コロナ経口治療薬、治験でウイルス量低減効果 米メルク
【3月7日 AFP】米製薬大手メルク(Merck)と米バイオ医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクス(Ridgeback Biotherapeutics)は6日、共同開発する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬の臨床試験(治験)で、患者の体内のウイルス量を減らす効果が示されたと発表した。
メルクは1月、新型ウイルスのワクチン候補の開発を打ち切り、治療薬2種の研究を進めていた。
そのうちの一つがリッジバックと共同開発する錠剤の「モルヌピラビル」で、メルクは、同薬を5日間服用した後で患者のウイルス量が大幅に減少したと発表した。
新薬の承認までには3段階の臨床試験があり、今回の第2a相試験は、入院していないCOVID-19有症状者202人を対象に実施された。
リッジバックによれば、安全性に懸念はなく、報告された4件の重篤な有害事象のいずれも治療薬に関連したものではないと判断された。
研究を主導した米ノースカロライナ大学(University of North Carolina)のウイリアム・フィッシャー(William Fischer)教授(医学)は、今回の臨床試験の結果に期待を示している。
メルクは1月、開発中のもう一つの経口治療薬「MK-711」について、入院中の中等症・重症患者の死亡または呼吸不全に陥るリスクが50%以上減少したことが臨床試験の暫定結果で分かったと発表していた。(c)AFP