新型コロナに感染した人のうち、何らかの後遺症を訴える人は3人に1人。後遺症の一つがにおいや味が分からなくなる嗅覚・味覚障害です。

 金沢医科大学などの研究チームが国内で初めて大規模調査を実施することになりました。

 今も感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。特徴的な症状の一つとしてにおいや味が突然分からなくなる嗅覚・味覚障害があげられます。

金沢医科大 三輪高喜教授:
「全く鼻詰まりや鼻汁がないのに電気を消したようににおいが消える。風邪ひきやインフルエンザとは違う」

 金沢医科大学で耳鼻咽喉科が専門の三輪高喜教授です。国内で初めて新型コロナに感染した患者1000人を対象に嗅覚・味覚障害に絞った調査を実施することにしました。その方法とは…。

(リポート)
「これが嗅覚検査用のキット。中を開けるとほのかににおいを感じます」

 12種類のシートには、それぞれ「ある香り」がつけられています。何の香りがするか、選択肢の中から1枚ずつ答えてもらいます。

三輪教授:
「においそのものがないという人がいる。異嗅症、かいだにおいが今までと違うという人もいる。カレーを食べていても何を食べていても、すべてマニキュア(の匂い)に似ている。おいしくない、食欲も落ちるし食べるのも嫌になる」

 調査では、香りだけでなく19種類の味をつけた試験紙をなめて味覚の変化も調べます。調査は発症直後、1か月後、3か月後と継続して行い、後遺症がどれだけ続くかも調べます。

三輪教授:
「新型コロナの場合は後遺症の出方が、脱毛や倦怠感などバラエティーに富んでいる。嗅覚・味覚障害がどれだけでるかきちんと把握して理解していただく。単なる風邪ではないということを理解してほしい」

 三輪教授の研究チームは2月15日から調査を始めていて、来年度中に結果をまとめる方針です。