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【真北】
(しんぽく)

平面直角座標_02 真北とは北極点の方向のことで、地球儀でみる経線(縦線)のことです。
 方位磁針の指す北は「磁北」といって正確に北極点の方向ではありません。

 前回までのお話は、建物建築用の敷地の調査で「真北もとってくれ!」という依頼が来たが、新しい機器類を導入せずに真北を出すにはどうすればよいかということで、いろいろ探ってみました。

 すると、公共基準点を使った場合に使える「超お手軽真北算出」がありました。

-- Notice --
 この記事は忘れっぽい僕の覚書的な記事です。
 わかりにくい用語が出てくるかもしれませんが、
ご了承ください。
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■ 平面直角座標系と真北     
 現在、あちこちに設置されている「公共基準点」。
 これを使って測量すると「公共座標(世界測地系)」というものがはじき出されます。

 この公共座標、世界測地系といっておきながら、実は世界的なものではなく、「平面直角座標系」と呼ばれる日本を19の座標系に分けたそれぞれの座標系のみで通用する座標です。

 なぜ、座標系を細切れにするかというと、丸い地球を平面に置き換える際、面積や方向の歪みを実用上問題ないレベルにするために細切れにしています。

 でも、この座標系で測量をすると、普通なら面倒な真北測定をしなくても、真北を算出する方法があったんです。

■ 地球と平面直角座標と真北     
平面直角座標_05 平面直角座標系を使うということは、公共基準点を使用した公共座標で測量しなければなりません。

 土地家屋調査士の筆界に関する測量では必ずしも公共基準点を使用する必要はないんですが、近年は「なるべく公共基準点を使用した公共座標で筆界を表そう」という流れから、公共基準点を使用することが多いです。
 で、公共座標の場合、X軸(測量では縦線をX軸とします。数学と逆です)がおおむね真北の方向なのですが、球面の一部を平面にしたために右のような現象が起きます。
 座標上のそれぞれの場所でX軸と真北のズレが違うのです。
 原点付近は真北に向きますが、端に行くほどずれが大きくなります

 この座標系上でそれぞれ異なる真北方向角を算出するのはなかなか大変です。

 でも、イマドキの世の中、探せばいろいろ裏技はあるもんです。

測量計算_国土地理院
 これを計算してくれる便利なサイトがあります。
 国土地理院のWebサイトです。
 その中の「測量計算」というページです。(このページに国土地理院のホームページからリンクをたどるのはけっこう至難の業だったりします^^)

 その中の「経度、緯度への換算」に求めたい場所の公共座標を入力すると瞬時にその場所の緯度・経度、真北方向角、縮尺係数が算出されます。

 そしてこの点ともう1点の場所の公共座標を「距離と方向角の計算(ST計算)」に入力してやれば、2点間の方向角が出ます。


 2点間の方向角 - 真北方向角 = 2点間の方位角

平面直角座標_06-2となり、現地にこの2点となる標識を設置すれば、その場所における真北がわかるという寸法です。(真北方向角が負の場合は

 通常の筆界業務にはほとんど必要ないことなんですが、建築を前提とした敷地調査なんかでは割といわれることが多いと思うので、覚書き代わりにブログネタにしました。

 高いGPS機器や太陽を測量するくらいなら、ちょっとぐらい遠い公共基準点からでも、基準点測量して世界測地系の公共座標から真北を算出するほうが間尺に合います。

 え?
 近くに公共基準点がなくて公共座標がわからなかったらどうするか?
 国土地理院発行の白地図を現地の測量結果に重ねて磁北との差を出し足りして表現することが多いようです。

 でも、このときの白地図の北はここでいう平面直角座標系の北なんですけどね…

■ 伊能忠敬の大日本沿海輿地全図     
 江戸時代後期に伊能忠敬が作成したといわれる「伊能図」、正式名称「大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)」と呼ばれる日本地図。
 当時の測量技術からすると非常に精度が良いといわれていますが、この頃の磁北はほぼ真北に一致していたといわれています。
 そうしたことが伊能図の精度や作成スピードに寄与したのかもしれません。
 昼間の磁北と夜の天測による北が一致していなかったら、もう少し精度が悪かったかもしれませんね。

 地球の磁場は地球が誕生してからもたびたび消失したり、南北が入れ替わったりしたことがある痕跡が地層や氷河に残っているといいます。

 磁場が消失すると人類は生きていけないと思いますが、磁北がかなり大きくずれたとき、われわれの業務にどう影響するのでしょうね?
 その頃にはGPSが測量の主力になってるのかな?

 GPSを使った場合でも、いろいろ問題はあるんですけどね~…
 準天頂衛星システムとか、興味深いものはあるんですけど、そのうちネタにするかもしれません…


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