2011年07月07日
議員の資産公開
「政治倫理の確立のための名古屋市会の議員の資産等の公開に関する条例(平成7年10月16日制定)」の目的は、名古屋市会議員の資産の状況等を市民の監視と批判の下におくことにより、政治倫理の確立を期し、もって民主政治の健全な発達に資すること。
が、現行制度は、議員の懐具合をのぞき見するような制度になっており、必ずしも政治倫理の確立に寄与していないのではないかと考える。
資産公開が始まったのは平成7年。国会議員による金をめぐる様々な不祥事が頻発し、国民の中に政治不信が極まった中で、まず国会において導入され、そして、地方議会にもその流れが広まり、次々に条例化されていった。
さて、平成7年、最初におこなわれた名古屋市会議員の資産公開における私の所得番付は30位。それから14年。私の所得は当初からほぼ一定にもかかわらず、年々順位が上がり、20位...15位...10位...6位...5位そして、先日発表された今年の資産公開では、第3位と過去最高の順位。もちろん、1期生議員が資産公開の対象でないことも多少の影響はある。
以前は、自民党だけでも、渡辺アキラ元議員、近藤紀男元議員、加藤徹元議員、浅井日出雄元議員のように、莫大な資産を有し数千万、時には億を超える所得を得ている議員もいた。当時、駆け出しの議員だった私にとって、先輩議員は実績でも格の上でも資産でもまさに雲の上の存在。
ところが議会から「資産家」といわれる議員から消えつつある。
この背景に何があるのかわからない...
以前は財をなした方が、「名誉職」とされた議員を目指した時代があった。しかし、昨今では、議員=悪い人という風潮が漂っており、けっして「名誉職」ではなくなってしまったことも一因なのだろうか。
「井戸塀」。資産家が選挙のたびに田畑を売り払うなど、政治活動の末に最後には井戸と塀しか残らないといわれた時代もあった。「政治にだけは手を出すな」という家訓をもつ資産家一族も多いと聞く。
普通の市民が議員になる時代ともいえるが、資産家がめっきり減った議会が市民の負託にどうこたえるのか、金をめぐる問題にどのような影響を与えるのか、今はわからない。
この記事へのコメント
議員が儲からないので、お金持ちがやらないのでしょうか?それとも昔の選挙のようにお金をばらまくことができなくなったから、資産の少ない人でも立候補できるようになったからでしょうか?
私はお金持ちじゃないので、お金持ちの気持ちはわかりません(笑)
経済的に恵まれない普通の人が議員になりやすい環境をつくるには公的支出を充実させなくてはならないのに、減税日本はその逆をやろうとしている。このままでは会社経営者など他に収入がある人しか立候補出来なくなり、結果的に「庶民革命」など遠のくばかりでしょう
普通預金やたんす貯金は含まれないのですよね?
みなさんこのご時世,議員=悪になりつつあるので,うまく工夫されているのではないでしょうか?
別件ですが,以前教えていただいたアドレスにメッセージ送りました。お時間のあるときに読んでいただければと思います。
~議員の仕事 魅力不足
地方議員の人材不足は各地で深刻になっている。
木曽川の源流にあたる長野県木祖村。昨年9月の村議補選で立候補者ゼロという異例の事態が起きた。定数10の議会は9人での審議が続く。村議の一人がブログに「報酬月額12万円」と書くと「こんなに少ないの」と驚きの反応が寄せられた。
なり手不足の原因が報酬の低さにあるとみて、報酬引き上げを図る自治体もある。
鹿児島県阿久根市では16日に、前市長が専決処分で導入した市議の「日当制」を月額制に戻す条例案が可決の見通しだ。日当制で市議の年収は360万円から40万円に激減。前市長派主導で議会解散請求が起きる中、「日当1万円のまま解散すれば誰も手を挙げない」との懸念もあった。
(中略)「身を切る」姿勢が評価される風潮の中、報酬増は言い出しにくい雰囲気がある。逆に、日当制などの「ボランティア型」でいいとの主張も広がる。ただ、法政大学の広瀬克哉教授(地方自治)は「地方議員は幅広い知識が必要で、仕事も膨大だ。相当なエネルギーを費やさないといい判断はできない」と「専業」が望ましいと指摘する~
○○でも減税日本でも「身を切る」ポーズだけがお上手な政治家だけが評価されるおかしな風潮の中、本当に有能で熱意のある人が議員になりたがらない傾向はますます強まっています。日当制やボランティアなど論外。日当制は議会閉会中はろくに仕事しなくていいよ、といっているのと同じことです。そして議会閉会中に仕事しない議員は開会中もろくな質疑はできない。減税日本の議員はそれを身をもって実践しているようですが(笑)。責任と報酬は比例するし、比例させなくてはならない。ボランティア議員に至っては、あなたは議会での決議に責任をとらなくていいよ、といっているのと同じ
昔…政治の専門用語とか税制度がわかる知識人が、お金があって教育に費用がかけられる世帯に多かったから。だから「政治家になってくれ」と推挙される人が資産家からが多かった。セレブとして社会に知識と財力を還元するため政治をした人・・・もいたかもしれない。
◆議員が、ボランティア・兼業・専業のどれがいいか?
私にはこれと決められません。権限や責任・財政規模や人口でもどれがいいかかわると思います。
ただ、『多様』な議員構成のほうが市民の縮図に近いかなと思います。
「責任と報酬は比例するし、」どうやって量る?
量れないから「比例させなくてはならない」となる。
「議会閉会中に仕事しない議員は開会中もろく な質疑はできない」議員の仕事とはどんな仕事?
質疑もせずに居眠り議員も以前にはあった。
のでリコールになった。
リコール騒ぎで居眠りしないようになったとしたら市民としては大成功だ。
と言う見方もありますよ。
2.イチ読者さん、ボランティア議員など普通の方には到底不可能です。政治活動費、スタッフ経費、事務所経費、そのほか生活費などをすべて賄える人などほとんどいません。
3.shiro-toさん、たんす預金は資産公開に入りません。ただ、今回の所得公開の場合、所得を隠せば「脱税」という犯罪になりますので、所得をごまかす人は少ないと思います。
4~5.イチ読者さん、議員を目指す人は間違いなく減っています。リスクが大きくまた、しっかり活動しようと思えば、相応の資金も必要となります。
6.アンキロさん、私も多様な人間の集まりが議会には必要だと思います。
7.hiroshi_takagiさん、居眠りせずずっと起きていても、やはり仕事ができなければ寝ているのと同じではないかと心配します。
8.イチ読者さん、減税に限らず、議員になった以上、しっかり勉強して議会に臨み、市民の負託にこたえなければならないと思います。新人議員では、なかなかこれは難しいところです。