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cutting edge
国連再考 第5部 (01) ‐ 日本大使の体験
2003年11月24日
 日本の一部では国連に寄せる期待はなお熱い。

 「国連中心主義で世界の平和を守ります」

 今回の総選挙で民主党が掲げた政権公約の大きな柱だった。 その柱の内訳の第一は「自主的な外交と国連機能強化」をうたい、第二は「拉致事件の解決など北朝鮮問題への正面からの取り組み」を約束していた。 だが第一と第二がぶつかる現実はあまり語られない。

 日本にとって安全保障上、当面の懸念の最大対象である北朝鮮の理不尽な動向は国連に解決を仰ぐとかえって解決が遠のきがちになるという実情が存在してきたのである。

 一九九八年八月、北朝鮮がテポドン・ミサイルを日本の頭上に向けて発射した。 衝撃を受けた日本はすぐに国連安全保障理事会に北朝鮮非難の決議を出そうとした。 日本はたまたま安保理の非常任理事国を務めていたから、好機だった。

 だが中国が強い抵抗を示し、安保理での非難決議はおろか、提出もできずに終わった。 北朝鮮に対しては安保理議長の報道陣向け声明というほとんど意味のない意思表示となった。

 二〇〇三年四月の国連人権委員会で日本が切望した北朝鮮の日本人拉致を含む人権弾圧への非難決議に加盟五十三カ国のうち中国やベトナムなど十カ国が反対し、インド、パキスタンなど十四カ国が棄権した事も、周知の事実である。 国連を通じての北朝鮮問題の解決はことほど難しいのだ。

 「国連の現場を経験した人間として日本で抱かれている国連のイメージが国連の現実からあまりにかけ離れている事を強調したい。 日本で唱えられる国連中心主義というのは一体、何なのだろうと考えさせられる」

 昨年までの四年間、日本を代表する国連大使だった佐藤行雄氏(現日本国際問題研究所理事)が語る。 佐藤氏は日本の一般の国連への態度を「理解の不足どころではなく、大変な幻想」とまで断じている。 そしてその幻想と現実の落差を示す例証として、国連で米国に次ぐ巨額の分担金を払う日本がいかに軽く扱われがちかを物語る体験を一連の講演や論文で伝え続けている。

 佐藤氏は以下のようなケースを報告する。

 二〇〇一年十二月、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンに国際治安部隊を送る事についての安保理決議案を突然、見せられた。 翌朝に採択されるというその決議案は、治安部隊の経費を国連加盟国が分担する通常予算からではなく、治安部隊に兵力を送らない国からの自発的拠出にする、としていた。 当然、日本が最大の対象だった。

 部隊を出さない国に特に多額の経費を分担させるという方式は国連でも前例がない。 安保理の常任理事国のイギリスとフランスの勝手な提案だった。 佐藤大使は衝撃を受け、八方に手を打って、何とか阻止をしたという。

 同年九月、米国中枢への同時テロの翌日、国連安保理の公開討議でテロ対策について安保理メンバー以外の各国代表も演説をすることになっていた。 日本も事前に届け出て演説が決まっていた。 ところが当日朝、議長国のフランスから演説できるのは安保理メンバーの十五カ国に限る、と一方的に通告された。 このため佐藤大使の米国の対テロ戦争支持の演説は書面で出し、記録に残すに留められたという。

 九九年九月、独立が確実となった東ティモールの指導者グスマン氏を招いての安保理公開討議でも日本代表の演説が決まっていた。 だが会議が長引き、肝心のグスマン氏はアナン国連事務総長との昼食のために議場を離れてしまった。 その結果、東ティモールの復興に最大の貢献をする日本代表の佐藤大使は、空席に向かって演説をする羽目になった。 佐藤氏は怒り心頭に発して、議長に抗議したという。

 日本は手続き上でもこれほど軽視されるのだから、まして実質的な案件での阻害は想像がつく。 国連は決して日本の利害をことさらに心配などしてくれないのである。 国際協調を求める場ではあっても、しょせん異なる主権国家が自国の利益を追求して、駆け引き、取引を展開する舞台にすぎないのだ。 だから佐藤氏も日本の「国連中心主義」の危険を強調するわけだろう。

 「国連中心主義というのが日本の国益に関わる問題についての判断を国連に委ねるということならば、危険きわまりない。 日本には自国の利益のために国連を使用するという視点が欠けている。 国連を神聖化したような議論には心から危惧の念を覚える」


古森義久氏 産経新聞2003年11月24日付朝刊記事

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