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cutting edge
国連再考 第6部 (01) ‐ 最後の桃源郷
2003年12月17日
 国連の専門機関とされる組織に世界銀行と国際通貨基金(IMF)とがある。 国連本体とは異なるが、広い意味の国連システムに含まれる国際機関である。 日本ではその名が頻繁に聞かれながら、実態はベールに包まれた感じの強いこの両機関を国連全体の再考の枠において光をあててみた。


 米国の首都ワシントンに巨大な本部ビルを並べる世界銀行とIMFはともに創設以来の最大の試練に晒されるようになった。 両機関の根幹を揺さぶるその挑戦がどれほど広範で深刻かは、毎年の世銀・IMF総会への暴力や流血までを生む抗議デモの激しさを見てもわかる。

 発展途上国の経済開発を目的とする世銀でも、為替の安定と経済成長を目的とするIMFでも、日本はいずれも出資金額が第二位であり、発言権は大きい。 だが世銀やIMFが国際的な注視をいくら集めても日本の姿が目に見えることはまずない。 日本は顔の見えない巨額出資国なのである。

 そんな実情の原因の一つは、世銀とIMFへの日本の関わりが年来、財務省(旧大蔵省)の硬直した官僚達の手に委ねられてきたことのようなのだ。

 「財務官僚達にとってワシントンは『世界最後の桃源郷』だろう。 世銀やIMFという国際金融機関に日本の金の力で確保されたポストでの気楽で恵まれた生活が約されているからだ。 変形天下りのこの種の人事はもう日本国内では通用しないはずだ」

 正規の採用で世銀に就職した日本人のベテラン専門職員は財務官僚の人事パターンをこう評した。 財務省は実際に世銀やIMFを長年、自省の縄張りとして扱い、外務省や経済産業省には触れさせず、日本代表用の中枢ポストを独占してきた。

 世銀では日本人職員百数十人のうち副総裁、理事、理事代理、専務理事特別顧問、局長、局次長、多国間投資保証機関(MIGA)長官などの枢要の地位十ほどが財務官僚によって占められてきた。 現在も副総裁や理事などとして約十人の財務官僚が在勤している。

 IMFでは日本人専門職員四十三人のうち十四人が財務省官僚と、日本人全体の三分の一を占め、しかも副専務理事、理事、理事代理などの要職を独占している。

 一般の日本人が世銀やIMFに職を求める場合、英語の実務能力に加えて欧米の大学の修士号や博士号が要求され、多様な選考プロセスを経る。 だが財務官僚の場合、この種の条件を満たさず、開発途上国の経済開発の体験や知識がなくても、日本政府の出資金の特権を背景に一定ポストに就くことができる。

 官僚の派遣人事には大別して二つのパターンがある。 第一は若手や中堅の官僚に経験を積ませる形での派遣で、それまで経済開発や国際金融の経験がまるでなくても期限三年をメドに世銀やIMFに送り込まれる。 この場合は英語や経済学に問題がある官僚も多く、勤務を始めてから日本人同士の集まりで英語会話や経済原論を学ぶという奇妙な事態も起きる。

 第二は財務省内の昇進レースで先の見えたベテランをほぼ最後のポストとして天下り風に送り出すか、あるいは国内での財務官僚天下りへの非難をさけるため、いったん国際機関に送って、そこから国内組織への天下りとする方法だという。

 このパターンとしては九七年に旧大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件で戒告処分を受けた元金融検査部管理課長の日下部元雄氏がその後すぐ世銀の専務理事顧問に任命され、同九九年には財務省のバックアップで副総裁となった。 この時は日本人の正規採用職員の間で怒りの声が起きた。

 現在、世銀の副総裁で東京事務所長の吉村行雄氏も九七年にIMFに理事として送られ、九八年には以前の過剰接待で減給20%という懲戒処分を受けた。 だがその後に世界銀行総裁常任顧問となり、さらに昨年は世銀副総裁に栄転した。

 今IMFの副専務理事の杉崎重光氏は東京国税局長や証券取引等監視委員会事務局長を経て、九四年にIMF専務理事特別顧問として送られた。 九七年には副専務理事となる。 それまでの経歴では国際金融の経験はほとんどないが、IMFにはもう九年勤続で、財務官僚の勤務形態としては異例の長さとなった。

 こういう雇用パターンの官僚達が世銀やIMFの日本代表となってきた現実を見ると、世銀などのあり方や経済開発の手法について日本からのみずみずしい発信は望むべくもないことがわかってくる。


古森義久氏 産経新聞2003年12月17日付朝刊記事

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