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cutting edge
国連再考 第5部 (10) ‐ 普遍性へチャレンジ
2003年12月05日
 国連は第二次世界大戦の悲惨な結果への反応として結成された。 国際連盟は第一次世界大戦の結果だった。 だからいまの国連に代わる新国際組織も世界大戦ほどの衝撃がなければ、生まれえないとする説がある。 そんな大戦はもうないだろうから、国連も絶対に今のままの形が続く、という認識につながる。 とすれば、いくら欠陥やゆがみがあってもいまの国連を受け入れるほかにない、という結論ともなる。

 国連改革論にはこんなあきらめがつきまとう。 現状の消極的な受け入れでもある。 だが米国の場合、この現状受け入れは国連を突き放す意識とも重なりあっている。 国連は国連で存続させ、自国は自国の利益を追求すればよい、という意見である。

 イラク戦争直後の今年三月、ブッシュ政権ともつながりの深い政治評論家チャールズ・クラウトハマー氏は米紙にその種の主張を発表した。

 「大統領は国連に戻るべきではない。 国連安保理の主要な目的は独裁者ではなく米国を抑制することだからだ。 米国民も国連のそんな正体を知っていて強い忌避を見せた。米国は国連を正式に脱退することなく、ただ国連の活動に背を向ければよいのだ」

 こうした主張をさらに強くしたのが同じ時期のウォールストリート・ジャーナル紙の社説だった。 「国連安保理よ、さらば」と題した同社説は次のように訴えていた。

 「イラク問題は国連の無力と機能障害を立証した。 そもそも国連の『集団安全保障』の任務は幻想だった。 米国は安保理を脱退し、イラク攻撃を支持したイギリス、オーストラリア、スペイン、日本などと新たな国際安全保障の機関を作るべきだ」

 国連合同監察団の監察官として長年、国連の改革に取り組んできたフランス人の法律学者モーリス・ベルトラン氏もいまの国連の欠陥を強調した上で、「新世界機構」への支持を表明する。

 「国連は本来の狙いの集団安全保障の非現実性を証し、国家主権を超越する世界機構という目標の実現には完全に失敗した。 この失敗を認め、『第三世代国連』に匹敵する新世界機構の創設を試みるべきだ。 新世界機構はすべての国の加盟を認める形式的普遍性を放棄し、明確な原則を承認し、その実施のための監視や管理の方法を受け入れる国のみに加盟を認める」

 イスラエルの外相や国連代表を務めたアッバ・エバン氏も別な表現で類似の趣旨を述べた。

 「いまの国連が目指した集団安全保障は加盟国に自国の安全保障を世界秩序に委ねさせるという不可能な条件を前提とした点でも失敗だった。 個人でも国民国家に対する忠誠心が国連への忠誠心に移るはずがない。 国民国家に前例のない行動様式を求めた国連の理念なるものは根本的に誤解だった。 国民国家の意思を尊重する新しい国際的組織が必要だろう」

 だがこうして主張される新国際機関の勧めも、国際社会を実際に動かす現実の力とはなかなかなりえない。 とはいえ現状の国連を超える理念としては注視される。 ちょうどそんな理念は超大国の米国政府からも打ち出されつつあるのだ。 ブッシュ政権の国連担当のキム・ホルムズ国務次官補は十月の演説で国連の将来について国連自体は保ちながらもその枠組みを変えてしまうことを提案したのだった。

 「市場経済と法の統治の革命的なパワーを理解する国連加盟諸国は『経済自由連盟』の樹立を考慮すべきだ。 この価値観を分かちあう先進国、途上国の間の国連でのパートナーシップは、グローバルな規模での経済的挑戦への取り組みをより円滑にするだろう」

 「もう一つ時期が来たのは『民主主義連盟』の樹立である。 民主主義の国家同士は国連内でも隣接の独裁国家とよりは強調しやすく、共通項も多い。 民主主義国家群は国連内でもまず最初に団結し、自由を世界に広げることに一致して精力を注ぐべきなのだ」

 こうした言葉で描かれるのは国連加盟国の中で市場経済や民主主義という理念や価値をともにする「有志連合」の結成である。 米国のブッシュ政権の代表が公式に表明する政策である点にこのホルムズ演説の意義がある。

 だれもが同じに、すべて等しく加わり、語り、動くという国連の普遍性へのチャレンジは、国連の枠組みを壊さないようにみえて、実は壊すことを示唆しながら、さりげなく打ち上げられているようなものである。


古森義久氏 産経新聞2003年12月5日付朝刊記事

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