1896年のアテネ大会から2016年のリオデジャネイロ五輪まで、近代オリンピックは中止を挟みながら夏冬合計51回開催されてきた。2020年夏には1964年以来56年ぶり2度目の東京五輪が行われる。これまでの夏・冬季五輪メダル獲得数ランキングと上位の国がなぜ強いのかを解説する。
■夏季五輪・世界各国のメダル獲得数ランキング(上位20カ国)
日本は世界で11番目に多くメダルを獲得しており、その内訳は金メダルが142個、銀メダルが135個、銅メダルが162個である。前回のリオデジャネイロ五輪では、日本最多となる1大会で41個のメダルを手にした。
最もメダルを手に入れた国はアメリカ合衆国で、総数2522個を記録して2位以下に1000個以上の差を付けている。また、メダル獲得総数が1000個を超えている国はアメリカとソビエト連邦(旧ソ連)だけである。
1位.アメリカ合衆国
- 金メダル:1022個 銀メダル:795個 銅メダル:705個 総数:2522個
2位.ソビエト連邦
- 金メダル:395個 銀メダル:319個 銅メダル:296個 総数:1010個
3位.イギリス
- 金メダル:263個 銀メダル:295個 銅メダル:291個 総数:849個
4位.フランス
- 金メダル:212個 銀メダル:241個 銅メダル:263個 総数:716個
5位.ドイツ
- 金メダル:191個 銀メダル:194個 銅メダル:230個 総数:615個
6位.イタリア
- 金メダル:206個 銀メダル:178個 銅メダル:193個 総数:577個
7位.中国
- 金メダル:224個 銀メダル:167個 銅メダル:155個 総数:546個
8位.オーストラリア
- 金メダル:147個 銀メダル:163個 銅メダル:187個 総数:497個
9位.スウェーデン
- 金メダル:145個 銀メダル:170個 銅メダル:179個 総数:494個
10位.ハンガリー
- 金メダル:175個 銀メダル:147個 銅メダル:169個 総数:491個
11位.日本
- 金メダル:142個 銀メダル:136個 銅メダル:163個 総数:441個
12位.ロシア
- 金メダル:149個 銀メダル:124個 銅メダル:153個 総数:426個
13位.東ドイツ
- 金メダル:153個 銀メダル:129個 銅メダル:127個 総数:409個
14位.ルーマニア
- 金メダル:89個 銀メダル:95個 銅メダル:122個 総数:306個
15位.フィンランド
- 金メダル:101個 銀メダル:85個 銅メダル:117個 総数:303個
16位.カナダ
- 金メダル:64個 銀メダル:102個 銅メダル:136個 総数:302個
17位.オランダ
- 金メダル:85個 銀メダル:92個 銅メダル:108個 総数:285個
18位.ポーランド
- 金メダル:68個 銀メダル:83個 銅メダル:133個 総数:284個
19位.韓国
- 金メダル:90個 銀メダル:87個 銅メダル:90個 総数:267個
20位.キューバ
- 金メダル:78個 銀メダル:68個 銅メダル:79個 総数:225個
■冬季五輪・世界各国のメダル獲得数ランキング(上位20カ国)
冬季五輪の日本が、獲得したメダルの総数は世界で17番目。最も手にしたメダルの種類は、それぞれ22個を記録した銀・銅メダルである。
夏季五輪とは異なり、ノルウェーが強さを見せており、世界で1番多い合計368個のメダルを獲得している。アメリカ合衆国はそのノルウェーに次いで2位に位置し、トータル305個のメダルを手に入れている。
1位.ノルウェー
- 金メダル:132個 銀メダル:125個 銅メダル:111個 総数:368個
2位.アメリカ合衆国
- 金メダル:105個 銀メダル:110個 銅メダル:90個 総数:305個
3位.ドイツ
- 金メダル:92個 銀メダル:88個 銅メダル:60個 総数:240個
4位.オーストリア
- 金メダル:64個 銀メダル:81個 銅メダル:87個 総数:232個
5位.カナダ
- 金メダル:73個 銀メダル:64個 銅メダル:62個 総数:199個
6位.ソビエト連邦
- 金メダル:78個 銀メダル:57個 銅メダル:59個 総数:194個
7位.フィンランド
- 金メダル:43個 銀メダル:63個 銅メダル:61個 総数:167個
8位.スウェーデン
- 金メダル:57個 銀メダル:46個 銅メダル:55個 総数:158個
9位.スイス
- 金メダル:55個 銀メダル:46個 銅メダル:52個 総数:153個
10位.オランダ
- 金メダル:45個 銀メダル:44個 銅メダル:41個 総数:130個
11位タイ.フランス
- 金メダル:36個 銀メダル:35個 銅メダル:53個 総数:124個
11位タイ.イタリア
- 金メダル:40個 銀メダル:36個 銅メダル:48個 総数:124個
13位.ロシア
- 金メダル:47個 銀メダル:38個 銅メダル:35個 総数:120個
14位.東ドイツ
- 金メダル:39個 銀メダル:36個 銅メダル:35個 総数:110個
15位.韓国
- 金メダル:31個 銀メダル:25個 銅メダル:14個 総数:70個
16位.中国
- 金メダル:13個 銀メダル:28個 銅メダル:21個 総数:62個
17位.日本
- 金メダル:14個 銀メダル:22個 銅メダル:22個 総数:58個
18位.西ドイツ
- 金メダル:11個 銀メダル:15個 銅メダル:13個 総数:39個
19位タイ.チェコ
- 金メダル:9個 銀メダル:11個 銅メダル:11個 総数:31個
19位タイ.イギリス
- 金メダル:11個 銀メダル:4個 銅メダル:16個 総数:31個
■上位の国はなぜ強いのか?
オリンピックでのメダル獲得総数上位国は、GDP(国内総生産)が高く、自国の経済発展がメダル数と関係していると言えそうだ。高度なスポーツ選手を生むためには、最新の道具や施設、選手として練習に打ち込める時間が必要になり、おのずと豊かな経済力を持っている国が有利になっているのだろう。
また、日本の女子レスリングにおいて、複数大会連覇の吉田沙保里や伊調馨らの後に川井梨紗子が出てくるなど、メダル獲得数上位国では次々と上位進出の期待できる選手たちが現れていることも特徴である。選手らが所属する名門と呼ばれる大学や企業、自治体などが大きな強化予算を持っているなど、経済が発展した国ならではの現象と言える。
なお、メダル獲得数と人口はスウェーデンやハンガリーなど、人口の多くない国が上位に位置していることから、関係性が薄いと考えられるだろう。