埼玉県知事「調査が大切」“ブラジル型”18人感染か[2021/03/09 14:02]
埼玉県は8日、県内に住む男女20人が、変異ウイルスに感染したと発表しました。20人のうち18人は、感染力が強い“ブラジル型”の可能性が高いとしています。
■18人は海外渡航歴なく感染源も不明
埼玉県の会見で「埼玉県内で実施した、変異株PCR検査において、N501Yの変異がある変異株の陽性例が20例確認されました。18例につきましては、同じルート、同じ関係者と考えております」と発表しました。
20人のうち2人は、海外渡航歴がある人でしたが、問題は残りの18人です。
この18人は、ブラジル型の変異ウイルスへの感染の可能性が高いとみられています。しかし、18人は渡航歴がなく、感染源については不明です。
埼玉県によりますと、18人のうち、30代の男性と女性の2人は、5日にブラジル型の変異ウイルスの感染が確認された、10歳未満の女の子の家族だといいます。
基礎疾患のあった30代男性は、重症です。そして、この30代男性の職場で、同僚5人も変異ウイルスの感染が確認され、そのうち20代男性2人の家族、合わせて5人が変異ウイルスに感染していました。
さらに、同僚家族の10歳未満の子ども1人が通う施設でも、6人が変異ウイルスに感染していることが確認されています。
濃厚接触者である100人は、すでに検査を行い、陰性が確認されていますが、陽性に転じる可能性もあるため、経過観察中だということです。
■以前に感染した人が再び感染する可能性も
ブラジル型の変異ウイルスは、感染力が従来型の2倍という研究結果もあります。
また、イギリス型よりも南アフリカ型に近く、ワクチンが効きにくい可能性があります。
さらに問題なのは、以前に感染した人が、再び感染する可能性があることです。
住民の76%が従来型のウイルスに感染し、集団免疫に達したともいわれるブラジルのマナウスでは、感染が再び拡大していて、再感染する確率が25%から61%に上っているとの推定もあります。
■知事は「スクリーニングに力を入れていきたい」
埼玉県では、8日までに確認された変異ウイルスの感染者は、60人に上っています。
大野元裕知事は「変異株が発見されるだけではなくて、そこからどういうルートで変異株が来て、そこからどういうふうに広がっていくか。これを調査することが我々大切だと思うので、県民の皆様にご協力を頂きながら、スクリーニングに力を入れていきたい」と話しました。