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令和の時代、ジェンダーについての認識をアップデート! 今読むべき「入門書」

高橋有紀AERA
(左上から時計回りに)バービーさん、松尾亜紀子さん、高頭佐和子さん、田中俊之さん、山崎ナオコーラさん(写真:本人提供)

(左上から時計回りに)バービーさん、松尾亜紀子さん、高頭佐和子さん、田中俊之さん、山崎ナオコーラさん(写真:本人提供)

『弟の夫』(双葉社)田亀源五郎
ゲイカップルの生きづらさをノンケの兄の視点で描いた漫画。山崎さんは本作での女性の描かれ方にも注目。「主人公の娘・夏菜ちゃんと元妻・夏樹さんが人間的に魅力的に描かれています。これまでの少年漫画は男性ウケがいい女性ばかりを魅力的な女性として描いてきたのではないかと気付かされました」

『アフリカの日々』(河出文庫)イサク・ディネセン著、横山貞子訳
自然や人、アフリカの魅力を生き生きと描いた名作エッセー。「夫と一緒にアフリカに行ったものの、離婚しその後は1人で農場を経営します。夫の話は数行しか出てこなくて、経営者としての現地の人々との交流を描いて、こんなに素晴らしい文学を生み出した。かっこいいなと思います」

『MILKY WAY』Vincent Ferran LIBRARYMAN
仏写真家による、妻の授乳シーンを撮影した写真集。「写っている授乳中の妻はどれも疲れ切っていて眠そうで、髪の毛もボサボサ。でもなぜか美しくて、それがいい。育児書には子どもの目を見て授乳しましょうと書いてありますが、これは全然違う。それでもこんなに美しい作品になるんだな、って」

『肉体のジェンダーを笑うな』[自著](集英社)山崎ナオコーラ
治療で父親の胸から父乳が出る未来。筋肉ロボットで夫と妻の筋量に差がなくなり、男性が生理を獲得する未来。技術進化で肉体的な性差がなくなった未来をユーモラスに描く。「子どもに授乳ができないことがむしろつらいと思っている男性もいるのでは。そういうつらさも一緒に考えていきたい」

(編集部・高橋有紀)

AERA 2021年3月1日号より抜粋


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