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cutting edge
国連再考 第5部 (07) ‐ 憲法と常任理事国
2003年12月02日
 日本の国連安保理常任理事国入りの展望について佐藤行雄前国連大使は前向きな予測を語る。

 「安保理改革が実現した際には日本が常任理事国になるのは当然という見方が国際社会では一般的となった。 明確に反対しているのは北朝鮮だけで、中国も大勢が日本支持で固まれば、最後まで反対することはないとみられる」

 確かに国連に最大の分担金を払う常任理事国の米国も行政府はクリントン、ブッシュ両政権とも、日本の常任理事国入りを支援することを言明してきた。 ただしブッシュ政権はまず国連への不信を表明し、安保理自体の改革を求めたうえで、その改革が実現した場合には日本の常任理事国入りを支援する、という三段構えである。 だから単なる直線の支援とは異なる。

 更に国連では安保理改革に複雑な形でブレーキをかける一群の国があり、その動きが結果として日本の常任理事国入りへの障害となっている。 この一群はイタリア、スペイン、パキスタン、メキシコなど二十ほどの諸国で、その集まりは「コーヒー・クラブ」と呼ばれる。 イタリアの代表部に集まり、コーヒーを飲みながら協議をするところからの俗称だという。

 これらの国はみなそれぞれ、あの国だけは安保理常任理事国にさせたくないという特定の対象がある。 パキスタンはインドが、イタリアはドイツが、常任理事国になることだけは何とか阻止したいというわけだ。 安保上の潜在敵や地政、歴史の上でのライバルが常任理事国という強力な権限を持つポストを得ることを忌避するのである。

 だから「コーヒー・クラブ」は安保理改革でも拡大は非常任理事国だけにとどめ、常任理事国は全く増やさないことを主張する。 日本が新たに常任メンバーとなることにも結果として反対ということになるわけだ。

 日本は一九九八年には米国やイギリス、フランス、ドイツの四カ国と連携し、安保理改革を目指す決議案を出そうとしたが、「コーヒー・クラブ」の猛反対にあった。 その結果、提出されないままに終わった。

 前国連大使の佐藤氏によれば、最近では安保理常任理事国の拡大を求める日本が開く情報交換会には四十カ国を超える代表が集まり、「サケ・クラブ」と呼ばれ、「コーヒー・クラブ」を圧するようになったという。

 だがそれでも国連のどの国もが日本の常任理事国就任を支持するわけでもないのである。

 国内の議論で日本の常任理事国入りへの大きな障害とされるのは、やはり憲法上の制約である。 いまの憲法解釈では日本は集団的自衛権が行使できず、国連の活動でも集団での安全保障や平和維持の軍事行動には加われない。 だが常任理事国はその種の軍事行動を他の加盟国に指示する立場にある。 日本がもしその立場となれば、自国ができないことを他国にさせることとなる。

 今の日本がこの点で安保理常任理事国の資格に欠けることは佐藤氏も認める。

 「集団的自衛権が行使できなくては国連の集団的平和維持・執行活動に加われないことも、明確だろう。 だが日本が常任理事国になれるのはどうせ早くて数年後だから、それまでに憲法第九条の解釈を変えて、集団的自衛権の保有や行使を認めればよい」

 憲法改正にはより前向きの杏林大学客員教授の国際政治学者、田久保忠衛氏もほぼ同趣旨を述べる。

 「日本が安保理常任理事国となるのは大いに結構だが、もし憲法の制約による集団的自衛権禁止のままにそうなれば、危険な紛争地域への国連の平和維持・執行部隊の派遣に対し日本だけが拒否権を使って、反対せねばならなくなる。 だから日本はまず憲法の制約を乗り越え、普通の民主主義国家にならねばならない」

 しかし日本のこうした挙措は外部の率直な目にはどう映るのか。 国連研究家のイギリス人ジャーナリストのローズマリー・ライター氏は自書「失われたユートピア=国連と世界秩序」の中で次のような考察を述べる。

 「安保理は現実の世界を反映せねばならず、日本は現実の世界では大国だが、同時に軍事力行使に足かせを課された大国なのだ。 戦後の憲法の制約や国民の感情が消極的平和主義思考を強め、軍事力の集団的行使を困難にしている。 日本は自国の軍隊が海外での戦闘に関与できるよう国内法も国民感情も変わるまでは安保理常任理事国入りを考えるべきではないだろう」


古森義久氏 産経新聞2003年12月2日付朝刊記事

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