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cutting edge
国連再考 第5部 (03) ‐ 加盟まで4年余
2003年11月26日
 日本が戦後、国連加盟を果たすまでの屈折したプロセスは国連のあり方、そして日本の国のあり方、いずれもの特異部分を象徴していた。

 日本は対日講和条約が発効して占領が終わり、独立を回復した一九五二年四月からすぐに国連加盟を求めることを決めていた。 同六月には国連事務局への申請手続きを取った。 朝鮮半島ではなお激戦が続いていた時期だった。

 日本の加盟申請は五二年九月の国連安全保障理事会で審議され、十対一という圧倒的多数の賛成を得た。 だがソ連の拒否権行使で加盟案はつぶれた。 その背景にはソ連と米国の緊迫した対立が影を広げていたわけだ。

 五二年十二月には米国が国連総会に日本の加盟を求める決議案を出した。 この決議案は日本がすでに国連憲章第四条の「平和愛好国」という資格などを満たしたことを宣言し、安保理がその認定を受け入れることを要請していた。 決議は総会で採択されたが、実際の加盟には安保理の承認が必要だった。 加盟の実現には総会の三分の二の賛成と安保理の常任理事国五カ国すべてを含む七カ国以上の賛成が不可欠だったのだ。

 東西冷戦のこの時期、米国とソ連が相手側陣営だとみなす諸国の加盟に対し相互に拒否権を使うことが続いていた。 だから一九五〇年からの五年間は新規加盟は一国もなかった。 だが五五年には国際情勢は第三世界の勢力拡大で微妙に変わり、米ソ両国は妥協して、それまでストップしていた十八カ国の新規加盟を認めることに合意した。

 だがこの妥協からも日本は最後の段階ではずされてしまった。 米国がモンゴル人民共和国の加盟に難色を示したことにソ連が報復し、日本の加盟に待ったをかけたのだ。 このため五五年の新規加盟は一括十六カ国となった。 国連には当時の日本が官民あげて仰ぎみた崇高な理想とともに、超大国の政略のままに動く濁った現実が厳存したわけである。

 だが翌一九五六年には日本が切望した国連加盟はやっと実現した。 八十カ国目の加盟だった。 日本が独立直後から国をあげる形で一日も早い加盟をと、必死の努力を始めてからすでに四年余りの歳月が過ぎていた。 この間に国連の固有の政治性、硬直性がいやというほど示されたのだった。

 日本の国連加盟が最終的に決まった五六年十二月十八日、重光光葵外相は国連総会本会議で不自由な足を引きずり、ツエをついて演壇に立ち、加盟演説を始めた。

 「日本は自国の安全保障と福祉を、平和を愛するすべての人々に委ね、国連が世界平和のための中心的な推進力であると信じる」

 重光演説はこの点を最も重視していた。 その直後から国連職員となった明石康氏はこの演説を聞き、強く感動したことを記録に残している。 だが国連がその日本加盟とまさに同時期にソ連軍のハンガリー侵攻に対して、全く何もできないという歴史的な挫折を示したことは皮肉だった。

 一方、日本国内では非武装・中立を唱えるいわゆる革新陣営が独立前、まず国連憲章が平和維持のための軍事行動をうたう点が憲法第九条に違反するのではないかという懸念を表明した。 「我が国のように武装力を持たず、永久平和主義を取る国の国連制裁戦争への協力の問題」(一九五〇年十二月の平和問題談話会研究報告)という提起だった。 憲法と国連憲章のこの整合性を巡ってはその後も論議が続いた。

 だが革新側も国連が武力を放棄した日本の特殊な地位に特別の考慮を払うだろうという期待をもとに、大勢は国連に加盟して日本の安全保障を託すべきだという立場へと変わっていく。

 他方、日本の安全を米国に託す道を選んだ政府側のいわゆる保守陣営も、少なくとも建前としては「やがては国連の集団的安全保障が日本をも守る」という立場を表明していた。 だから一九五一年に日米両国が結んだ旧安保条約も国連の集団的安保措置の効力が生じたと両国が認めたときには失効する、と記されていた。

 日本の国連加盟に際しては保守、革新いずれの側も文字通りに読めば非武装の憲法の下で国連の武装と米国の武装にどう身を寄せるか、錯綜したジレンマと背反とにつきまとわれていたのである。 戦争の悲惨な体験と平和への誠実な希求から生まれたとしても、現実の国際社会では異端で特殊と呼ばざるを得ない戦後・日本の国のあり方の反映でもあった。


古森義久氏 産経新聞2003年11月26日付朝刊記事

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