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【1】部分否定とは
結論からいきましょう。
〈not+強い形容詞/副詞〉で、部分否定「〜とは限らない」になります。
not+強い形容詞/副詞=部分否定「〜とは限らない」
強い形容詞/副詞というのは、たとえば次のようなものです。
・not always:「いつも〜とは限らない」
・not necessarily:「必ずしも〜とは限らない」
・not completely:「完全に〜とは限らない」
・not all:「すべてが〜とは限らない」
・not every:「すべてが〜とは限らない」
・not both:「両方が〜とは限らない」
どれも「全く」とか「必ず」とか「完全に」とか強い意味を持っていますよね。
では、1つ1つ例文で確認していきましょう。
・not always
not always で「いつも〜とは限らない」って意味になります。
例 I’m not always busy.
「私はいつも忙しいとは限らない」
間違えても、「いつも忙しくない」って訳さないでください。全く意味が異なってきますからね。
・not necessarily
not necessarily で「必ずしも〜とは限らない」って意味の部分否定になります。
例 That is not necessarily true.
「それが必ずしも真実とはかぎらない」
「必ず真実ではない」と訳さないように注意してください。それだと全体否定になってしまいますからね。
・not completely
not completely で「完全に〜とは限らない」って意味の部分否定になります。
例 We cannot understand others completely.
「私たちは他人を完全に理解できるとは限らない」
・not all
not all で「すべて〜とは限らない」って意味になります。
例 Not all children like apples.
「すべての子供がリンゴが好きだとはかぎらない」
しつこいですが、「すべての子供がリンゴが好きではない」って訳したらダメですよ。
・not every
not every で「すべてが〜とは限らない」って意味になります。
例 He doesn’t know everything about it.
「彼はそれについてすべてを知っているとは限らない」
・not both
not both で「両方が〜とは限らない」って意味になります。
例 I don’t like both of them.
「私は両方が好きとは限らない」
以上、not+強い形容詞/副詞で部分否定「〜とは限らない」になります。
【2】部分否定の例外
部分否定【not+強い形容詞/副詞】には例外があります。
部分否定の例外
not + any / at all / in the least /either
↓
全体否定「全く~ない」
では、ひとつひとつ例文で確認していきましょう。
・not + any
not + any で「全く〜ない」って意味で全体否定になります。
例 I don’t know anything about it.
「私は、それについて全く知りません」
「すべてを知っているとは限らない」って訳したらダメですよ。
・not+at all
not at allで「全く〜ない」って意味の全体否定になります。
例 I don’t understand it at all.
「私は全くそれを理解できない」
・not+in the least
not in the least で「全く〜ない」って意味の全体否定です。
例 I am not in the least happy.
「私は少しも幸せじゃない」
・not+either
not either で「全く〜ない」って意味の全体否定になります。
例 I don’t like either of them.
「私は、それらの両方とも好きではない」
not either =neither なので、そこから考えれば、全体否定になるのも納得いくと思います。
以上、not + any / at all / in the least /either は部分否定ではなく、全体否定「全く~ない」になります。
【3】部分否定の注意点
最後に部分否定の注意点を挙げていきます。ざっと、箇条書きすると次の通りです。
・not always と always not の違い
・not bothと not either の違い
・not every と not any の違い
ひとつひとつ説明していきますね。
・not always と always not の違い
結論から言うと、部分否定はあくまで、「not+always」なんです。これが「always+not」の順番になると部分否定になりません。
次の英文の違いを考えてみてください。
⑴ I’m not always busy.
⑵ I’m always not busy.
⑴は、not+always なので部分否定でしたね。よって、「私はいつも忙しいとは限らない」って訳になります。
一方、⑵は always+not の順番なので、部分否定にはなりません。よって、「私はいつも忙しくない」って意味になるんです。
⑴ I’m not always busy.
「私はいつも忙しいとは限らない」
⑵ I’m always not busy.
「私はいつも忙しくない」
このように部分否定はあくまで「not+always」の順番である必要があります。
理由は、「notは常に右側を否定するから」なんです。
〈not always busy〉だと、not は always busy を否定するんです。つまり、「いつも忙しい…わけじゃない」って感じです。
一方、〈always not busy〉だと、not busyで「忙しくない」となり、それがいつもなんです。つまり、「忙しくない…いつもね」って感じです。
もう一つ、具体例を挙げましょう。
⑴ Not all children like apples.
「すべての子供がリンゴが好きだとはかぎらない」
⑵ All children don’t like apples.
「すべての子供がリンゴが好きではない」
⑴は「not + all」なので部分否定です。一方で⑵は「 all + not」なので部分否定ではありません。
・not bothと not either の違い
not both は原則通り、部分否定ですが、not either は例外で全体否定でしたね。
⑴ I don’t like either of them.
「私は、それらの両方とも好きではない」
⑵ 例 I don’t like both of them.
「私は、それらの両方が好きとは限らない」
このように似ているようで意味は全く異なるので、注意が必要ですね。
・not every と not any の違い
not every は原則通り部分否定で、not anyは例外的に全体否定でしたね。
⑴ I don’t know everything about it.
「私は、それについて全て知っているとは限らない」
⑵ I don’t know anything about it.
「私は、それについて全く知らない」
このように似ているようで意味は全く異なるので、注意が必要ですね。
【4】まとめ
・not+強い形容詞/副詞=部分否定「〜とは限らない」
・not + any / at all / in the least /either =全体否定「全く~ない」
・not always と always not の違いに注意
・notは常に右側を否定しにいく