この騒動の影響もあってか、馬場氏は2016年10月にスクウェア・エニックスに移籍。17年2月にはスクウェア・エニックス・ホールディングスが同年1月に発足させた株式会社スタジオイストリアの代表取締役に就任。同社で新作ゲームの開発を目指していたが完成することなく、18年12月末に代表取締役を退任。19年3月末にスクウェア・エニックスを退社していた。
馬場氏はDWに在籍し『サクラ革命』に関わっているのか
過去の作品が、インターネット上で炎上したとしても、新たに素晴らしい作品を世に送り出して世間の評価が一変するクリエイターはたくさんいる。バンダイ・ナムコ時代に何があったとしても、それは今現在の仕事や成果には関係がない。馬場氏は、前職で大型タイトルいくつも手掛けてきた著名プロデューサーでもあるし、その次回作を期待していたファンもたくさんいるはずだ。素朴な疑問として、なぜ今回に限って表に出てこないのだろうか。
当編集部はまず、DWの本社の置かれている東京都目黒区青葉台の住友不動産青葉台タワーに出入りしている関係者に馬場氏の写真を渡し確認した。その結果、複数人から「見たことがある」「DWの人です」などの証言を得た。
そのうえで、『サクラ革命』と関係のあるKADOKAWA関連会社幹部にこの件を当てたところ、次のように声を潜めて語った。
「絶対にマスコミやネット上で漏らしてはいけないことになっているようですが、(馬場氏は)DWに出入りしています。かつてスクウェア・エニックス・エニックスに在籍していたDWの庄司顕仁取締役と懇意にしているようです。
庄司さんも『FGO』(編集部注:DWが運営を手掛ける大人気ゲームアプリ『Fate/Grand Order』のこと。配信はアニプレックス)のローンチ時、緊急メンテナンスが立て続けに発生して、一部のユーザーから壮絶なネットリンチにあっていました。馬場氏と同じような境遇になったことがあるので、なにか感じるところがあったのかもしれません。馬場氏が表に出ないのは、後進の育成のためにあえて黒子役に徹するという意味もあるのかもしれません」
「馬場さんは(自分の存在により)コンテンツをアンチの批判で破綻させないために、絶対に表に出ないほうが良いと言っているらしい。テイルズの件があったけれど、プロデューサーとしては腕を買っていると説明を受けています」
別の関係者から提供されたDW社内の組織図(いつの時点のものかは不明)には『サクラ革命』のエグゼクティブプロデューサー兼エンターテイメント事業本部長として馬場氏の名前があった。上記の各証言の録音データや各種資料を踏まえ、当編集部は「馬場氏はDW社の『サクラ革命』の責任者ということなのか」「馬場氏が同コンテンツの責任者として明記されていない理由はなぜか」についてDWに質問状を送付したが、期日までに回答を得られなかった。
いつかまた、往年の名プロデューサーの口から自身が携わるゲームに関する見解を聞くことができる日はくるのだろうか。
(文=菅谷仁/編集部、協力=ナカイド/ゲームレビュワー)













