あずさジャーナル
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女性の生きづらさから目を背けてはならない

2018.06.27
  1. 「キャリアを変えることはリスク」。けれど、果敢にキャリアチェンジに挑んで、新しい働き方をもぎ取ってきた女性もいる。こちらの記事を読んで考えたことを綴りたい。

「いまは育児優先」古巣で初のフリー契約(6月27日配信  プレジデントオンライン」

会社や組織、社会の側が変わらないなら、女性はキャリアを諦めるか、変更するしかなかった。けれど、「諦め」ではない転身を果たしていけるのであれば、それもひとつの闘い方なのだと私は思う。

 

この女性の挑戦は、組織の側を変えた。
「前例主義」にこだわり、変化を恐れるのはどんな組織も同じ。けれど、その慣例を変えてみると、組織の側にも大きな発展があることに気づくはず。

もっとも、「転身」には蓄えや時間的な余裕がなければならない。誰もがそのチャンスを得られるわけではない。「子どもを生まない方が幸せというのは勝手な考え」「食べるのに困る家はない」と発言した自民党の政治家は、こうした女性の生きづらさ、不利さを知らないのか。
私たちには、「与えられる権利」よりも、「勝ち取らなければならない権利」のほうがまだまだずっと多いことを、知らないのか。

笑顔でしなやかに頑張っている女性たちが、ひとりでどれだけ涙をながし、孤独な闘いを強いられているのか、女として生まれ、生きてみないとわからないのだろうか。

子どもを産むかどうかは、国家や社会の側から強制されることであってはならない。子どもを産むかどうかを含め、どんな生き方をするかは、個人の意思と選択により決定されるものでなければならない。仮に、「もっと子どもが生まれる社会であってほしい」と私たちが願うのならば、「生まない方が幸せだ」と感じる女性が増えているのはなぜなのか、ということを女性の側に立って徹底的に考えるのが、政治家の仕事なのではないか。

産みたくても産めない女性たちの苦しみを、その苦しみを与えているのが長時間労働やそれに起因する心身のダメージ、経済的な困窮といった社会の側の問題であることを、産んでからも支援の手が差し伸べられることのない女性たちの激動の日々を、政治家ならば、真っ先に見つめねばならないのに。

 

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追記

私は、「産みたい」と願う女性の側も、それを口にしづらくなっている現状にも危機感があります。このことは、フェミニズム運動を展開している女性たちにも、まだまだ認識されていない問題であると感じています。「産まない」と言っても批判される。「産みたい」と言ってもやはり批判されるのです。
以前、私がツイッターで、仕事の過重労働が原因で流産した女性の訴えを報じる記事を引用し、「産む選択をしても地獄、産まない選択をしても地獄である」と発信した際、著名な言論人の男性から「子どもを持たない選択をした自分たち夫婦を地獄と言うのか」と突然絡まれました。私は信じられない思いで、それは曲解であること、産むも産まないもどちらも尊重されない社会が女性を苦しめているのだという思いを説明しましたが、曲解されたまま攻撃されるばかりで、これを契機にツイッターそのものをやめました。

私がツイッターをやめた原因を、「いわゆるネット右翼の人々からの攻撃が理由だ」と思っておられる方々がおられますが、それは違います。そうした類いの攻撃は政治活動を始めた当初から絶え間なく受けているので今更傷つくことでもない、という思いでしたが、この男性からの突然の攻撃にはミソジニーも感じ取れ、こちらの言葉の揚げ足を取ることが目的であるかのような物言いがなされるばかりで、心底、SNSにおける「言論」というものに失望する出来事だったためです。

また、妊娠している女性が選挙に出馬した際のバッシングは目を覆うようなものでした。「選挙に出たいなら子どもなんか産むな」という言葉の数々が向けられ、せっかく授かった命に対して向けられる心ない言葉に、当人の女性はどんな思いで過ごしているだろうと、涙がこぼれる思いでした。
更に驚くべきことに、「産みたい」と発言した時にそれを批判するのが女性であるという事態まであります。若い世代が直面している現状です。

「皆が産みたいわけではない」ということを伝えることはとても重要です。その「産まない選択」を他者が批判することは間違っており、不当な介入です。その人の自己決定と尊厳が踏みにじられていると思います。

一方で、産みたいという願いが受け入れられる社会、産みたいと願うことで肩身の狭い思いをしなくていい社会であってほしいと切に願っています。不妊症治療、不育症治療への理解や助成も、重要な課題です。

 

 

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