オーバーウォッチ:ゲンジとシグマ強化、ザリア弱体化など6ヒーローに7種のアップデート(エクスペリメンタル)

オーバーウォッチ:ゲンジとシグマ強化、ザリア弱体化など6ヒーローに7種のアップデート(エクスペリメンタル)

本日2021年3月5日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch(オーバーウォッチ)』のライブサーバーにて、テスト環境「エクスペリメンタル」を実施しました。今回のテスト内容は、ヒーローのバランス調整となっています。

また、ライバル・プレイSeason27の開幕延期がBlizzardのフォーラムにて発表されています。

ライバル・プレイSeason27の延期

技術的な問題が発生したためSeason27の開幕が日本時間の2021年3月10日(水)の午前4時まで延期すると発表されました。これに伴い、Season26の開催期間が延期されます(「シーズン終了まで 1分未満」は表示されたまま)。

該当延長期間中に順位を上げたプレイヤーは、消耗品ではない報酬(スプレー等)のみ受け取り可能。報酬の取り扱いの詳細についてはフォーラム(英語)をご覧ください。

ヒーローのバランス調整(エクスペリメンタル)

今回のエクスペリメンタルは、2/2/2のロールキュールールでプレイ可能。エクスペリメンタルでの変更点は本モード限定で、クイック・プレイ、ライバル・プレイ、アーケードへの影響はありません。

エクスペリメンタルでのテスト期間は、現地時間で来週の初めまでと発表されています。

MARCH EXPERIMENTAL CARD 1.57 IN TWO MINUTES (Comparisons)

ゲンジ(バランス調整)

ゲンジ 1

「手裏剣」の連射速度を上げることでアルティメット以外での影響力を高めました。また、ダメージ出力の上昇に伴い、「龍撃剣」のコストを上げてバランスを取りました。

  • “手裏剣”
    • リカバリー時間を0.75秒から0.68秒に短縮
  • “龍撃剣”
    • アルティメットのコストを15%増加

“手裏剣”の射撃レート向上は、2020年7月29日の弱体化前のサブ射撃の数値0.65秒にかなり近い値となっており、今回はメイン射撃(3連投)のレートも向上しています。弱体化前当時はオーバーウォッチリーグでもゲンジが頻繁に使用され、いかに“龍撃剣”を早く抜くかという環境でした。

その点を考慮し、今回の調整では“龍撃剣”のコストアップも同時に実施されています。第一線で活躍していた当時の性能と比べると、ダメージや射撃レートが若干低下(メインは上昇)+ Ultのコストアップという事になるので、ピック率は現在からやや上昇する程度と予想されます。

メイ(強化)

メイ 3

少し前に、「クリオフリーズ」の衝突判定が「アイス・ウォール」と一致するように変更を加えましたが、それによって氷の中にいる間は味方がメイにターゲットを合わせることができなくなりました。アビリティの発動中に味方から回復を受けるのが難しい点を踏まえて、「クリオフリーズ」の回復速度を上げることにしました。

  • “クリオフリーズ”
    • 1秒あたりの回復量を37.5から50に増加

上記調整の結果、1度のアビリティ使用で回復できる最大ライフ量も150から200に増加しています。純粋に毎秒ヒール量が12.5/秒増加しているので、少しだけ回復をしたい場面(キャンセルする場合)でも、今までよりも短い凍結時間で済むようになります。

ファラ(強化)

オーバーウォッチ: 最新のPTRパッチでファラが永遠に飛べるように、製品版に適用なるか

燃料とクールダウンをうまく管理さえすれば一定の高度を保てるようにするため、「ホバー・ジェット」に手を加えました。また、一部のマップに設定されている超高層にあまりにも簡単に到達できてしまうとゲームの面白みが損なわれるので、その点のバランスも加味しています。

  • “ホバー・ジェット”(パッシブ)
    • リソース再生レートを35/秒から43/秒に増加

今回のテスト調整によって、1秒間で回復できるリソース量が全体の35%から43%へと8%増加したことになります。一見それほど大きな増加ではないように見えますが、2秒間であれば16%の増加、全体の86%を回復する事ができるようになり“ジャンプ・ジェット”との併用で高い滞空性能を発揮できるようになります。

現在のライブ環境の仕様になったのは2020年8月7日のアップデートで、このアップデート以前のリソース再生レートは50/秒でした。

リーパー(強化)

ここ最近に実施したショットガンの調整は、意図していたよりも効果がなかったため、1発あたりのダメージをわずかに上げました。

  • “ヘルファイア・ショットガン”
    • 弾ごとのダメージを5.5から6に増加

最新のライブアップデートで実施された調整の一部を一つ前のエクスペリメンタル時点の仕様に戻す調整。今回の調整により、1ショットの最大ダメージは5.5×20の110から6×20の120に上昇します(ヘッドショット考慮せず)。

前回、集弾性の向上と同時に実装されたダメージ低下の弱体化ですが、なぜかエクスペリメンタル時点よりも0.5ダメージ低下しての実装となっていました。その結果、与ダメージ量の減少がパッシブアビリティ“ザ・リーピング”の回復量の減少に繋がった他、バリアの突破も困難になり発動機会自体も減少、Ult回転率も低下とマイナス調整の方が色濃く出てしまい、同時に行われた強化がまるで無かったかのような調整となってしまっていました。

シグマ(強化)

シグマ(エクスペリメンタル・バリア)

前回の「エクスペリメンタル・バリア」のクールダウンの延長は、意図した通りにカウンターの機会を増やしましたが、シグマに必要以上に制限を課すことなく同様の効果をもたらすため、値を調整しました。

  • “エクスペリメンタル・バリア”
    • クールダウンを2.5秒から2.0秒に短縮

度重なる弱体化に加え、今年の1月中旬に実施されたアップデート(“エクスペリメンタル・バリア”のクールタイムを1秒から2.5秒に増加)でとどめを刺されたシグマに久しぶりの強化調整。ライブ環境との比較では強化ですが、上記のアップデート前と比べると、使用頻度に反してあいかわらず長めのクールタイムではあります。

ザリア(弱体化)

ザリア 3

ザリアは様々なチーム構成においてあまりにも強力な性能となっていたため、エネルギー消費率を上げることで戦闘時の平均的なエネルギー量を引き下げました。

  • “エネルギー吸収”(パッシブ)
    • 1秒あたりのエネルギー消費率を1.6から1.8に増加

この調整によって高エネルギー状態の維持が若干困難になり、極端な場面の話ではあるものの、エネルギー量100%のザリアが0%になるまでの時間は62.5秒から約55.6秒へと約7秒短くなります。

ザリアは厳しい環境の続くタンクロールのヒーローの一人ではありますが、前回のライブアップデート以降から現在まで、非常に高いピック率を誇っているヒーローです。同じ枠を争う他のタンクの出番を増やすため、仕方のない調整といったところでしょうか。

今回の調整傾向と現環境

今回も使用率の低くなってしまっているヒーローに対する調整がほとんどで、それらヒーローが環境から姿を消す原因となった弱体化前後の中間的な性能にしようという傾向(ゲンジ、ファラ、シグマ)が見られます。メタ環境については、前回のライブアップデートが約1ヶ月前ということもあり、当時にくらべ大きく変化しました。

まず、前回のライブアップデート時のピック率Top6は「ザリア/レッキング・ボール/ゼニヤッタ/マーシー/マクリー/トレーサー」となっていましたが、現在のピック率Top6は「ザリア/ラインハルト/バティスト/ルシオ/マクリー/レッキング・ボール」となっており、構成単位で見るとレッキング・ボールが外れトレーサーが加わります。

タンク環境は前回前々回と復権の兆候を見せていたハルザリ構成が完全復活を果たし、昨今のメタ構成であったレッキング・ボール+シグマ or ザリアを超える圧倒的な採用率となっています。ピック率Top6を見ると弱体化を受けたレッキング・ボールもそれなりの採用率に見えますが、それはタンクヒーローの数の少なさに由来している部分が大きく、実数値で見るとラインハルトとザリアの半分程度のピック率となっています。

他のタンクについては、強化を受けたウィンストンとオリーサは伸び率はいまいちであるもののピック率自体は微増。特に調整のなかったシグマはウィンストン以下オリーサ以上のピック率(タンク中5/8位)にランクダウン。“キネティック・グラスプ”での防御が困難な相手であるハルザリ台頭の影響が見られます。

ダメージヒーローは、相変わらずマクリーとトレーサーが高い採用率を誇っていますが、ドラゴンサージ(“龍撃破”+“グラビトン・サージ”)のパーツとして必要であり、後述のサポートヒーローと相性が良いハンゾーがトレーサー枠のシェアを奪取しつつあります。ハルザリ構成の性質上、単体での性能と同時にヒーロー同士のシナジーも重視されるため「自己完結のトレーサー」よりも「噛み合うハンゾー」が評価されてきていると考えられます。

その一方で両性能で優秀なマクリーは更にピック率を伸ばし、ダメージヒーローでダントツの1位となっています。長期的な微強化でゆっくりと環境に現れたヒーローではありますが、これだけ高いピック率を維持し続けてしまうとそろそろ絶対的 or 相対的な弱体化の気配を感じます。

サポートヒーローは、前回までのゼニヤッタ+マーシーから一変し、ルシオ+バティストがメタタッグに。他のタンク構成に比べハルザリ構成は起点作りとして優秀な“アース・シャター”や“グラビトン・サージ”を持つため試合にメリハリが生まれやすく、攻め手受け手共に動くタイミングがはっきりしています。そのためゼニヤッタ+マーシーのような恒常的なアドバンテージよりも、バティストやルシオが持つ瞬間的な破壊力や受け性能が評価されやすいのが要因だと考えられます。

一部具体的な例を紹介すると、攻めの面でバティストは“グラビトン・サージ”に合わせた“アンプリフィケーション・マトリックス”でのアシストが非常に優秀です。“ファイア・ストライク”を通過させればバリア無効“心頭滅却”貫通で200族をキル可能。同場面ではバリアの突破自体も容易なうえ、上記構成であればマクリーのヘッドショットが250族まで1確、ハンゾーは“嵐ノ弓”1本で最大500ものダメージを発生させます。また、“アンプリフィケーション・マトリックス”はそのもので敵を倒すわけではなく、あくまでダメージバフであるため、Ultでの直接キルと異なりハルザリ構成の魅力であるUltのサイクルを阻害しない(バフ付き攻撃でも味方のUltは溜まる)点も好相性です。

ルシオは“クロスフェード”によるスピードバフを用いてハルザリ構成が持つ欠点の一つである機動力を補う他、“グラビトン・サージ”の遠投や中距離での“アース・シャター”などUlt使用時に射程の面で少々の無理が効くようになります。このスピードバフは“龍撃破”で分断した際の追撃時や“デッド・アイ”のアシストとしても優秀です。

守りの面では、上記の攻めやドラゴンサージに対して“イモータリティ・フィールド”と“サウンド・バリア”が一定の受け性能を発揮します。もちろん毎回完全に受け切ることはできませんが、それぞれが持つ「一定体力キープ」と「体力自体の増加」は“心頭滅却”では受けきれない瞬間的な大ダメージを受けられる可能性があります。加えてハルザリ構成は集団で動く場面が多いため、二人が持つ範囲回復を最大限活用することができます。

ヒーロープール適用時やGOATs構成のような特殊構成時を除き、純粋なハルザリ構成+ルシオの形がトップメタとなるのは、おそらく2016年秋のSeason 2以来。当時、他の枠はリーパー/メイ/アナとなっており、いわゆる「ベイブレード構成」と呼ばれる構成がメタとなっていた時代です。

恐ろしくも懐かしいベイブレード構成時代

“ナノ・ブースト”のスピードバフ削除を筆頭に、当時から現在まですべてのヒーローに多くの調整が実施された結果、メイとリーパーのピック率は前回のライブアップデート時最下位(メイ)と現在最下位(リーパー)と悲惨な事になっていますが、今回その2ヒーローには強化調整が実施されています。ベイブレード“バースト”として再びブームを巻き起こした本家ベイブレード同様、再び彼らが環境を席巻する姿は見られるのでしょうか。

関連記事

『Overwatch(オーバーウォッチ)』は絶賛発売中で、対象機種はPS4 / Xbox One(海外のみ)/ PC / Nintendo Switch。

Source:Overwatch

コメントする

*