アイラモルトの代表格といえるのがボウモアですが、一般向けのシングルモルトのほかに、免税店向けの限定ボトルが存在します。そのひとつが、12年物の「エニグマ」と呼ばれるものです。

エニグマとは、ギリシャ語で「謎」という意味で、第二次世界大戦でドイツ軍が開発した暗号器の名前としても、ニューエイジのミュージシャンの名前としても有名です。 

_DSC0659ボウモアのエニグマは通常の12年とは異なり、シェリー樽原酒を使い、華やかさをプラスしたものになっています。
通常は免税店でなければ手に入りませんが、並行輸入品として日本の酒屋さんでも売られています。

いつものようにロックで飲んでみると、アイラモルト独特の塩気を持ったピート香の奥から、シェリー樽からの華やかな香りがついてきます。
味わいは、アルコールの刺激は12年物としては比較的強めで、これもアイラモルトならではの海藻もしくは正露丸のようなヨードの味が支配的で、奥からはダークチョコレートのような渋みがやってきます。

基本的には一般の12年にシェリー樽の香りがプラスされた感じで、マッカランのシェリーオークのようなレーズンを感じるほどの強さはないものの、シェリー樽原酒ならではの香り付けがなされています。

価格は税込みで4300円ほどですが、1000mlと量が多めで、700mlに換算すれば3000円強になり、12年熟成のシングルモルトとしてはかなり安い部類に入ります。
通常の12年と比べて劣る部分は目立たず、価格と付加価値を考えるとお値打ちであることには間違いないでしょう。
もちろんアイラモルト、ボウモアを好む人を裏切ることもありません。

<個人的評価> 
・香り A:ボウモア独特のピート香にシェリー樽の華やかな香りがプラスされる。でもレーズンを感じるほどの強さはない。
・味わい B:通常の12年と比べても大差はない。しかし人を遠ざけるほどのヨード感は少なく、飲みやすい。
・総合評価 A:免税店限定でありながらも比較的安めの値段。コスパを考えても十分勧められるボトル。