この世界においてお金持ちになる必要はない。なぜか?
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2018年7月10日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。ストイック派の知恵を探求しそれを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。
今回ご紹介する言葉は、セネカの『Cosolation to Helvia(ヘルウィアに寄せる慰めの書)』からの引用です。
この本の中でセネカは、自身のコルシカ島への追放に関して、母であるヘルウィアを慰める言葉をつづっています。セネカは、この書の12章で、裕福な人と貧しい人について次のように書いています。
そもそも、貧しい人々のほうが、裕福な人々よりもはるかに数が多いことを考えてみてください。
そしてよく見れば、貧しい人々が、裕福な人々よりも不幸や、不安であるとは限らないことがわかるはずです。
それどころか、むしろ幸せであるかもしれません。裕福な人々よりも、心を乱すようなものを多く持っていないからです。
さて、貧しさゆえに不幸だとは限らないことがわかった貧しい人々から、裕福な人々に視線を移してみましょう。
裕福な人々がどれほど貧しい人々と同じような問題を抱え、苦しんでいるかがわかるはずです!
この言葉が意味するもの
セネカは、「裕福でない人々が世界にどれほどたくさんいるのか考えてください」と言っています。また、彼らの多くが、満ち足りた人生を送っていることにも気づくように促しています。
さらにセネカは、貧しい人々は裕福な人々よりも幸せかもしれないと言っています。心の中に心配事が少ないからです。
そして、裕福な人々も貧しい人々と同じなのだと言います。彼らも貧しい人々と同じような問題をたくさん抱えています。むしろお金のせいで、貧しい人よりも多くの問題を抱えているかもしれません。
そこから学べるもの
もちろん、お金があれば人生の多くの側面が楽にはなります。それを疑う余地はありません。お金を、快適さ、安全性、健康を高めるために使うことができます。
しかし、お金がもたらす恩恵には、落とし穴も。「お金が増えれば、問題も増える」という格言を聞いたことがあるはずです。この言葉には多くの真実が含まれています。
お金は不幸も招く?
宝くじに当たった人を考えてみましょう。貧乏からお金持ちになって、一時的には満ち足りた気持ちになります。
しかし、それで幸福になるでしょうか? 突然降ってきたお金が、人生の重要な問題を解決してくれるでしょうか?
いいえ。家族の問題はお金では解決できません。気分の落ち込みが消えることもないでしょう。お金が正しい生き方を教えてくれるわけでもありません。
それどころか、お金は心を乱す要因にさえなりえます。また、お金は貪欲、謀略、悪徳をおびき寄せもします。
なぜお金がほしいか考え直してみよう
自分と家族に快適な生活を与えるために、十分な収入が欲しいと願うのは当然です。あなたはそういう世界に生まれ、この世界で生き抜いていかねばならないからです。
でも、セネカの言葉を心の片隅に置いておいてください。お金は必要ですが、お金持ちになる必要はありません。
なぜか?お金でいくらかの問題は解決できたとしても、人生の問題すべてが解決するわけではないからです。
お金で確実に解決できるのは、お金の必要性という問題だけです。あなたを心から幸せにするものが何なのかはわかりませんが、きっとお金ではないはず。
セネカによる『ヘルウィアに寄せる慰めの書』の全文はこちら(英文)で読むことができます。
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Image: Jacobs Stock Photography Ltd/Getty Images
Source: Wikisource
Patrick Allan - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之
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