タイ首相、アストラゼネカ製ワクチンの接種見合わせ

バンコク郊外の国際空港に到着したアストラゼネカ製のワクチン(2月下旬)

【バンコク=岸本まりみ】タイのプラユット首相は12日、同日に予定していた英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスのワクチン接種を中止した。タイ保健省が発表した。接種後に血栓ができる複数の症例が欧州で報告され、死亡例もあるため。プラユット氏はタイで初めて同社製の接種を受ける予定だった。

タイ政府は同日「(同社製の接種を)調査結果が出るまで延期する」と表明した。一般国民の接種スケジュールが遅れるのは確実だ。

タイには2月下旬、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチン20万回分、韓国で受託生産されたアストラゼネカ製のワクチン11万7600回分が到着した。接種はシノバック製が先行して始まり、アストラゼネカ製は「品質確認が必要だ」(タイ保健省)との理由で後回しになっていた。

欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)は11日、アストラゼネカ製ワクチンを接種後に血栓ができる複数の症例が域内で報告され、調査をしていると発表していた。北欧など一部の国で接種が中断されたが、その時点で接種と症例との因果関係を示す形跡はなかったという。

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