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訂正:英議会報告書、コロナ検査・接触追跡システムの効果を疑問視

 英議会の公共会計委員会は10日の報告書で、イングランド地域で巨額の経費をかけた新型コロナウイルス検査と感染者接触追跡システムは感染流行にそれほど大きな効果がなかったと断じた。写真はヒースロー空港で2月撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 10日 ロイター] - 英議会の公共会計委員会は10日の報告書で、イングランド地域で巨額の経費をかけた新型コロナウイルス検査と感染者接触追跡システムは感染流行にそれほど大きな効果がなかったと断じた。

ジョンソン首相(訂正)は昨年、世界でも群を抜く検査と追跡が流行打開の道筋になると約束していた。しかし、英政府が生活の正常化への決定的手段と位置付けるのはその後、コロナワクチンの開発と配備の成功に取って代わっている。

同委員会のヒリアー委員長(労働党)は、検査と追跡のプロジェクトに想像を絶する資源が投入されたにもかかわらず、コロナ流行に大きな違いは生じていないと指摘。「厳格な移動制限を避けられるとの多額の経費を正当化した約束は2度も破られた」と批判した。

報告書によると、症状のある人への検査や、学校や介護ホームや一部職場での定期的な検査などのほか、追跡も行うことで、これまで総額230億ポンド(320億ドル)を投入。2年間で総額370億ポンドの予算が割り当てられている。

ジョンソン氏は議会で、国民医療制度(NHS)が運用したこの制度のおかげで、子どもたちの学校への復帰、慎重ながらも経済と日常生活を再開できていると弁明。夏までの再開計画に役立っているとも指摘した。

システム運用の責任者のディド・ハーディング氏も、定期的な検査は感染を止める重要な手段だと指摘。接触追跡は感染の連鎖を断ち切るのに現実的な効果があったとも表明した。認識できた陽性事例や追跡件数は910万件以上に達しているとも強調した。

一方で報告書は、検査と追跡が値段の高い契約に過度に依存したとも批判。今年2月初めの時点でデロイトなどの企業から約2500人のコンサルタントを雇用、1日当たり約1100ポンド、一部では6500ポンド以上が支払われていたとみられるとした。検査と追跡は、明確な人員計画と雇用戦略に基づくべきだとし、値段の高いコンサルタントや臨時職員への依存を月ごとに大きく減らしていくよう主張している。医療関係者の給与引き上げがインフレに追いつかない中で、こうした高級支給はことさらに憤りを誘う形だ。

*2段落目の「ジョンソン大統領」を「ジョンソン首相」に訂正します。

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