今回は前置詞の第18弾です。

前置詞は日本語訳では同じ意味でもニュアンスはまったく違ったものになります。

今回紹介する前置詞「above」「over」がまさにその代表です。

どちらも日本語訳では「~の上」といった位置関係を表す前置詞ですがニュアンスはまったく違います。

ちなみに「~の上」と言えば以前学んだ「on」も同じ意味合いですよね。

今回はこれら3つを日常でしっかりと使いこなせるようにいっしょに学んでいきましょう!

「above」のイメージと意味を理解しよう!

「above」のイメージは・・・

あるものが別のあるものの上に浮いている

です。

イラストを見てください。

前置詞「above」のイメージ

このようにあるものの上に浮いていますが動きはなく静止しているイメージです。

こういったイメージから意味は

  • (~よりも)上へ(に)
  • (~よりも上側へ(に)

といった意訳がよく使われます。

そして「above」は「上に浮いている」イメージから物理的な位置関係だけではなく身分や立場あるいはレベルや金銭的なものにも使われます。

例文を使って「above」の使い方をマスター!

「above」のイメージを掴むためにも例文を見ていきましょう。

イメージを意識しながら例文を見ていくことで前述した3つの意味に固執せず臨機応変にニュアンスを掴むことができます。

《例文①》
A big cloud is floating above the mountain.
山の上に大きな雲が浮いている。

《例文②》
Tottori is above Okayama.
鳥取は岡山の上側(北側)に位置します。

※ここでは「上側」と意訳していますが地図で見ると一的に上側ということは、つまり方角では北側になりますよね。

なので「~の北側」と訳すこともできます。

《例文③》
He is above me in rank.
彼は私より上役だ。

※ランクが上ってことですよね。つまり上司というニュアンスになります。

《例文④》
His assets are above 10 billion yen.
彼の資産は100億円を超えている。

※ここでは「数量が~よりも上」というニュアンスで使われていますね。

このように「above」は「あるものの上に浮いている」イメージから、

単に物理的に上を指すだけではなく身分や役職、レベル、数量といったさまざまなものに使えます。

「over」のイメージと意味を理解しよう!

「over」のイメージは・・・

あるものが別のあるものの上を超える

です

イラストを見てもらうとわかるように

前置詞「over」のイメージ

「over」は「above」と違ってあるものの上を動いているイメージがあるのがわかりますよね。

そのイメージから・・・

  • ~を超えて
  • ~を覆って
  • ~の頭上に(の)

といった意訳がよく使われます。

例文を使って「over」の使い方をマスター!

それでは例文を見ながらさらに「over」のイメージを掴んでいきましょう!

イメージが大事です。意識しながら例文を見ていきましょう!

《例文①》
She must be over 50.
彼女、50歳は超えているはずだよ。

※ここでは年齢に使われていますよね。

「above 50」でもいい気がしますが「over」が正解です。

なぜなら年齢は常に動いているものですよね。だから「over」が適切です。

《例文②》
I prefer tea over coffee.
私はコーヒーより紅茶が好きです。

※ここでは好き嫌いといった感情を表現するのに使われていますね。

感情も動きがあるので「over」が適切ってことですね。

《例文③》
A bee is flying over my head.
蜂が私の頭上を飛んでいる。

※ここでも蜂が飛んでいるという動きがあるので「over」ですね。

《例文④》
There are over 5000 Udon restaurant in Kagawa.
香川には5000以上のうどん屋がある。

《例文⑤》
We have been in business for over 150 years.
弊社は創業150年以上です。

このように「over」は「あるものの上を超えて」という物理的な位置関係だけではなく年齢や感情・数量といったものにも使います。

まとめ

以上「above」「over」のイメージを掴むべく学んできましたがどうですか?

イメージは掴めましたか?

そこで最後に「on」も交えて3つの前置詞のイメージの違いを再度おさらいしておきましょう!

above
あるものの上に浮いているイメージ

over
あるものの上を動いているイメージ

on
あるものに接触しているイメージ

イラストを見てもらうとイメージしやすいですね。

前置詞「above」「over」「on」のイメージの違い

「on」は接触していれば上面・下面・側面に関係なく「on」を使います。

※前置詞「on」の復習をしたい方はこちら!

離れていれば「above」「over」のどちらかを使いますが、動きがなければ「above」で動きがあれば「over」を使います。

わかりやすく例文を見てみましょう!

  1. A bee is flying over my head.
  2. A bee is flying above my head.
  3. A bee is flying on my head.

どれも日本語訳にすると
「蜂が頭上を飛んでいる」になります。

でも3つともニュアンスはまったく違います。

①は頭上を飛び回っているイメージ
②は頭上を動かずに浮いているイメージ
③は頭に止まっている(触れている)イメージ

③はすでに頭に止まっているので③の英文は不自然ですね。
正しくは「A bee is on my head.」ですね。

このように「上」を表現する3つの前置詞は日本語訳にすると同じ意味ですがニュアンスがまったく違うってことです。

しっかりと使い分けるにはそれぞれの前置詞がもつイメージを理解することが大事です。

ピンと来てない方は何度もイメージを意識しながら例文を繰り返し見てみましょう!