ブラジル上院、コロナ対応の現金給付を承認-財政規律守る措置は維持
Samy Adghirni、Martha Viotti Beck-
現金給付を含む憲法改正案は下院に送付、来週にも採決の可能性
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政府の歳出上限ルールを脅かすものではない-下院議長がツイート
ブラジル上院は、新型コロナウイルス禍で打撃を受けている低所得者層向けの440億レアル(約8400億円)規模の支援策を承認した。コロナの感染再拡大に経済が圧迫され、医療体制は崩壊の危機にひんしている。
昨年末で終了した現金給付プログラムを再開させる今回の措置は、憲法改正案の一部を成すもので、緊縮財政への政府のコミットメントを示すためゲジス経済相が求めていた補正的な財政措置も含まれる。ブラジルは2020年に過去最大の財政赤字を記録した。
上院は3日夜と4日に2回採決を行い、この緊急法案を可決。ゲジス氏の緊縮財政策を骨抜きにしようとする修正案は全て否決されたため、投資家の間で安心感が広がり、4日の市場でブラジルの株式と通貨は上昇した。同法案は下院に送付され、採決が来週行われる可能性がある。
保護マスクを着用しサンパウロの市場を歩く人々
写真家:Jonne Roriz / Bloomberg
同法案では、約4000万人を対象に1カ月当たり250レアルの現金給付を4回行うための政府借り入れを認める内容。政府は昨年、より手厚いプログラムに3220億レアルを投入し、6000万人余りを対象に1カ月当たり最大600レアルの給付を実施した。
ブラジルの株価指標であるボベスパ指数は4日の取引で一時2.9%高となった。通貨レアルは対ドルで一時1.4%上昇した。リラ下院議長は3日、同法案は政府の歳出上限ルールを脅かすものではないとツイートしていた。同ルールは公的支出の増加率をインフレ率の伸び率以下に抑える措置で、投資家の間では財政赤字の増大を防ぐ最後のとりでと見なされている。
原題:Brazil Senate Backs Covid Aid With Fiscal Fix as Pandemic Soars(抜粋)