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免疫力測定検査方法 | 免疫力測定評価基準 | 細胞の役割 |
細胞名 | 細胞の役割 |
T細胞(CD3+細胞) (Tリンパ球) |
感染に際して体の防御反応を担当するリンパ球の主要な仲間です。 細菌やウイルスなどの病原体と出会うと、分裂増殖し、またサイトカインと呼ばれるタンパクを産生し、生体防御に直接関わると共に、免疫学的な防御反応の調節もします。 血液1ml中には、白血球が4~8百万個ありますが、この中の20~40%がリンパ球で、そのリンパ球の中の80%前後がT細胞です。 |
T細胞亜集団 | T細胞は機能的に異なるいろいろな亜集団から構成されています。
亜集団の種類は切り口により異なる仲間が見られます。 一つは、CD4、CD8という2種類の膜表面タンパクで見たもので、T細胞はそれらのどちらかを発現します。 別の切り口では、病原体などの抗原に接したことがあるかないかを指標として、ナイーブT細胞、メモリーT細胞という2つのT細胞亜集団に分けることもできます。 |
CD4+T細胞 | この亜集団は免疫反応を補助する役割がありヘルパーT細胞とも呼ばれます。 T細胞は無数の抗原に対応し、無数のクローンから構成されています。従って、免疫反応を補助する役割も対応する抗原に限られ、特異的に作用します。 |
CD8+T細胞 | ウイルスなどに感染した細胞及び腫瘍細胞を殺傷する能力があり、キラーT細胞とも呼ばれます。 CD4+T細胞と同様に、CD8+T細胞の細胞殺傷能力は、抗原特異的に作用するのが特徴です。 |
CD4/CD8 T細胞比 |
免疫機能はT細胞の一対の亜集団であるCD4+T細胞とCD8+T細胞が適切なバランスが取れているときに、もっとも効率よく働きます。 そこで、この比を免疫力の働きを示す一つの指標とし、バランスがとれているかどうかを見ます。ストレスがかかると減少する傾向を示します。また、この細胞比は加齢とともに増加します。 |
ナイーブT細胞 | まだ、病原体などの抗原物質に出会ったことのないT細胞で、ナイーブT細胞と呼ばれます。細胞は休止期の状態にあります。 新しい病原体に感染した時、このナイーブT細胞の中で、新しい病原体の抗原に対応するT細胞が増殖し、機能的に分化して、新しい病原体に対抗するようになります。 この亜集団の数が多いと、新しい病原体への対応が能率良く行われると考えられます。加齢と共にこの細胞数は減少します。CD4+ヘルパーT細胞とCD8+キラーT細胞のそれぞれにこの亜集団があります。 |
メモリーT細胞 | 病原体などの抗原物質に一度出会ったT細胞は、分裂増殖した後、一部がメモリーT細胞として残ります。 メモリーT細胞は再度同じ抗原に出会うと、直ちに反応し、分裂増殖し、生体防御としての役割を迅速に果たします。加齢と共にこの細胞数は増加します。CD4+ヘルパーT細胞とCD8+キラーT細胞のそれぞれにこの亜集団があります。 |
ナイーブ/メモリー T細胞比 |
免疫機能はT細胞の一対の亜群であるナイーブT細胞とメモリーT細胞の比率が適切なバランス示しているときに、最も能率良く働きます。 そこで、この比を免疫力の働きの一つの指標とします。ストレスまたは病気の時には減少する傾向を示します。また、加齢と共に減少します。CD4+ヘルパーT細胞とCD8+キラーT細胞のそれぞれにこの比率があります。 |
T細胞増殖能 | T細胞は細菌やウイルスなどの病原体に出会うと分裂増殖し、病原体に特異的に対抗できる仲間を増やして感染に大勢で対抗するようになります。 この分裂増殖能が高いほど、感染に対抗する能力が高いことを示します。 実際には、T細胞を病原体で刺激するのと似たような条件で3日間培養し、特殊な方法で、分裂増殖の程度を測定し、細胞レベルのT細胞増殖能を測定します。個体レベルの能力にするには次の処理が必要です。 |
T細胞増殖係数 | 上記のT細胞とT細胞増殖能の測定値から計算される係数で、個体レベルのT細胞の増殖能力を示します。 この係数が高いと感染に対抗する能率が高いことを示します。 この係数は個体の年齢との逆相関性が高いので、この係数から年齢を推定することができます。それを免疫力年齢と呼びます。 |
免疫力年齢 | T細胞増殖係数は年齢との逆相関性が高く年齢と共に減少します。 その相関式を利用して、T細胞増殖係数から年齢を推定することができます。人の総合的な免疫機能の目安となります。 |
CD8+CD28+ T細胞数 |
CD28はT細胞の大部分に発現されている分子で、T細胞を活性化するシグナル受容体です。 しかし、T細胞の2つの亜集団、CD4T細胞とCD8T細胞の中で、年齢と共にCD8T細胞のCD28は次第に消失し、CD8+CD28-T細胞が、年齢と共に増加します。 逆に云いますと、CD8+CD28+細胞は年齢と共に減少します。ウイルス感染細胞やがん細胞殺傷するキラーT細胞は、このCD8+CD28+細胞から分化します。 |
Tリンパ球年齢 | CD8+CD28+T細胞数は年齢と共に減少します。 その相関式を利用して、CD8+CD28+T細胞数から年齢を推定することができます。それをTリンパ球年齢と呼びます。 Tリンパ球年齢は免疫力年齢、およびT細胞増殖能と高い相関性を示しT細胞増殖能を推定する簡便な目安となります。 即ち、免疫力年齢の予備的な指標として使えます。 |
Treg細胞 | 表面マーカーとしてはCD4+CD25+FoxP3+で、CD4+CD25+T細胞の中の主要部分を占めます。 免疫反応を制御する働きがあることから、Regulatory T細胞と呼ばれ、そこからTregという名前がつけられています。 大まかにいいますと、Tregの数が多いとがん細胞を殺傷するキラーT細胞の働きを抑えます。 逆にTregの数が減少すると、自己免疫現象が促進すると考えられています。増えても減っても問題を起こす細胞で、適切な数が望まれる細胞集団です。 |
B細胞 | リンパ球の中で、T細胞とならび免疫系を構成する主要細胞です。 T細胞と同じように、対応する抗原と接すると、刺激され、分裂増殖し、機能的に分化し、細菌・ウイルスなどの病原体(抗原)を殺傷するタンパク抗体を産生します。 抗原の種類により、T細胞の補助(ヘルパーT細胞)を必要とする場合とそうでない場合があります。 前に説明済みですが、血液1ml中には、白血球が4~8百万個あり、この中の20~40%がリンパ球で、そのリンパ球の中の10%前後がB細胞です。 |
NK細胞 | NKはナチュラル(Natural、自然の)キラー(Killer、殺傷)略です。ウイルス感染細胞や腫瘍細胞と出会うと、それらを殺傷する働きを広範囲に示します。この働きは自然であり(Natural)、NK細胞の受容体に認識されれば、初めてのウイルス感染細胞や腫瘍細胞にも作用します。 CD8+キラーT細胞はMHCクラスⅠをもつ樹状細胞などの抗原提示細胞の助けにより抗原特異的に殺傷作用を示しますが、NK細胞の働きにはMHCクラスⅠや抗原提示細胞の助けを必要としません。 NK細胞にはCD16+CD56+、CD16-CD56+、CD16+CD56-の3種類の亜集団があります。CD16+CD56+細胞は通常のNK細胞です。CD16-CD56-細胞はパーフォリン等の細胞を殺傷する蛋白の量が少なく、殺傷能力の低い細胞ですが、癌などの病気で時に増加します。CD16+CD56-細胞は少数で増減を示すことはほとんどありません。 |
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