ止まれ

名前のあるネコ

高１の春の夕焼けバス二人

明星

はるゆやけ通知を待つや手を合わせ

明日汰

春夕焼動かぬ富士のシルエット

明明

お迎へに兄ちゃんも来る春夕焼

茂る

砂場の子一抜け二抜け春夕焼

妄　児

新しき事始めたし春夕焼け

毛馬きゅうり

ペダル踏む春の夕焼け毛馬堤

網代

春夕焼け今日のごはんはコロッケか？

網野れいこ

故郷を捨てた二十歳の春夕焼け

木の葉

明日には未知の職場や春夕焼

木ぼこやしき

子の描く春夕焼へ架ける橋

木寺　仙游

退職の日春の夕焼のリボン

木染湧水

新人よ顔を上げよと春夕焼

木村となえーる

春夕焼妊娠検査の赤い線

木乃伊

墨塗りの文書に倦みて春夕焼

門前町光乃

長々と汽笛は伸びる春ゆやけ

夜明鳥

朝川に散りゆく光春夕焼

野の花・倖菜

春の夕焼け甘い匂ひがしさうだわ

野ばら

春夕焼秩父連峰絵画めく

野ばらno1

春夕焼け母の形見の口紅の

野芥子

春の夕焼に契るや吾と君

野中泰風

紅きほほ春の夕焼け子の唄う

野々みねば

靴紐を一人で結ぶ春夕焼

弥日

春夕焼大利根川に息止む

柳生うっかり十兵衛

ランナーの背は茜色春夕焼

唯果(ゆいか)

池の水わづかに減りぬ春夕焼

優純bow

春の夕焼洟垂れ小僧の頬

友と歩くゾウ

日が長く感じる車窓春夕焼

友坂こまり

縄を跳ぶ大波小波春夕焼け

有田みかん

春夕焼雲も雪嶺も朱鷺色

柚月

春夕焼千本ノックつづきをり

遊亀

キッチンカーのタコス完売春夕焼

遊飛＠蚊帳のなか

春の夕焼宿り木は風の道

夕虹くすん

石畳子らの落書き春の夕焼

余熱

森閑を春の夕焼スワンボート

余部豊

春夕焼飛行機雲を紅帯に

与六

遠き日に春の夕焼け思い馳せ

妖精さん

言い出せぬ春の夕焼けさようなら

楊柳木

貨車長く春の夕焼を引いてゆく

羊似妃

引越しの仮表札や春夕焼

葉るみ

指触れて恋始まるや春夕焼

葉月けゐ

春の夕焼絵本ばかりを選びけり

葉月のりりん

春夕焼歩幅の合はぬ大都会

遥加　遼平

春夕焼郷里（さと）ではもっと赤かった

遥風

鑑札を付け替え春の夕焼けへ

遥明

手をつなぐ二人の影と春夕焼け

陽花

卒業後部室より見し春夕焼

陽花天

傷口にやさしく沁みる春夕焼

陽気姫

レンズ越し春の夕焼万華鏡

陽光樹

春夕焼ボール触れる半時間

欲句歩

浮き世を淡く燃やして春の夕焼

羅蒐

頬に風春の夕焼コート着る

羅風音

片足を春の夕焼に染めし吾子

雷紋

ペダルこぐ腓の映ゆる春茜

嵐菜

春の夕焼国の兄貴の呼ぶ声が

藍植生

鐘が鳴り砂場飛び出す春の夕焼け

蘭翠

春夕焼向かいの家はカレーかな

利根の春

コーヒーの挽き売り香る春夕焼

利平

春夕焼エリーゼのために躓けば

梨山　碧

春夕焼極楽色と人の言う

梨西瓜

春夕焼ふるさとまで時差３０分

理路

涸れ川を犬歩く春の夕焼

裏山小虫

また遊ぼ新しい町春夕焼け

里音

模試結果思ひぶつけし春夕焼

里桜

巡航船窓はキャンバス春夕焼

里山まさを

春夕焼雲間から見るきぼう駅

里之照日日

春茜産声響くロビーかな

里甫

富士山にたなびく雲の春の夕焼け

立香

明日は雨春夕焼けに舟を出す

立歩

解体し校舎彩る春の夕焼け

立野まりほ

子は自立「犬でも飼うか」春の夕焼

琉璃

バイク止め湯舟でクロール春夕焼

留宇句

クレープのバンはバラ色春夕焼

留野ばあば

春夕焼あく抜き晒す窓の外

隆松Ｔ

春夕焼みんな詩人ださあ一句

隆美

また遊ぼ5時のサイレン春夕焼け

旅好き

バス停の名前渡船場春夕焼

良生

春夕焼け疎開した友人は嫌ふ

緑雨

振り返る病院の窓春夕焼

林　和寿

屋根裏の死体めくきみ春夕焼

瑠璃茉莉

飛鳥山春の夕焼色となり

令ちゃん@花芭蕉

エール聞こゆ春の夕焼け新生活

令雅

クロッキー一枚二分春夕焼

鈴ノ樹

擦り傷と泣き顔照らす春夕焼

鈴木翠月

春夕焼今宵「ごめん」と言うべきか

麗し

桃色の富士もおぼろに春夕焼け

蓮花

タワマン群金色浄土に春の夕焼け

蓮生

川岸に春の夕焼け竿多し

蓮風

給餌場に集う雀ら春の夕焼

篭山眺望

どこまでも春夕焼けのアーケード

和季

胸の内春の夕焼け染みひとつ

和弘

これまでと春の夕焼けこれからと

和泉明月子

ポケットにグリコのおまけ春夕焼

丼上秋葵

さつぽろの春の夕焼け吾子の肩

國本秀山

美酒に酔ふ春の夕焼けきみ包む

戌の箸置

畦道に春の夕焼犬老いぬ

戌亥

そばにいて春の夕焼消えるまで

朧

春の夕焼結婚記念日のロゼ

梵庸子

茶畑の曲線うねる春夕焼

泗水

春夕焼部活終わりのふたり乗り

淺野紫桜

学童の声弾む春の夕やけ

煌宙(そら)

春夕焼子供食堂向かう道

獺八（うそはち）

巣立つ子の部屋に残した春夕焼

珈藤絵本

たい焼きをひとり買い喰い春夕焼

琲朴

山人や春の夕焼影長く

眞熊

春夕焼け藍ありてこそ茜増し

篝

ボルシチの湯気やはらかく春夕焼

籠居子

春夕焼もどらぬ父を探し行く

綉綉

永らえる春の夕焼け暮れの影

翡文

足音す春の夕焼け大恐竜

萬太郎

春夕焼ペダル踏み込み保育所へ

萬代草舟

春夕焼琥珀色のサントリー

蓼蟲

七不思議猿沢池や春夕焼け

藪内椿

春夕焼浜の真砂とすくいけり

蘊竹伯

春夕焼チョークの落書き汽車ポッポ

桃子ママ

スキップとマスクで下校春夕焼

みどり

ごろにゃあん黒猫三匹春夕焼

金魚草

食めばつかえ歩めば挫く春夕焼

おくにち木実