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cutting edge
国連再考 第5部 (04) ‐ 日本の分担金
2003年11月27日
 「日本は急速に増えいている国連平和維持活動(PKO)経費の多くを負担しているが、意志決定過程からは外されている。 この事実に対し日本側から強い苛立ちの感情が起きるのは当然だろう」(フランスの国際法学者ロスタン・メイディ氏)

 「国連では分担金の額が影響力の主要素であることは疑問の余地がない。 米国に近い最高レベルの金額を長年、払い続けてきた日本の国民からその支払額にふさわしい地位を国連で得ることへの期待が当然、出るだろう」(米国元国務次官補プリンストン・ライマン氏)

 日本国際連合学会が二年前に東京で開いた「国連での日本の役割」についての国際シンポジウムでは以上のような発言が出た。 日本と国連といえば、外国の国連専門家達はまず日本の提供資金の巨大さと国連での影響力の微少さとのギャップを心配してくれるのだった。 どうも日本側自信が抱く不平等意識よりも先を行くようなのだ。

 確かに日本は国連加盟国百九十一カ国の中でも超大国の米国と並ぶ突出した額の資金を提供している。 その額の割に米国とは天地の差ほどのわずかな権利しか与えられていない。

 現在、日本は国連の通常予算総額の19.516%という分担率を課されている。 つまり国連通常予算全体の五分の一ほどを一国で負担しているのだ。 米国の22%に次ぐ最高水準である。

 この比率は各国の国民所得に比例して決められる。

 その結果、今の日本は国連をなかば意のままに動かせる安保理常任理事国のうち米国以外の四カ国すべての総額よりも多い分担金を一国で支払っている。 常任理事国の分担率はフランス6.4%、イギリス5.5%、ロシア1.2%、中国が1.5%と、四国合計でも14%強である。 国連の通常予算は最近は年間約十三億ドルだから日本の負担が二億六千万ドル近くとなる一方、常任理事国四カ国合計が約一億八千万ドルにすぎないのだ。

 国連には通常予算のほか近年、急増する平和維持活動(PKO)がある。 この額が最近は年間三十億ドルにも達する。 この分担率も通常予算と同じ各国別数字が適用されるため、日本はここでも19%以上、つまり六億ドル近くを払う。

 以上が国連の義務的経費で、他に自発的な拠出金というのがあり、この資金が国連大学や国連開発計画(UNDP)などに投入される。 日本はこの拠出金でも米国に次ぎ、年間十一億ドルを記録したことがある。

 日本が国連に加盟した一九五六年の通常予算の分担率はほんの1.92%だった。 当時の加盟国八十カ国が出す予算総額の五十分の一以下の資金を負担すれば良かったのだ。 ところがその後、日本経済の成長とともに分担金は増え続け、六七年に2.77%だったのが七一年には5.40%、七四年には7.15%と、はね上がった。 そしてこの時点で日本の分担率は安保理常任理事国のフランス、イギリス、中国の三国いずれよりも高くなった。

 国連への支出も精神や道義という点から見れば、多ければ多いほどよいという思考も成り立つだろう。 だが国民の血税からの支出となれば、費用対効果の実益の計算も欠かせなくなる。 この点で我が日本は冒頭のメイディ氏の指摘のように、国連ではそれほどの影響力を発揮していない。 敵国条項で出発点から差別され、最高権限を有する安保理にも非常任理事国としてたまに入るしかない。

 九七年四月、国連入りした当時の小渕恵三外相が安保理常任理事国との分担金不均衡の是正を求めると、中国の国連代表は「常任理事国としての中国の地位は金で買ったのではなく第二次大戦での侵略に抗した努力への報酬なのだ」と反論し、中国がその戦争で二千七百万人の人命を失ったのだから、侵略を仕掛けた側からの支払い要求になど応じられない、と強調したという。

 外務省国連局で国連と関わった色摩力夫元チリ大使は分担金不均衡は七〇年代前半、日本の分担率が安保理常任理事国を追い越すことが確実になった時点で是正に努めるべきだったとして、反省を述べる。

 「外務省の一部にはこの是正を何とか実現したいとする動きもあったが、大勢は分担金は日本の国際協力のめでたい象徴として多ければ多いほど良いとする雰囲気だった。 当時の日本社会に満ちていた倒錯的心理状況の表れだった」


古森義久氏 産経新聞2003年11月27日付朝刊記事

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