英、ロックダウン2カ月ぶり緩和 まず学校再開
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【ロンドン=佐竹実】英国の人口の大半を占めるイングランドで8日、新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)が2カ月ぶりに緩和される。ワクチン接種の効果もあって感染者数は減少傾向にあり、6月の経済正常化を目指す。ドイツも8日から書店などの営業を認める予定だ。英独ともに感染状況をにらみながら、段階的に都市封鎖を解除する。
イングランドで8日に再開するのは学校だ。1月5日に都市封鎖となってから児童らはオンラインで授業を受けてきたが、学校に通えるようになる。ネット環境の違いなどによる教育格差への懸念から、英政府は学校再開を最優先としてきた。中高生は週に2回、自宅で簡易検査を受けるほか、家族も無料で検査を受けられる。
4月12日には美容室や小売店が再開するほか、飲食店も屋外に限って営業できるようになる。5月に屋内の飲食店や映画館、劇場などを開け、6月にはソーシャルディスタンス(社会的距離)やマスク着用などの規制も緩和して経済正常化にこぎ着けたい考えだ。こうした行程は、ワクチン接種が順調に進み、感染が抑えられていることが条件となる。
英国では2020年12月に変異ウイルスが爆発的に広がり、イングランドで3度目の都市封鎖に追い込まれた。都市封鎖後も感染は収まらず、1月20日の死者数(陽性確認から28日以内の死亡)は約1800人に達した。だがその後は感染者、死者数ともに減少傾向が続き、ピークで1日6万件近かった新規感染者も足元では6千件程度まで減っている。
「ワクチン効果が表れている」。ハンコック英保健相は5日、感染者数の落ち着きについてこう述べた。英政府は20年12月に欧米で初めてワクチン接種を始め、これまでに全人口の3分の1にあたる約2200万人が1回目の接種を受けた。7月末までに全成人に接種することを目指している。