文法の盲点

部分否定「すべてが~というわけではない」重要なのは Not の位置!

次の2つの意味の違いはおわかりですか?

Many people don't know that.
Not many people know that.

すぐにわかった方は問題ありません。あれ?と思った方は要注意です。

それぞれの意味は次の通り。

大半の人はそれを知りません(全部否定)
それを知っている人は少ない(部分否定)

部分否定って何?


否定文は、全部否定と部分否定の2種類あります。日本語では次のように区別していますね。

【全部否定】
誰も彼を知らない
皆彼を知らない

【部分否定】
皆が彼を知っているわけではない
皆が彼を知っているとは限らない

英語ではこうなります。
【全部否定】
No one knows him.

【部分否定】
Not everyone knows him.

英語の否定文は、He is not smart のように、否定したい単語(smart)の前に否定語(not, don't, didn't, can'tなど)を置きます。

部分否定では「Not」の位置に注意です。否定文だと思わずdon'tやdoesn'tを入れたくなると思いますが、「皆が~というわけじゃない」と言いたいので「everyone」を否定するために「not」を直前に置きます。

仮に、Everyone doesn't know him と言ってしまうと、意味の通らない英文になり、ネイティブに全く通じません。ここが間違えやすい部分です。

「全部が難しいわけではない」を英語で言うと?


では、次の日本語を英語にしてみましょう。

「全部が難しいわけではない」(簡単な物もある)

《典型的な間違いの例》

Everything is not difficult.

《正しい英文》

Not everything is difficult.

「not」の位置に注目しましょう。「not」は必ず否定したい語の直前に置きます。主語であってもそのルールは守ります。これを絶対に忘れないようにしましょう。

ちなみに、次の例は全部否定になります。

Nothing is difficult.
何も難しくない

部分否定の例文17選

部分否定の代表的な例文で、notの位置に少しでも慣れていきましょう。

Not everyone is interested in the World Cup.
(皆がW杯に興味があるわけではない)
Not everyone likes meat.
(皆が肉を好きというわけではない)
Not everyone in Osaka loves the Tigers.
(大阪の人は皆が阪神ファンというわけではない)
Not everyone is your friend.
(皆が味方してくれるわけではない)
Not everyone is perfect.
(皆が完璧なわけではない)
Not everyone will like you.
(皆が好きになってくれるわけではない)
Not everyone wants to get married.
(皆が結婚したい人ばかりではない)
Not everyone wants to have children.
(皆が子供を作りたい人ばかりではない)
Not everything is here.
(ここに全部あるわけではない)
Not everything has to work.
(全部がうまく行く必要はない)※ひとつだけ上手くいけばよい、の意味。
Not all convenience stores are open 24/7.
(コンビニがすべて24時間営業というわけではない)
Not all trains run on schedule.
(電車がすべて時間通りというわけではない)
Not all questions have a rising intonation.
(疑問文がすべて上がり調子というわけではない)
Not everyone washes their bath towels every day.
(皆がバスタオルを毎日洗っているわけではない)

I don't know everything.
(全部を知っているわけではない)※部分否定
I don't know anything.
(何も全く知らない)※全部否定
You can't have everything you want.
(欲しい物がすべて手に入るわけではない)

あとがき

いかがでしたか?

don't/doesn't/isn't などを使わず、「Not」が文頭に来るというのは、最初は違和感があるかもしれませんが、正しい英文をきちんと覚えて応用できるようにしておきましょう。