RERAのウイスキーブログ

40代のロスジェネおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

タグ:アイラ

今回はボトラー系のアイラモルトのボトル、フィンラガンの10年物を飲んでみます。

詳細不明だけど、アイラモルトの10年物

finn10_1_フィンラガンは、グラスゴーにあるヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニーが手掛けるシングルモルトウイスキーです。

アイラ島産のシングルモルトを標榜していますが、具体的にどの蒸溜所のものかは公表していません。
ただし、多くの人々のテイスティングにおいては、カリラではないかというのが多数を占めています。

フィンラガンはノンエイジボトルとしてオリジナルピーティと加水なしのカスクストレングスを手掛けていて、そのほかにもいくつかの限定ボトルをリリースしています。

さて、今回飲むのは唯一の年数表記がされているボトルであり、10年物になります。
最近はスコッチウイスキー自体が値上がりしていて、シングルモルトの10年物自体が5000円を超えることも珍しくないですが、このフィンラガン10年は税込みでも3000円台前半で購入することができ、かなりお買い得なウイスキーだといえるでしょう。

アイラらしさにスパイスの香りが広がる

グラスからの香り、液色

グラスからはアイラモルトならではの正露丸の香りの後、白ワインのようなさわやかさを伴ったブドウの香りが追いかけてきます。
液色は、淡い琥珀色です。

ストレート

正露丸の香りが先立ちますが、それほど強くはありません。その後は白ブドウのさわやかな香りが一気に広がります。それとともにレモンやシナモン、黒コショウを思わせる香りも伴います。

味わいは、多少のアルコールからの辛みを持ちつつも、酸味がしっかり伝わります。

ロック

ストレートよりも正露丸っぽさは目立つようになり、レモンのさわやかな香りも前に出てきます。
その後は黒コショウのスパイシーな香りが続き、シナモンの甘い香りも続きます。

味わいは、酸味が主体となりつつ、胡椒を思わせる辛味もえられます。

ハイボール

正露丸よりも煙たさを強く感じるようになります。奥からはレモンとシナモンの香りも得られます。
味わいは、スパイシーさは抑えられ、軽く酸味が広がる印象となります。

まとめ

いろいろな噂の通り、カリラ12年を思わせる香りと味わいがありました。
ストレートやロックだと、白ブドウの香りからはじまって、レモン、シナモン、黒コショウの香りが、正露丸のようなピートとともに広がります。
ハイボールも悪くないものの、かなり穏やかな印象に変わります。

そういう意味でも、長期熟成のアイラモルトを安く飲みたいのであれば、このボトルがうってつけかもしれません。

700mL、アルコール度数は40度です。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸を思わせるピート。白ブドウ、レモン、シナモン、黒コショウの香りが続く。
  • 味わい C: 酸味が主体で甘さは控えめ。加水でスパイシーさも出てくる。アルコール感は少ない。
  • 総評 C: 安価に飲める10年物のアイラモルトとしては不満はない。



今回は2020年に発売されたアードベッグの新作、ウィー・ビースティ5年を飲んでみます。

ピートモンスター

ab_wee_ウィー・ビースティとは、スコットランド語で「小さな怪物」という意味です。

レギュラーのTENが10年の熟成に対して、このボトルは半分の5年。

若い原酒を使うことで、アルコールの刺激、アードベッグならではの強烈な正露丸を思わせるピートを思いっきり聴かせたものに仕上げているそうです。

また原酒も、TENではファーストフィルとセカンドフィルのアメリカンオーク樽を使っているのに対して、ウィー・ビースティではバーボン樽、オロロソシェリ―樽を使うことで、香りの広がりをつけようという試みもされています。

このウィー・ビースティは限定ボトルではなく、新たに加わるレギュラーの一つとなるそうです。

そういう意味でも、慌ててプレミアがついている状態で買いに行く必要はないでしょう。

若さを武器にした鋭いパンチ

グラスからの香り、液色

グラスからは、アイラモルトならではの正露丸の香りと、シェリー樽からと思われるブドウの香りもやってきます。
液色はシャンパンゴールドです。

ストレート

アードベッグならではの強烈な正露丸と海藻を伴ったスモーキーな香りに加え、アルコールからの刺激もしっかりやってきます。その奥からはレーズンとバニラの甘い香りも伴ってきます。

味わいは、まさに激辛。高めのアルコール度数に加えて若さ故の鋭利な刃物のような刺激的な辛さが舌を襲います。

正直、チェイサーがないと苦しいです。

ロック

正露丸の香りはそこそこで、その後にレモン、オレンジの柑橘系が続きます。
味わいは、辛みが抑えられ、多少の苦みを帯びつつも酸味がメインとなります。
ストレートに比べると、そこそこ飲みやすくなりますが、それでもかなり強烈な部類です。

ハイボール

正露丸を伴うスモーキーさとレーズンが一緒にやってきます。
味わいは、酸味が強くなり、スパイシーさもプラスされ、かなり刺激的なハイボールになります。

まとめ

元々ピートが強烈なアードベッグに、若い原酒を使うことによるアルコール由来の辛さが加わり、モンスターの印象がしっかり感じられるボトルになっています。
あまりにも強烈で、ストレートでそのまま飲むのは結構きついです。ロックや加水して飲む方がいいです。

強烈さを売りにする点で言うと、同じアードベッグのコリーヴレッカンがスパイシーさを加えた深みや重みを持つどっしりした雰囲気を感じるのに対して、ウィー・ビースティはプロボクサーのパンチのようなスピードを持ったインパクトを感じさせるように思えます。

アイラモルトが好きな人でも、刺激の強いハイボールを求める人でも、このボトルは飲む価値があるように思えます。

700mL、アルコール度数47.4度、価格は5600円ほど。
5年もののシングルモルトと思うと結構割高に思えますが、時間が経過すればもうちょっと価格がこなれるかも知れません。

<個人的評価>

  • 香り B:強烈なピートにアルコールの刺激が加わり、強烈。奥からレーズン、バニラ。加水でレモン。
  • 味わい C: ストレートではアルコールの辛みが強くて厳しい。加水で何とか飲める。全体的に酸味が主体。
  • 総評 B: ライトだが、鋭いパンチがやってくるボトル。

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今回はアイラモルト、カリラのディスティラーズエディションを飲んでみます。

モスカテル樽フィニッシュされた12年もの

cal_09_ゲール語で「アイラ島の海峡」という意味を持つカリラは、その名の通り、アイラ島に隣接するジュラ島の間にある海峡に蒸溜所が立地しています。

そんなカリラの原酒は、シングルモルトだけではなく、ジョニーウォーカーのキーモルトとしても使われ、そのほかのブレンデッドウイスキーにも使われています。
そのため、年間6000kLを超える生産を行う大規模な蒸溜所となっています。

しかし、2002年になるまでシングルモルトとしての販売はされておらず、それ以前の知名度は低かったのです。

今回採り上げるディスティラーズエディションは、ここ数年連続で限定販売されるボトルになります。

熟成期間は12年ですが、最後の1年をシェリー酒の一つモスカテルの樽で熟成、フィニッシュさせることが特徴となっています。

私が手に入れたのは、2001年蒸溜、2013年ボトリングされたものになります(年によって味が変わるのか?)。

レーズンを感じつつパンチの効いた香りと味

グラスからの香り、液色

アイラモルトらしい正露丸の香りと共に、ラムレーズンの香りがともに得られます。
液色は少し淡い琥珀色です。

ストレート

正露丸、灰、海藻が入り交じったスモーキーさが広がり、奥からレーズンが感じ取れます。
味わいは、アルコールからの辛みが少々強めで、その後は酸味が一気に広がります。
かなりガツンとくる味で、ある程度飲み慣れてないときついでしょう。

ロック

正露丸の香りが目立つようになり、スモーキーさが薄れた分、モスカテル樽からのレーズンの香りが目立ってきます。その後はシナモンや黒こしょうのスパイシーな香りがついてきます。

味わいは、多少の辛みがあるものの、酸味が表立つようになり、奥からはほのかな甘みも出てきます。

ハイボール

正露丸の香りが強く、スモーキーさの後にバニラ、青リンゴなどのバーボン樽由来の香りが続きます。
レーズンの香りは奥に潜みます。

味わいは、苦みが前に出た後、軽く酸味を得られます。
あまりハイボールでスッキリ飲める印象ではありません。

まとめ

アイラモルトらしさは健在で、モスカテル樽でフィニッシュすることでのレーズンらしさは感じられますが、シェリー樽原酒を使うボウモア12年と比べるととげとげしさ、スパイシーさが強く感じられます。

加水が進むほどモスカテル樽らしさが影を潜め、苦みが強くなって嫌気が目立つようになります。
ロックで飲む方が楽しめるでしょう。

700mL、アルコール度数43度、価格は7000円ほど。
値段が張る上に、年を指定すると尚更入手が難しいですが、カリラのスパイシーさとはちょっと違った香りを楽しみたいのであれば、買ってみる価値はあるかと思います。

<個人的評価>

  • 香り A: 正露丸を思わせるピート、シナモンや黒こしょうの香りにレーズンが加わる。
  • 味わい C: ストレートでは辛みが強いが、ロックで酸味と甘みがバランス良くなって楽しめる。
  • 総評 B: ボウモアとは方向の異なるシェリー感のあるウイスキーとしては面白い。


今回は久しぶりのシングルモルト、ボウモア15年 ゴールデン&エレガントを飲みます。

バーボン樽原酒で構成された変わり種

gae_ボウモア15年 ゴールデン&エレガントは、免税店向けとして2017年にリリースされました。

このゴールデン&エレガントの特徴としては、ファーストフィルのバーボン樽原酒を使っていることにあります。

ボウモアではバーボン樽原酒、シェリー樽原酒を使ってヴァッティングを行っていますが、同じアイラモルトの中でもシェリー樽原酒からのレーズンを思わせる香りが特徴的と言えます。

しかしこのゴールデン&エレガントでは、バーボン樽原酒がメインになっているため、同じくバーボン樽を主体にしているラフロイグやアードベッグに対して、どういうキャラクターになっているか、注目していきたいと思います。

バーボン樽原酒っぽさがあまり感じられない

グラスからの香り、液色

香りはアイラモルトらしい正露丸を思わせるピートの香りと、ラムレーズンが広がります。
液色は少々濃いめの琥珀色です。

ストレート

香りは、正露丸とヨードの香りが一気に広がり、後からライム、レーズン、カカオと続きます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、甘みと酸味が半々に感じ取れます。

レギュラーの12年や15年に比べると、レーズン、ブドウの香りは控えめです。

ロック

正露丸のようなピートは抑え気味になり、ライムの爽やかさが目立つようになります。その後、レーズン、そしてリンゴの甘い香りが続きます。

加水が進むと、ブランデーを思わせるような濃厚なブドウの香りが広がっていきます。

味わいは、ほろ苦さが出るものの、すぐさま甘みが口いっぱいに広がります。

ハイボール

1:3で割ると、正露丸のピートとレーズンが一緒に訪れます。その奥からライムの香りが続き、奥からカカオも訪れます。

味わいは、苦みが前に来きたあとで奥から酸味が続きます。
香りは豊かですが、苦さが少々強めの印象です。

まとめ

バーボン樽原酒をメインに使っていると言っても、あまりバニラの香りがしっかり来る印象は薄く、シェリー樽原酒由来のレーズンの香りがまだ強い気がします。

一応は正露丸や海藻のようなピートは健在で、アイラモルトだとはわかりますが、特段にうまいかというとクエスチョンがつきます。

それでも15年熟成なので、飲みやすさの点で言えば○です。

1L、アルコール度数は43度、価格は7000円ほどです。700mL換算をすれば4900円なので、15年ものとしては割安かと思います。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸を思わせるピートのあとにライム、レーズン、カカオ。加水でリンゴも。
  • 味わい B: ストレートでもアルコールからの辛みは少ない。全体的にはほろ苦さと酸味がメイン。
  • 総評 B: 総じてうまいが、バーボンカスクを使っていると言うには中途半端な印象が否めない。

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今回は、ボウモアの免税店向けのボトル、ダーク・アンド・インテンスを飲みます。

シェリー樽原酒を主体にしたボトル

bow_dai_ダーク・アンド・インテンスは、2017年にリリースされた免税店向けのボトルで、2015年に免税店向けにリリースされたブラックロックの後継とされています。

同じ2017年には、15年ゴールデン・アンド・エレガント、18年ディープ・アンド・コンプレックスもリリースされました。

ダーク・アンド・インテンスでは、10年以上熟成されたスパニッシュオーク樽、シェリー樽の原酒を主体にしています。

ブラックロックも濃厚な色をしていましたが、10年物になったことでさらなる濃厚な香り、味わいが期待できます。

アイラモルトらしさを残しつつ甘くて濃厚な香り

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色はブランデーを思わせるほどの茶褐色、香りは正露丸とともにラムレーズンも得られます。

口に含むと、ラムレーズンとカラメルが交互に強く香り、ウイスキーボンボンのような甘い香りになります。奥からはバナナ、バニラ、カカオと濃厚な香りが追いかけます。一方で、アイラモルトらしい正露丸、ヨードの香りは控えめです。

味わいは、アルコールからの辛みは少なく、甘酸っぱさが全体に広がります。

ロックでは、ラムレーズンがさらに強く香るようになり、カカオ、バナナも前に出るようになります。
そして残り香として正露丸のようなピートが広がります。

味わいについては、ほろ苦さが前に出て、奥から甘みが包み込んでいきます。

ハイボールでは、レーズン自体の香りと正露丸のピートが半々に香りますが、あまり癖の強い印象にはならず、うまく丸められている印象です。

味わいは、炭酸の刺激と共に酸味が前に来ますが、奥からほのかに甘みが訪れます。

ブラックロックも、アイラモルトらしいピートは控えめでレーズンが強く感じられるボトルでしたが、ダーク・アンド・インテンスではさらにシェリー樽原酒の甘い香りが強調され、アイラモルトが苦手な人でも受け入れられる印象に思えます。

1L、アルコール度数40度、価格は4500円ほど。700mLに換算すれば3000円台前半で、十分お買い得感の高いボトルと言えるでしょう。

<個人的評価>

  • 香り AA: アイラモルトらしい正露丸の香りは控えめ。全体的にラムレーズンが主体、奥からバナナ、カカオ、バニラ。
  • 味わい A: 甘みが主体でとても飲みやすい。加水でほろ苦さが出る。
  • 総評 A: アイラモルトが苦手でも受け入れられる甘いウイスキー。

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今回は、日本のウイスキーメディアサイトが初めて手がけたボトル、マグ・メル ウィリアムソン12年を飲みます。

第一弾はアイラモルト

mag_mell_w_「マグ・メル」とは、ケルト神話における喜びの島という名前で、死後、楽しさと幸せを永遠に得られる楽園として伝えられる土地だと言われています。

このボトルを手がけるのは、ウイスキーメディアとして知られる「BARREL」で、ウイスキーのボトルや飲み方を伝える情報サイトとして日本で最も閲覧されています。

今回のボトルが、プライベートボトルとして初めて手がけるものになります。

ウィリアムソンという名前は、実はアイラモルトの王様ことラフロイグの別ブランドです。
大人の事情でラフロイグの名前を使えない際に、このウィリアムソンの名前が冠されるようです。

ウィリアムソンとは、1950年代から1970年までラフロイグ蒸溜所のマスターディスティラーを務めていたベッシー・ウィリアムソンから名付けられたと言われます。

ベッシー・ウィリアムソンは、20世紀初頭に蒸溜所の建て直しを行った創業家出身のイアン・ハンターの秘書でしたが、次第にウイスキー造りにも加わるようになり、イアン・ハンターから様々な秘伝を受け取った後、彼の後継者として15年にわたってラフロイグを手がけました。

その間に、ラフロイグの人気はどんどんと上がっていきましたが、蒸溜所単体の体力ではこれ以上の人気に対応できないと判断した彼女は、蒸溜所を売却しました。

ラフロイグの名声を上げたことで、ブランド名として残されていると言えます。

使用される樽はバーボン樽のみ、その12年以上熟成された原酒を加水無しにボトリングしています。

さて、このマグ・メル ウィリアムソン12年のラベルには、新進気鋭の画家、今井喬裕氏の絵が使用されています。
彼は近年珍しい、写実的な美人画を手がける画家で、あたかも実在するようなリアリティのある描写を行うことで、注目されつつあります。

アイラモルトらしさ全開

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色はシャンパンゴールド、香りは正露丸とグレープフルーツが交互に訪れます。

口に含むと、正露丸の香りと灰のような煙たさが一気に広がります。奥からはレモン、グレープフルーツの爽やかな香りが追いかけます。
味わいは、アルコールからの辛みが比較的強く、その後は柑橘系のような酸味、ほのかな苦味が続きます。

ロックにすると、柑橘系の爽やかな香りが前に出るようになり、スモーキーな香りは少々潜む印象です。しばらく経つと、軽くバニラの甘い香りがやってきます。
味わいは、ビターが先に出るようになり、酸味はそれなりになります。しかしその余韻には甘みもほのかに得られます。

最後にハイボールでは、再び正露丸を伴ったスモーキーなピートが全体に強く広がります。奥からはカラメルやシナモンのような甘い香りが出てきます。
味わいは、苦味が先んじますが、後からはほのかな甘みとうま味が舌を覆います。

オフィシャルのラフロイグ10年と比べると、特徴的な正露丸を伴うピートは幾分柔らかくなり、グレープフルーツの香りが新鮮に感じられます。
それでもアイラモルトらしさを堪能できるボトルであることに間違いはないです。

700mL、アルコール度数54度、価格は19,580円。ただし販売された210本はすぐに完売してしまいました。
先行して飲食店向けに販売していましたので、もし見つけたら是非味わってください。

<個人的評価>

  • 香り A: 強烈な正露丸と燻煙。その後にグレープフルーツ。加水でバニラ、シナモン、カラメル。
  • 味わい B: ストレートでは酸味が強め、加水で苦味が勝ってくる。後味は甘みとうま味。
  • 総評 B: 少々まろやかだが、アイラモルトの強い個性を堪能できる。

今回は、ブレンデッドスコッチのアイラミスト デラックスを飲みます。

ラフロイグ主体のブレンデッド

is_mist_dx_アイラミストは、1920年代に誕生した比較的古いブランドで、その名の通りアイラモルト、特にラフロイグをキーモルトとして使っています。

このほか、スペイサイドモルトもいくつか使われているようです。

現在は、ボトラーとしても知られているマクダフ社が発売しています。

ボトルには「デラックス」と書いていますが、よくよく調べると、現行の「オリジナル」と一緒のようです。

このオリジナルにおいては、5年以上熟成したモルト、グレーンを使っていると言われています。

モヤッとした癖が気になる

では、ストレートから飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色は薄い琥珀色、香りは少々ほこりっぽさを伴った煙、煤に近いです。

口に含むと、ほこりっぽい倉庫のような香りの奥から、正露丸を思わせる香りが訪れて、その後はレモン、バナナと続きます。
味わいは、アルコールからの辛みはそれなりにあり、その後は柑橘系のような刺激のある酸味が続きます。

ロックでは、レモンと言うよりもライムに近い青臭さのある爽やかさが主体になります。後からバニラ、バナナの甘い香りが続きます。
味わいは、苦味が酸味より前に出て来ます。

ハイボールにすると、正露丸の香りが口いっぱいに広がり、奥からレモンが追いかけていきます。
味わいは、苦味が強くなり、刺激のあるハイボールになります。

8年ものと比べると、アイラモルトらしい正露丸のするピートは更に少なく、むしろほこりっぽさが目立ってヒネ臭と勘違いしてしまいます。
また、熟成年数が少ないことでアルコールのとげが目立ちます。
一方でバナナの甘い香りが8年よりも強めで、ストレートの方が興味深く飲めるように思えます。

700mL、アルコール度数40度、価格は1800円ほど。
正直、8年ものとの価格差が少なく、これを買うよりは8年ものを買った方がいいかもしれません。

<個人的評価>

  • 香り D: ストレートでほこりっぽい倉庫のような香りが目立つ。奥から正露丸、レモン、バナナ。
  • 味わい D: ストレートはアルコールからの辛みが強め、その後酸味。加水で苦味が目立つ。
  • 総評 D: モヤモヤした癖があって、素直に美味いとは言えない。




今回は、島嶼系のモルト原酒をブレンドしたシックスアイルズを飲みます。

六つの島の蒸溜所モルトをブレンド

sixisles_シックスアイルズとは6つの島という意味がありますが、その6つとは、アイラ島、ジュラ島、スカイ島、マル島、オークニー諸島、アラン島です。

アイラ島は島嶼系の中でもアイラモルトとして特別に地域分類され、ボウモア、ラフロイグ、アードベッグを始め、大小様々な蒸溜所が存在します。

それ以外の上記に示す島々も、潮風を受けた荒々しい特徴を持つ銘柄が多いです。比較的有名なのが、スカイ島のタリスカー、オークニー諸島のハイランドパーク、マル島のトバモリーです。

これらの島々にある蒸溜所のモルトをブレンドして誕生したのが、シックスアイルズになります。

若々しく強烈なピートが印象的

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はとても淡いホワイトゴールド、香りは正露丸を思わせるほどの強烈なピートが鼻を突き通していきます。

口に含むと、強烈な正露丸と煙の香りが一気に広がり、後からマスカット、レモンの爽やかな香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みが強烈で、その後も柑橘系の酸味が強く舌を刺激します。

ロックでは、スモーキーなピートは抑えめになり、レモンの爽やかさが強調されます。
味わいは、酸味が強めにきた後、灰のような苦味が後を引きます。

最後にハイボールにすると、正露丸の香りはほのかになり、レモンの爽やかな香りが主体になります。しばらくたつと、マスカットの甘めの香りが追いかけてきます。
味わいは、若干苦味を伴いつつも、酸味の方が全体的になります。

色味からしてもかなり若いモルトを使っていると思えますが、ラフロイグやアードベッグ、タリスカー、ハイランドパークを思わせる強烈なピートが印象的です。
ただ、加水が進むと早く腰砕けになり、苦味を持ちつつもレモンの爽やかさが広がっていきます。

ただ、それ以外のモルトの特徴が薄く、もっと香りや味わいの広がりがあってもいいのでは、と疑問に思いました。

700mL、アルコール度数43度、価格は5000円ほど。見た目に若いノンエイジのブレンデッドモルトと考えると、割高感が強い印象です。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸、灰のような強烈なピート。後からマスカット、レモン。加水でフルーツが強まる。
  • 味わい C: 灰のような苦味の後に酸味が追いかける。それ以外には広がりがない。
  • 総評 C: 強烈なスモーキーなウイスキーをストレートで飲みたい人向け。




今回は、最近になって発売されたアイラモルト、ラガヴーリン8年を飲みます。

創業200周年記念からレギュラーへ

laga8_ラガヴーリンは、ホワイトホースのキーモルトになるなど、アイラモルト屈指の蒸溜所です。

しかし同蒸溜所のオフィシャルボトルは16年ものだけで、他の古参のアイラモルトの蒸溜所に比べると敷居が高い印象です。

そんなラガヴーリンが2016年に、創業200周年を記念して発売した限定ボトルが、ラガヴーリン8年でした。

価格としてはレギュラーの16年とほぼ同等なのにも関わらず、好評を得て、2018年にレギュラーのラインナップに加わりました。

レギュラー化によって、値段も少々下げているようです。

度数高めの8年ものとは思えないまろやかさ

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りは正露丸、海藻の奥にレーズンを感じ取れます。

口に含むと、アイラモルトらしい正露丸を伴ったピートとレモンの爽やかさが先に香り、後からレーズンの甘さと芳醇さのある香りが追いかけます。
味わいは、アルコールからの辛みはそれなりですが、48度であることを考えると、比較的穏やかに思えます。
その後からは酸味と軽い塩っぱさが全体を支配します。

ロックでは、レモンの香りが前に来るようになり、ライムっぽさも加わります。ピートはスモーキーと言える煙っぽさが明確になります。残り香的に、レーズンが最後にやってきます。

味わいは若干の苦味が加わるものの、果物のような酸味と甘さが主体になります。一方で塩っぱさは抑え気味です。

ハイボールにすると、ピートから来るスモーキーさと正露丸のような独特の香りが再び表に出ます。その癖の奥に、レモンとレーズンが一緒になって薫ってきます。

味わいは、苦味をほんのり感じつつも、酸味が前にあり、塩っぱさや甘みが後味として得られます。

8年熟成でアルコール度数48度と高いことを考えると、思った以上にまろやかに仕上がっていて、初めてアイラモルトを飲む人にも勧められます。

しかしながら、定価が6100円で実売も5000円前後と、ラフロイグやアードベッグの10年ものよりも高めです。4000円を切ってこないと厳しいでしょう。
それであれば、1500円ほど高い16年ものを買った方がまだお得でしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: 8年ものであるものの、アルコールの刺激は少なめ。正露丸、ヨードと共にレモンとレーズンが香る。
  • 味わい A: 48度とは思えないほどまろやか。酸味が主体。加水でビター、塩気が現れる。
  • 総評 C: 8年ものとしては上出来でアイラ入門用。ただ値段が高すぎる。


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今回は、アイラモルトの一つ、カリラからの限定ボトル、モッホを飲んでみます。

夜明けを冠する限定ボトル

moch__01ゲール語で「夜明け」を意味するこのボトルは、フレンズ・オブ・クラシック・モルト というところが企画した限定のボトルになります。

年数表記はなく、レギュラーの12年ものよりはライトなボディにしていると言うことです。

アイラモルトらしさの中に爽やかさを感じられる

情報は少ないですが、とにかく飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りはアイラモルトならではの正露丸のようなピートと、バニラクリームのようなものが混然としています。

ストレートで飲んでみると、やはり正露丸のようなピートの後に、レモン、シナモンが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、軽い酸味と甘さが口に広がります。

ロックでは、レモンが揮発するように鼻を刺激し、あとからピート、シナモン、バニラへと続きます。

味わいは多少のビターを帯びてきます。酸味は抑えられ、甘さが後を引く印象です。

ハイボールにすると、レモンの香りは抑え気味になり、正露丸のようなピートが全体を支配するようになります。一方でシナモンの香りはなりを潜めます。
味わいは、程よく酸味が感じられ、レモンを加えずともさっぱりと飲める印象です。

12年ものがフローラルな香りと黒こしょうのようなスパイシーな印象が強いのに対して、モッホは穏やかになり、スモーキーさを持ちつつもスムーズに飲める印象です。

特にハイボールにすると、そのまま炭酸水を加えるだけで十分楽しめるものになります。

700mL、アルコール度数43度、価格は5000円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸のスモーキーさが主体だが、あとからレモンの爽やかな香りが追いかける。
  • 味わい C: 酸味が比較的前に出る。後味に甘さが残る。加水でビターも。
  • 総評 B: ハイボールがとても爽やかで旨い。

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