10万人調査で判明!腰痛・ひざ痛 劇的改善のカギは足形にあり!?
今回は、足の指が地面にきちんと着いていない「浮き指」と呼ばれる症状を取り上げました。ふだんはあまり注目されない足の指ですが、実は体のバランスを保つのにとても重要な部位。そこに異変があると、腰痛やひざの痛み、肩こり、頭痛など、さまざまな症状につながる可能性があることがわかってきたのです。
浮き指になる原因の一つと考えられているのが「靴」。サイズが大きい靴や、つま先が細い靴を履いている人、また靴ひもをきちんと締めない人は要注意!靴の中で指がうまく使えず、浮き指になりやすくなると言います。
番組では浮き指を防ぐ正しい靴の選び方や、浮き指の改善に効果的な足指体操をご紹介しました。
浮き指って何?
「浮き指」とは直立した時に足の指に体重がかからず、浮いてしまっている状態のこと。10万人以上の日本人の足形を取って調査した桜美林大学の阿久根英昭先生によると、足の指が1本以上浮いている人は、男性の6割、女性の8割にも上るといいます。
浮き指が体にどのような影響を与えるかは、まだ研究段階ですが、以下のように推測されています。足の指に体重がうまくのっていないと、重心が後ろ側に移動します。すると人はバランスを保とうと、無意識に上半身を前に傾け、猫背のような姿勢になります。そうなると頭の重さを支えるために、首から腰にかけての筋肉に余計な負荷がかかり、頭痛や肩こり、腰痛などにつながると考えられているのです。
また人は歩行時には、衝撃を足の裏全体で分散しながら歩いていますが、指が浮いている状態だと、うまく衝撃を分散できず、ひざへの負担が増すと考えられています。実際に番組で行った実験では、浮き指の人は正常な人に比べて、1歩歩くごとに、ひざに3キロ相当の負荷が余分にかかっていました。また浮き指になると、前方に踏ん張る力が弱くなり、「転倒」のリスクも高まると研究者たちが警鐘を鳴らしています。
浮き指のチェック法
浮き指かどうかを正確に判断するには、足底圧計測機などを使って調べる必要がありますが、番組では目安がわかる簡単なチェック法をご紹介しました。
用意するのは、はがきや名刺ぐらいの厚さの紙です。
平らな場所で直立し、まっすぐ前を向きます。
そして誰かに、足指の下に紙を差し込んでもらいます。
指に体重がきちんとかかっていれば、紙は入りません。
しかし指に体重がかかっていない浮き指状態だと、紙が入ります。
あくまでも目安を知るための方法ですが、ためしてみてください。
原因の一つは「靴」!?正しい靴の選び方
浮き指になる原因の一つと考えられているのが、「靴」です。
日本人は脱ぎ履きがしやすい大きめな靴を履きがち。すると靴が脱げないように、無意識に指を上に反らします。これが長く繰り返されると、足の甲の側の筋肉が凝り固まり、浮き指が常態化してしまうのです。
いま履いている靴が合っているかどうか、チェックしてほしいポイントは2つあります。
1つめは、足の甲の部分に指が入るかどうか。サイズが大きい靴を履いていたり、靴ひもをしっかり締めずに履いていたりすると、ここに隙間ができます。指が1本以上入るようであれば、足に合っている状態ではありません。
2つめは、つま先の余裕がどれくらいあるか。かかとを合わせ、親指の先に1cm~1.5cmの隙間があるのが理想です。これ以上だと、ぶかぶかな状態。これ以下だと、指先が靴に当たってしまいます。
つまり浮き指にならないためには、
- かかとをあわせて、つま先に1cm~1.5cmの余裕がある靴を選ぶ。
- ひも靴の場合は、毎回ひもをしっかり締める。
またハイヒールなどのつま先が細い靴は、指がつまって浮き指になりやすくなってしまうため、長時間履き続けることは控えましょう。
浮き指を改善!“ひろのば体操”
福岡の理学療法士・湯浅慶朗さんが、浮き指の改善法として広めている「ひろのば体操」をご紹介します。
椅子に座り、足をもう片方の足の太ももにのせます。
次に、手の指を1本ずつ、足の指の間に入れ、手を軽く握ります。
甲の方へ指を軽く曲げます。その状態で5秒キープ
(※痛みが出ないくらいの力で。軽い力でも痛みがある時は行わないでください)
反対に足の裏の方へ軽く曲げます。その状態で5秒キープ。
(※痛みが出ないくらいの力で。軽い力でも痛みがある時は行わないでください)
これを1日1回、片足15往復ずつ行ってください。
凝り固まった足の甲の側の筋肉をほぐし、浮き指を改善させる効果が期待できます。
番組では、浮き指だった人が2か月間この体操を実践した結果、浮き指が解消し、長年悩んでいたひざの痛みや腰痛も改善したという事例をご紹介しました。